千葉県立千葉中学校・千葉高等学校(ちばけんりつ ちばちゅうがっこう・ちばこうとうがっこう)は、千葉県千葉市中央区葛城一丁目にある県立中学校・高等学校。
共学の併設混合型中高一貫校。通称は「県立千葉」「県千葉」「千葉高」「千葉中」。
千葉県内の事情や国内の変遷に合わせて変化してきた学校である。自主的で教養を尊ぶ気風がある。高校は全国的に珍しい生徒会のない学校である。中学校には生徒会がある。[2]。
概観
千葉県立千葉中学校・千葉高等学校の前身である千葉県立千葉高等学校は、1878年(明治11年)8月に千葉縣師範學校(現:千葉大学教育学部の前身)構内(前:NHK千葉支局敷地)に千葉中學校と称して創立。以来、140年の歴史を誇り進学実績、入試難易度で県内首位を歩んできた。
1980年代後半から90年代半ばにかけ、年によっては東大合格者数が公立で首位になるほどの実績を残していた。2000年代に入るとその半数ほどに留まっているが、現在に至るまで公立高校としては屈指の実績をもつ。しかし、2002年に東京大学合格者数で初めて、千葉県内の渋谷教育学園幕張(私立)に抜かれることになった。
旧制中学以来の、自分から物事に自主的に取り組む気風がある。1969年には、千葉高生1名を含む4名の高校生が千葉高図書館に立て篭り、県警機動隊が投入される事件が発生した。生徒会は立てこもりの生徒と討論会で解決しようとしたが、そういった学校内部の努力にかかわらず、県教育委員会により県警機動隊が投入され、生徒会はその意義が問われることとなった。生徒により投票で生徒会は「解散」することとなり、現在に至るまで生徒会はない[注 1]。
2008年に「千葉中学校」を併設(各学年の定員は80名)。中学校の併設について学校側は「進学実績を上げるためでなく、より自由で活発な環境を整えるため」としている[4]。
教育方針
- 高校[要出典]
- 受験にとらわれない「重厚な教養主義」・「真の学問の追求」
- 中学
- 「互いに高め合う、系統化された一貫教育で豊かな人間力を培う。伝統、実績、真の学びで揺るぎない学力を育む」[5][6]
教育目標
- 高校[7]
- 民主的国家社会の有為な形成者として必要な資質を得るため,社会に対する広く深い理解と健全な批判力及び一般的教養を養成する。
- 自主的精神に富み,かつ自他の敬愛と協力によって,文化の創造と発展に貢献する円満にして豊かな個性を確立する。
- 平和と人類の福祉に寄与し,真理と正義を愛して勤労と責任を重んずる実践力並びに健康な身体を育成する。
- 中学[8]
- 高い知性:
- 知的欲求に働きかけて不断に学び続ける自主性を伸ばし、揺るぎない学力を基礎とした幅広く深い教養を育成する。
- 豊かな人間性:
- 多くの人びととふれ合い協同して互いに高め合う中で、他人のいたみのわかる、うるおいに満ちた人間性を育成する。
- 高い志:
- わが国の伝統や文化に対する深い理解と実社会への共感をもとに社会貢献の志を育み、自己を確立する基盤を育成する。
沿革
(沿革節の主要な出典は公式サイト[9])
教育課程
授業では教科書よりも教員作成の独自プリントを多用する傾向があり、中高の授業共に高度な内容となっている。
- 中学[13]
- 週1時間実施。自ら学んで発表し話し合うための力をつける。
- 通年でゼミを開講している。中1・中2は16人単位でゼミを行い、「千葉中アカデミア」で発表する。中3になると卒業論文を作成し、2月に発表会が開かれる。
- また、「プロジェクト」では、千葉高OB・OGなどによる社会人講演会や、職場体験が行われている。
- 高校
実力テストが高1で1回、高2・高3で2回行われている。
- 2003年度より総合的な学習の時間を開始している。一人一人が自分でテーマを見つけ、2年間で個別に調査・研究をまとめる。3年9月最初の総合の時間に、4つの分野(人文科学・社会科学・自然科学・芸術)に分かれて発表会が行われ、最も優れた作品に「千葉高ノーベル賞」が与えられる。3年間の研究成果は冊子『千葉高校ノーベル賞論叢』にまとめられ、全校生徒に配付される。
また、インターンシップ、東京大学見学会、学部学科説明会なども行われている。
学校行事
- 高校[14]
- 4月 - 入学式、校内実力テスト(高2、高3)、校外学習
- 5月 - 1学期中間考査、夏季球技大会
- 6月 -
- 7月 - 1学期期末考査
- 9月 - 総合学習発表会、文化祭
- 10月 - 秋季体育大会、地域懇談会、2学期中間考査
- 11月 - 創立記念日(1日)、修学旅行(高2)、合唱コンクール(高1)
- 12月 - 2学期期末考査
- 1月 - 学年末考査(高3)
- 2月 - 入学者選抜
- 3月 - 学年末考査(高1、高2)、卒業式、春季球技大会(高1、高2)
- 中学[15]
- 4月 - 入学式、オリエンテーション合宿(中1)、校外学習(中2、中3)
- 5月 -
- 6月 -
- 7月 -
- 8月 - 夏季ボランティア、職場体験
- 9月 - 文化祭
- 10月 - 体育祭、伝統文化学習(中2)、国内語学研修(中3)
- 11月 - 合唱祭
- 12月 -
- 1月 -
- 2月 - 卒業論文発表会(中3)
- 3月 - 卒業式、総合学習発表会(中1、中2)、海外異文化学習(中3)、球技大会(中1、中2)
- 強歩大会
- 創立100周年(1978年)を記念して始められた行事。九十九里浜を歩く。当初は男子30km、女子20kmであったが、のちに男女共に直線距離で約17kmに改められた。
- 2011年度は、東北地方太平洋沖地震の津波の影響により、安全が最優先だとして、他所への遠足(高1はお台場、高2・3は上野・浅草)に変更された。
- 2012年度以降は津波への危惧から、開催場所が佐原(利根川沿い)に変更された。
- 2015年度からは強歩大会を取り止め、東京・神奈川方面への校外学習を実施している。
- 体育大会
- 年3回あり、1学期は5月に夏季球技大会、2学期は9月に秋季体育大会、3月に春季球技大会がある。
- 秋季体育大会は、2019年度までは中高別々に開催されていた(中学体育祭の名称は「飛龍祭」だった)が、2020年度より中高合同開催とし、2021年度からは近隣の青葉の森公園陸上競技場を貸し切っての開催となっている。
- 文化祭
- 通常9月開催であるが、2012年から2015年は夏季休業中の校舎耐震補強工事のため、6月開催であった。2016年度より9月開催に戻っている。
- 総合学習発表会
- 3年生のうち、ゼミ担当教員に推薦された者が発表を行う。各分野ごとの最優秀者には千葉高ノーベル賞が贈られる。
制服
基本として男子は黒色の学生服。前を5個の校章入り金ボタンで留める。男子の襟は中・高ともに詰襟とラウンドカラーとのどちらでもよく最近は多くの生徒がラウンドカラーを着用している。女子は明るい紺色のブレザーで中高ともに校章バッジを装着し中学生は襟元にリボンも着用する[16]。
男子に校章バッジはなく、学生服の向かって左襟にローマ数字の学年章、右襟にアルファベットまたは数字の組章の、大きな襟文字バッジをそれぞれ装着する。襟文字の色は中学が黒色の七宝、高校が金色。中学では以前までこれに加え男女とも胸にプラスチック製の名札を装着していた。男女とも一部生徒はパーカーやトレーナー等を制服の下に着用するなどのアレンジした着かたで通学する者もいる[要出典]。高校には指定のジャージは無い。
かつては、白の横一本線が入った学帽が制帽として定められていたが、製造業者の廃業により、現在の規程にはない。
施設
普通校舎の他、講堂、図書館、美術館、食堂(中学校)、ビオトープなどの施設を有する。講堂は旧制中学時代の1927年(昭和2年)に落成、図書館は木造建築である。中学校専用の体育館・校舎は2010年度に新築された。2014年には新運動場が同窓会の寄付により竣工した[17]。
- 千葉高校美術館(美術館登録)
- 絵画・書画・各種工芸作品などを所蔵
- ビオトープ(絶滅危惧種などの貴重な生物が生息)
部活動
2022年までは、中学校と高校で別々に部活動が組織されていたが、2023年度より、中高合同で部活動を実施している[18]。
なお、2022年までの時点では中学校に以下の部活動が存在していた。
文化部
運動部
アクセス
学校関係者一覧
脚注
注釈
- ^ なお、当時の校長は「生徒会がないのはどうも寂しい」と述べている(千葉高百年史より)。また、生徒会は危険と一部誤って認識されている向きもある[3]。
- ^ 試合経過は[1]を参照。
出典
関連項目
外部リンク