南満洲鉄道パシハ型蒸気機関車
南満洲鉄道パシハ型蒸気機関車は、南満洲鉄道(満鉄)が設計・製造・運用した蒸気機関車。 概要パシコ形を凌駕する機関車として高速旅客列車用に製造された。ボイラーはマテイ形の短縮版で燃焼室と煙管長をそれぞれ380 mmと900 mm短くした。動輪はパシコ形と同様の1850 mmで軸重は23トン、半流線形の外被を持つ。保守の手間を低減し、機関車運用効率を向上させるため、機関車、炭水車の各軸受にSKF社のころ軸受(ローラーベアリング)を装備した。また、燃焼室、シュミットE形加熱器、給水加熱器、自動給炭機などを備える。ころ軸受はダブサ形で採用したものの、取扱い経験不足であり、当初は予期せぬ故障が発生したが、その後は平均キロ、走行キロ当たり修繕費ともに、従来のパシと比較して大きな向上を達成した。 また、1937年の日立製6両のうち816には箱形動輪が採用され、1940年の大連工場製には第一第三動輪がスポーク動輪で第二動輪が特殊中空動輪として採用された。 連京線で「はと」などの急行列車の牽引に使用され、安奉線の複線化後は新京駅 - 安東駅間の長距離運転をした時期もあった。また、1943年5月3日より1週間、新京駅 - 安東駅間にて満洲国皇帝用のお召し列車を牽引しており、満洲国鉄線用の1両は宮廷列車用として準備されたものとも考えられる。 戦後満鉄線所属機、満洲国鉄線所属機を合わせて、大連埠頭局管内 (16両) 、奉天鉄道局管内 (1両) に合計17両が存在し、中華民国に引渡された。中華人民共和国成立後は、「PX8」形、のちに「勝利 (SL) 8」形801 - 817となった。毛沢東専用列車を牽引する写真が公開されたこともある。1980年前後には804 - 806, 811, 815の5両が北京や鄭州市周辺で目撃されている。 保存現在は815が瀋陽蒸気機関車博物館に保存されている。 脚注注釈出典参考文献
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