国際標準同人誌番号
![]() 国際標準同人誌番号(英:International Standard Dojin Numbering)は、同人作品を識別するために設けられた番号システムの一種[1][2]。略称はISDN。 ISBN(国際標準図書番号)のパロディ。本家ISBN同様、各作品ごとに13桁のアラビア数字が一意に割り当てられる。 概要2008年7月、聖やきょう(本名:岡野正明)によって、同人誌などの同人作品の情報を一元的に管理する方法として、新たに「ISDN」という規格が考案された[3][4]。このISDNは、いわば「同人誌のためのISBN」と位置づけられており、同人作品に携わる全ての人の基盤となるシステムを目指していると語られている。 本家ISBN同様、ISDNは13桁のアラビア数字で構成される。ウェブサイト上から発行申請を行うことができ、各同人作品に対して一意にISDNが発行される。この番号はウェブサイト上で管理されている作品情報と紐づいており、HTMLおよびXML形式でデータを閲覧・取得することができる。またISDN発行時に別途バーコードの作成を依頼することもでき、これを用いて同人作品に管理用のEANコードを設けることができる。 現在、このISDNは「国際標準同人誌機構/日本同人誌コード管理センター」を名乗る非営利の任意団体[注 1](同人サークル)によって管理されている[3]。よってISDNは既存のISBNとは別の規格であり、当然このまま一般の書籍の流通経路に乗せることはできない。ただ本家ISBNとは異なり、ISDNの発行申請には一切の費用が発生しないため、利用に際してのハードルは低い。その上ISBNを発行することができない書籍以外の音楽、ソフトウェア、グッズ、フライヤー、コピー本などの多種多様な作品の形態にも対応しており、比較的自由度が高い[4]。 なおISDNの発行は任意であり、印刷会社、書店、即売会などにおいて基本的に不要である[5]。しかし、一部の印刷会社などではISDN用のデータや専用のバーコードシールを販売している例がわずかながら存在する[2][6]。 発行対象となる作品形態ISDNの申請フォームには、以下の作品形態が用意されている。
本家ISBNとは異なり、書籍としての体裁を成していないものや、書籍でない作品についてもISDNの発行を認めている。またコピー機で印刷した本(いわゆるコピー本)や手作りのグッズ、CD・DVDメディア、実体のないダウンロード作品などに対しても発行することができる。なおISBNを既に取得している書籍に対してもISDNを発行することができる[3]。 ISDNの規格仕様ISDNは固定長の13桁アラビア数字を使用する。なお本家ISBNには2006年12月31日まで発行されていた「10桁」の旧規格が存在するが、2008年に制定されたISDNは新規格の方である「13桁」のみを採用している(ただし相談があれば10桁のISDNも非推奨だが対応可能としている[5])。 基本的な仕様は本家ISBNとほとんど同じだが、前方の数値には278~279が用いられるという点が大きく異なる。これはインストアコードの「20X~29X」と本家ISBN-13の「978~979」を合成させた数値である。
書籍JANコードなお一般の書籍同様、日本図書コード(Cコード)や価格を表記した、2段目のバーコードも用いることができる。これらの規格も書籍JANコードと概ね同様である。ただし接頭記号がISBNは192なのに対して、ISDNは292を用いる。
ISDNの表示ISDNを文字列として表記する場合は、 またCコードを表記する場合には、 作品データISDNをウェブサイトの検索バーに入力することで、その同人作品のデータを検索して、閲覧することができる[3]。各作品のページは その他、コンピュータが処理しやすいXML形式でもデータを取得することができる。この場合は、
なお、作品データすべてを取得するには、サイトマップ(https://isdn.jp/sitemap.xml)を用いることが推奨されている[7]。 ISDNのメリットISDNは2025年5月16日時点で登録作品数が11,000件を突破した。しかしこれは、即売会や同人作品全体の規模から考えると、極めて限定的な数であり、本家ISBNほど書籍の販売現場と密接に紐づいた関係ではない。実際、印刷会社への入稿や即売会での見本誌提出などにおいて、このISDNが利用される例は存在しないか、非常に稀である。 しかしISDNは一般のバーコードリーダーでも読み取れるため、POSシステムを利用した店舗や即売会などにおける在庫管理[8][9]、あるいは専用のアプリケーションを利用した自宅の蔵書管理などに活用することができる。「司書にゃん」や「司書のこぁちゃん」など、ISDNに対応したソフトウェアも既に存在する[7][10]。 また単純に、自身の制作した同人誌にバーコードを印字できる(市販書籍風のデザインにできる)という点もメリットである[3][注 3]。 脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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