姫路女学院中学校・高等学校(ひめじじょがくいんちゅうがっこう・こうとうがっこう)とは、兵庫県姫路市豊沢町にある学校法人摺河学園が運営する私立中学校・高等学校(女子校)。略称は姫路女学院。旧兵庫県播磨高等学校。
概要
1921年(大正10年)、大正デモクラシーの中、摺河静男が勤め先からの帰路に県立女学校に入学できずに涙ぐむ少女の姿を見て、女子の進学の狭き門を痛感。「国家の繁栄と国民の幸福は教育の振興によらねばならない。とりわけ、女子教育こそ国家百年の盛衰に関わる緊要事である」との強い信念により、妻・ウメと共に創立。建学の精神には、社会の一翼を担い、一方で家庭において良き妻・賢き母として理想的な家庭を創っていくことのできる女性を育てたい、という創立者・摺河静男の思いが込められている。
2021年(令和3年)4月に校名を兵庫県播磨高等学校から姫路女学院高等学校に変更した[1][2][3]。併せて、同一敷地に設置されている兵庫県播磨中学校も姫路女学院中学校に変更し、生徒募集を開始した[3][4]。
思いやりや心づかい、やさしさを育てる「心の教育」に重きを置いている。校祖は摺河静男。理事長・学校長は摺河祐彦。副校長は長谷川貴久。姉妹校に姫路ハーベスト医療福祉専門学校がある。
沿革
学科・コース
- 普通科
- 特別進学国際教養コース
- 教養コース
- アスリートコース
普通科は特別進学国際教養コース、教養コース、アスリートコースを設置。アスリートコースでは、強化運動部(サッカー、バレーボール、ソフトボール、剣道、陸上競技)に所属し、国際舞台も視野に入れた自己実現を目指している。
部活動
サッカー部は全日本高等学校女子サッカー選手権大会に3回(第27回、第29回、第30回)出場している。
★は強化指定部
運動部
- ★サッカー部
- ★剣道部
- 卓球部
- ゴルフ部
- ★バレーボール部
- バスケットボール部
- ★ソフトボール部
- バドミントン部
- ソフトテニス部
- ★陸上競技部
- ダンス部
文化部
- ギター・マンドリン部
- 陶芸部
- 茶道部
- 華道部
- 和装部
- 園芸部
- 図書部
- 美術部
- 手芸部
- 放送部
- 科学部
- 音楽部
- 吹奏楽部
- 書道・硬筆部
- 演劇部
- パソコン・マーケティング部
- 数学部
- 文芸部
- ESS部
特別クラブ
特色
心の教育
- 独自の教育として、礼儀作法・立ち居振る舞い・言葉遣いなどを学ぶ「教養科」の授業を1974年より導入している。日常より先生や来客者に会った場合、立ち止まって停止礼で挨拶をする。
- 朝の読書運動。「すべての生徒がかけがえのない一冊に出会う」ことを目標にしている。
キャリア教育
- 生徒自身の興味・関心を見つけ、将来の目標「今何をすればよいか」を考え、行動につなげる実践型のオリジナル授業。
- スティーブン・R・コヴィー博士の「7つの習慣」の考え方を基に生徒が実践的に学べるように日本の小・中・高校生向けにアレンジ・開発した人間性教育プログラム。
国際教育
- 姉妹校との国際交流・交換留学、Skypeによる交流
- 海外大学進学プログラム
制服
現在の制服はグレーが基調のブレザーに、赤×グレーのストライプのネクタイまたはリボン。夏はポロシャツにボックススカート、気候に合わせてカーディガンやセーター、マフラー等のアイテムもある。
交通アクセス
JR山陽本線姫路駅より徒歩約5分。
事件
ソフトボール部暴行事件
2022年9月24日、ソフトボール部顧問を務める40歳の商業科男性教諭が、地区大会の会場であった兵庫県上郡町の高校で1年生の女子生徒の顔や頭などを殴る暴行を行った[9]。また翌9月25日も尻を蹴るなどの暴行を行い、多数の暴言もあった。これにより女子生徒は顎が外れ全治1カ月の外傷性開口障害と診断され、精神的なショックにより登校できない状態となった。女子生徒の保護者は兵庫県警に被害届を提出した[10]。被害を受けた女子生徒は、学校への不信感なども重なり、10月下旬に医師から急性ストレス反応とうつ状態と診断された。そして学校に通えないまま、10月末で同校を退学した[11]。
10月4日、学校はウェブサイトに摺河祐彦校長名で『お詫び』を掲載して謝罪した[12]。学校は教諭の懲罰委員会を実施し、2022年10月12日付けで男性教諭を懲戒解雇したと10月13日に発表した[13]。2023年1月11日、兵庫県警捜査第一課は、この元男性教諭を傷害などの容疑で神戸地方検察庁姫路支部に書類送検した[14]。3月20日、姫路区検察庁は元教諭を傷害と暴行の罪で略式起訴[15]。姫路簡易裁判所は、3月28日までに罰金30万円の略式命令を出した[16]。
脚注
- ^ a b 創立100周年記念事業における「校名の変更」について
- ^ a b 播磨高校が姫路女学院に 創立100周年前に校名変更
- ^ a b c 『令和2年度第2回兵庫県私立学校審議会開催結果』(pdf)(プレスリリース)兵庫県私立学校審議会、令和3年3月23日。https://web.pref.hyogo.lg.jp/kk35/documents/r2shigakusingikai2.pdf。2021年5月2日閲覧。
- ^ 姫路女学院中学校
- ^ a b c d e f g h i j “学校案内 | 姫路女学院中学校・高等学校”. 姫路女学院中学校・高等学校 | 姫路女学院中学校・高等学校の公式サイトです。 (2021年4月8日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ “前兵庫県副知事・金沢氏、特別顧問に就任へ 姫路の摺河学園” (Japanese). 神戸新聞NEXT (2021年10月9日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ “兵庫元副知事の金沢氏、国際人育成へ 教育で県活性化”. 日本経済新聞 (2021年10月7日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ “インドネシアの姉妹校と覚書を調印しました | 姫路女学院中学校・高等学校”. 姫路女学院中学校・高等学校 | 姫路女学院中学校・高等学校の公式サイトです。 (2022年11月8日). 2024年12月8日閲覧。
- ^ “女子生徒に平手打ち、顎外れる=高校ソフト部で体罰―兵庫・姫路”. 時事通信社 (2022年10月3日). 2022年11月9日閲覧。
- ^ “顧問に顔を平手打ちされたソフトボール部員、あご外れる重傷…姫路女学院高”. 読売新聞社 (2022年10月3日). 2023年3月6日閲覧。
- ^ “兵庫 あご外れる体罰 女子生徒が退学届提出 母親「悔しい」”. NHK (2022年11月3日). 2022年11月9日閲覧。
- ^ “お詫び”. 姫路女学院 (2022年10月4日). 2023年3月6日閲覧。
- ^ “姫路女学院高ソフトボール部体罰 男性教諭を懲戒解雇 再発防止策も公表”. 神戸新聞社 (2022年10月13日). 2023年3月6日閲覧。
- ^ “姫路女学院 ソフトボール部元顧問を書類送検 生徒の顔を平手打ち”. サンテレビ (2023年1月11日). 2023年3月6日閲覧。
- ^ “姫路女学院高の元ソフト部顧問、略式起訴 元部員に体罰”. 産経新聞. (2023年3月20日). https://www.sankei.com/article/20230320-BJ3HBKIUKFJJHLAN5GQRO6L42M/ 2023年3月20日閲覧。
- ^ “部員に体罰のソフトボール部元顧問に罰金30万円の略式命令”. NHK (2023年3月28日). 2023年11月10日閲覧。
関連項目
外部リンク