姫路市中央卸売市場
姫路市中央卸売市場(ひめじしちゅうおうおろしうりしじょう、英語: Himeji City Central Wholesale Market)は、兵庫県姫路市が設置している中央卸売市場。兵庫県内に2つある中央卸売市場の一つ。 歴史中央卸売市場開設以前の姫路では、姫路駅北西部(駅から徒歩5分ほどの場所)の久保町一帯に市場街が形成された。周辺の忍町や高尾町にまで拡大したものの、自生的に生まれた市場街であったため機能性に乏しく、戦後の高度経済成長下における経済発展、人口増加に対応できなくなっていた。 そこで姫路市は、姫路市手柄地区に中央卸売市場の開設を決定し、1957年(昭和32年)10月20日に全国で15番目となる中央卸売市場が姫路に誕生した[1]。 中央卸売市場開設後、久保町一帯の市場街の中央卸売市場への移転は進んだが、現在に至るまで久保町一帯の市場街は存続している。しかし、久保町一帯の市場街で最大の青果業者であった山市青果の倒産・廃業以降は、町の八百屋、魚屋などの小規模専門小売業者の衰退や量販店の進出などの市場環境の変化が加わり、衰退傾向は加速している。 姫路市中央卸売市場は鮮魚などを扱う水産物部と、野菜や果物などを扱う青果部で組織されているが、青果部は卸売業者がすべて合併したため(1963年に姫路中央青果・姫路農産市場・姫路青果の3社が合併)、全国の中央卸売市場にさきがけて卸売業者1社体制を実現した。 2023年(令和5年)3月13日、姫路市白浜町に移転した。移転前の市場敷地内には、1957年3月27日から1979年10月31日まで、日本国有鉄道(国鉄)姫路市場駅が所在し、貨物列車で食料品の輸送を行っていたが、トラック輸送に置き換えられて廃止されている。移転後の跡地は市立高校3校が合併した「姫路市立高等学校」の新校舎を建設予定[2]。 移転の経緯近年は、市場外流通(産地直送・ネット販売)などの流通環境の変化や、道路交通網の発達に伴う地方市場の必要性の低下から、近隣市場(京都市場、大阪本場、大阪北部市場、神戸市場、岡山市場など)との競争が激化しており、取扱量の減少への対応を求められている。 [3] 低迷の原因は、以下のようなところにある。
取扱量減少の結果、青果部は農林水産省の策定した第9次卸売市場整備基本方針に基づく中央卸売市場の再編基準に該当することとなり、2015年(平成27年)4月1日より地方卸売市場に転換し、水産物を取り扱う「姫路市中央卸売市場」と青果物を取り扱う「姫路市青果地方卸売市場」が併存する公設市場となった。その後、改正卸売市場法の下、中央卸売市場としての認定要件である一定の規模以上等を満たしたことから、水産物部と青果部をあわせて中央卸売市場の認定を受けた[5]。 取扱量の減少と施設の老朽化への対策が急務となった姫路市は、高品質な生鮮食料品等の安定供給と市場の活性化を図ることを目的として、場内事業者と低迷する市場の再建について検討を行い、2015年(平成27年)に食品関連会社や運送会社が立地する姫路市白浜町への移転再整備を決定し、2023年(令和5年)3月13日に白浜地区に移転した[5]。また、新市場の北東隣接地では、市場流通品を販売する民間集客施設も検討されている。 組織姫路市産業局・中央卸売市場
市場関係業者青果部水産物部
輸送組合
委託手数料率卸売業者(荷受)の収受する委託手数料率
脚注
関連項目外部リンク
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