岩井淳岩井 淳(いわい あつし、1968年 - )は、日本の電子コミュニケーション学者。カナダ・トロント生まれ。情報工学と社会学を背景に、主に意思決定支援システムの研究を行う。匿名コミュニケーション、社会的選択理論、ストレス理論に関連した支援法を中心とする。群馬大学社会情報学部教授[1]。 来歴・人物情報工学を専攻後、社会学を学びつつ複合領域として意思決定支援の研究を開始した。博士課程では指導教員の今田高俊に異動が生じ、行動を共にするため一旦退学し再入学している。
研究テーマ匿名保証型の意思決定支援システム参加者に匿名性を保証する型の意思決定支援システムの研究を行う。都市レベルの大規模な意思決定支援を最終目標とする。2003年に投票の匿名性水準をクロード・シャノンの情報理論に対応づけて測定する技法を発表した。2007年に米国でコンピュータネットワークのセキュリティ研究の一つとして同様の技法が提案されるが、岩井の提案はこれに先立つものである。 社会的選択理論の情報学的展開アジア人として初めてノーベル経済学賞を受賞したアマルティア・センの社会的選択理論を日本に紹介する活動に力を入れる。この分野でセンの主著とされる『集合的選択と社会的厚生』の訳者の一人でもある。一方で、従来の社会的選択理論が可能と不可能の定性的議論に着目しがちである問題に対し、2012年にシャノンの情報理論の定量性を取り入れる「社会的選択理論の情報学的展開」を提案した。 ストレス理論と意思決定支援研究の接合1997年に東京大学医学系研究科教員の山崎喜比古とともにアーロン・アントノフスキーの健康生成理論と中心概念SOC(Sense of Coherence)を日本に紹介する研究を行った。同理論は、ストレス源自体を健康な人生を構成する一つの要因と位置づける特徴がある。また、集団的ストレス対応の視点を含む点で集団的意思決定の問題に関わる。自殺抑止の問題にも関連する。 著書
訳書
所属学会
脚注
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