戦国の兵法者
『戦国の兵法者』(せんごくのへいほうしゃ[2])は、日本のパソコンゲーム製作会社StudioGIW(スタジオギウ)が開発し、ベクター他によりダウンロード販売されるWindowsパソコン用シミュレーションゲーム(シェアウェア)である。ザ・ゲームシリーズNo.6『戦国ゲーム』の表題でダイソーでも販売された。オンライン対戦が可能な「通常版」と、通信機能を廃して価格を下げた「オフラインバージョン」がある。 概要StudioGIWが個人として活動していた2003年3月26日に通算5作目として発表され、同年7月8日発行の「PC USER」7月24日号(ソフトバンクパブリッシング)、10月18日発行の「インディーズゲーム for Windows」(工学社)[3] に掲載された。その後、2004年にダイソー版、続いて合資会社設立後の2005年3月に「オフラインバージョン」が発表された。会社化後の作品は『ヴァスタークロウズ1&2 Special』など商業作品として扱われる中で、この作品の「オフラインバージョン」は同社最後のシェアウェアゲームとなった。 日本の戦国時代に於ける著名な5つの合戦を再現するターン制歴史シミュレーションゲームである。プレイヤーはシナリオ毎に指定された陣営の総大将となり、戦術を駆使して敵の総大将を討ち取れば勝利、自軍の総大将が討ち取られると敗北となる。武将の率いる部隊はドットで示される兵の集団として表現され、例えば「鶴翼の陣」で接敵と同時に他の陣形に移ると敵を両翼で挟み込む包囲効果が得られるとか、その一方で鶴翼の陣は指揮官たる武将が敵に接近され易い、など陣形や用兵の特性や利点・弱点を視覚的に再現する。また、合戦経過を「采配データ」として保存し、同梱の再生プログラムを使って再生できる棋譜のような機能[4] を搭載し、さらに「通常版」ではIGM[1] を通じて他のプレイヤーと最大2対2で遊べる通信対戦機能を搭載する。 ゲームシステムゲームは自軍部隊に指示を与える「采配フェイズ」と各部隊が指示を実行に移す「戦闘フェイズ」とを1ターンとし、それを交互に繰り返して進行する[5]。
采配フェイズ配下武将に対して、戦闘フェイズで実行すべき行動を次の6種類から指示する。実際の行動は「戦闘」フェイズに実行されるので、指示はフェイズを終了させない限り何度でもやり直せる。自軍と敵軍及び友軍は旗や兵(ドット)の色で識別される。晴天の昼ターンには互いの総大将のみ常に武将名が表示され、配下武将や友軍は武将位置を示す旗にカーソルを合わせると武将名を確認できる。
戦闘フェイズ「采配フェイズ」で与えた指示を各部隊が実行に移すフェイズで、プレイヤーには実質的に介入の余地が無い。敵味方が接触すると、その位置に交差する刀のアイコンが表示され、戦闘が開始される。それぞれ旗の位置に居る武将を討ち取られた部隊は統制を失い、士気が半減して采配フェイズの指示を受け付けなくなる。友軍武将が討ち死にすると友軍全体の士気が下がり、敵武将を討ち取った部隊は士気が上がる。「士気」は部隊の攻撃力、「体力」は部隊の移動力に影響する。なお、通信対戦と不定地形を除いて、武将の能力値が兵に影響を与える。一方、陣形には攻撃力・防御力数値や定まった強弱関係は無く、もっぱら戦闘に参加しうる兵数による攻撃面と武将の位置による防御面での有利・不利が反映される。 戦闘結果と評価判定敵の総大将を討ち取ると自軍勝利で終わり、戦闘に参加した武将の功績に基づく得点が計算される。武将の功績には敵と最初に交戦した「一番槍」、敵将を最初に討ち取った「一番首」、総大将を討ち取った「将首」、総大将以外の自軍武将の負傷も功績に数えられる(自軍総大将の負傷は功績を下げる)。得点は武将の功績値の合計とクリアターンの少なさ、自軍死傷者数の少なさによって決まる。こうして計算された全ステージの平均点が一定水準を満たすと最高八段までの「段位」が与えられる。特定ステージをクリアすると、それぞれ特殊効果を持つ以下の「兵法書」(武経七書)が得られる。
「通常版」に於ける通信対戦では、対戦成績によってさらに「兵聖」「騎聖」などの「冠位」が与えられる。対戦で連勝すると、オフラインでは得られない九段の段位を得る可能性も生じる[7]。 シナリオこのゲームで遊べるシナリオは、以下の7本である。このうち「模擬戦」と「不定地形」は全くの仮想戦であり、前者は太原雪斎による指導付きの練習シナリオ、「不定地形」は遊ぶ度に地形が変化するランダムマップシナリオである。また、中級・上級難易度では、例えば山崎の戦いで明智軍が羽柴軍と同数兵力になっていたり、関ヶ原の戦いで小早川秀秋が寝返らないなど、仮想戦となるものもある。なお、どのシナリオも原則として1度で勝負がつくが、「不定地形」だけは3回連続して戦闘を行い勝敗を決定する。
戦国ゲームダイソー版に於ける製品版との違いは、シナリオが「模擬戦」「桶狭間の戦い」「不定地形(ランダムマップ)」の3つに限られる点、難易度が易しく設定されている点、通信対戦非対応である点、の3点である。 関連作品
脚注
外部リンク
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