日本記録挑戦会兼住友電工杯(にほんきろくちょうせんかい)は、例年10月に兵庫県伊丹市の住友総合グランド陸上競技場で行われる陸上競技大会である。関西実業団陸上競技連盟主催、住友電工協賛で行われ、通常の大会ではあまり実施されない種目が中心に実施される。
概要
2011年に住友電工が伊丹製作所の開所70周年を記念して、それまで土のグラウンドだった住友総合グランド陸上競技場を1年かけて全天候型に改修した。競技場は日本陸上競技連盟から対抗競技会や記録会が開催できる第四種公認競技場に認定され[1]、それを記念して関西地方でかつて行われていた同様の大会を復活させた[2]。大会は「住友電工陸上フェスタ」の一環として開催され、同日に地元の小学生を招いた陸上教室なども開催される[注釈 1]。あまり実施されない種目の日本記録誕生を後押しして陸上界を活性化させると共に、将来の競技者を育てることを目的としている[3]。
第1回大会は「2012 関西実業団陸上競技連盟“日本記録挑戦”記録会」という名称で、第2回大会から現在の「日本記録挑戦会兼住友電工杯」という名称になっている。
第1回大会は日本記録が誕生せず、第2回大会では男子60mで江里口匡史が従来の日本最高記録を上回る6秒57をマークするも追い風参考記録(+2.1m/s)となった[4]。第3回大会の男子60mで川面聡大が6秒63の日本最高記録で優勝、2位に入った西垣佳哉も従来の日本最高記録を上回る6秒68をマークし、3大会目にしてついに日本(最高)記録が誕生した[注釈 2][5][6][7]。また、日本記録挑戦会では日本(最高)記録に留まらず、第5回大会の男子200mハードルで22秒80のアジア最高タイ記録(大室秀樹)[8]、第6回大会の男子200mハードルでは22秒55の世界最高タイ記録(渡部佳朗)が誕生している[9][10]。
大会一覧
回
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開催日
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実施種目
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日本記録
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1
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2012年10月21日
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男子
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100m、300m、5000m、200mH、1000mMR、4×800mR
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-
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[11]
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女子
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100m、300m、3000m、5000m、100mH、200mH、4×800mR
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-
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2
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2013年10月20日
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男子
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60m、100m、300m、5000m、200mH、4×200mR
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-
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[12]
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女子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、100mH、4×200mR
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-
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3
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2014年10月5日
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男子
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60m、100m、300m、5000m、200mH、4×200mR
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60m(2)
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[13]
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女子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、100mH、4×200mR
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-
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4
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2015年10月4日
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男子
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60m、100m、300m、5000m、200mH、4×200mR
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-
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[14]
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女子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、100mH、4×200mR
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-
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5
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2016年10月16日
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男子
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60m、100m、300m、3000m、200mH、4×200mR
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200mH(1)
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[15]
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女子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、100mH、4×200mR
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-
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6
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2017年10月1日
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男子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、200mH、4×200mR
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200mH(1)
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[16]
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女子
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60m、100m、300m、3000m、5000m、100mH、4×200mR
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-
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記録
男子60m(屋外)、男子200mハードル、女子300mは日本陸上競技連盟が日本記録と公認していないので、日本最高記録である。
大会から生まれた日本記録と従来の日本記録
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大会から生まれた日本記録
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従来の日本記録
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回
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種目
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選手(所属)
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記録
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選手(所属)
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記録
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年月日
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3
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男子60m
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川面聡大(ミズノTC)
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6秒63(0.0)
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有川秀之(福岡県教委)
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6秒69
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1985年
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西垣佳哉(法政大学)
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6秒68(0.0)
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5
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男子200mH
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大室秀樹(大塚製薬)
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22秒80(-2.2) (アジアタイ記録)
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秋本真吾(チームアイマ)
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22秒80(+1.8)
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2010年10月31日
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6
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男子200mH
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渡部佳朗(城西大学)
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22秒55(+1.4) (世界タイ記録)
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秋本真吾(チームアイマ)
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22秒80(+1.8)
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2010年10月31日
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大室秀樹(大塚製薬)
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22秒80(-2.2)
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2016年10月16日
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大会記録と日本記録
男子
女子
脚注
注釈
- ^ 第1回と第2回大会の時は中学生も招いていた。
- ^ 日本陸上競技連盟は男子の屋外60mを日本記録と公認していない。
出典
関連項目
外部リンク