昼神温泉
昼神温泉(ひるがみおんせん)は、長野県下伊那郡阿智村付近で、国鉄中津川線を建設しようとトンネル工事をして掘り当てた温泉である。それ以前にも温泉が有ったとの伝説は残るものの、定かではない。 源泉井2020年(令和2年)現在、昼神温泉では複数の源泉井から温泉水を得ている。これらの源泉井は、いずれも昼神断層の北側、阿知川の右岸に位置している[1]。また、源泉井でのpHは、いずれもpH 9を上回っている[1]。
これらの中で、2020年(令和2年)現在、主力の源泉として利用しているのは、第4号井と第5号井である[1]。 泉質アルカリ性単純硫黄泉であり、その湧出地点でのpHは9.7であった[2]。 なお、一般に日本列島の花崗岩質の深い場所を掘削して得られる温泉水は、アルカリ性単純泉が多く、昼神温泉の泉質の場合も、この一般例に該当する[1]。 温泉地昼神温泉の温泉街のある付近は、かつてはタバコを盛んに栽培していた地域であった[1]。しかし、中津川線の工事によって1973年(昭和48年)に温泉を掘り当ててから[3]、急速に温泉街が発達していった、歴史の新しい温泉地である[1]。なお、ここに最初の宿泊施設が開業したのは1975年(昭和50年)であった[3]。 そして、その後も、複数の宿泊施設が開業していった。これは温泉を掘り当てた当時から、中京圏から中央自動車道と直結されていたため、アクセスに優れていた事などが要因とされる。この結果、宿泊施設は20軒以上を数え、温泉街の規模は長野県南部では随一に広がった。なお、阿智村の条例で、ネオンサイン類やバー、風俗店など公序良俗に反する施設の出店を厳しく取り締まっているため、規模の割に長閑な光景が見られる点も特徴である。 温泉施設
足湯(無料)
温泉水プール2020年(令和2年)現在、昼神温泉には温泉水を利用した公共の温水プールも存在する[1]。 朝市昼神温泉郷の中心部に「朝市広場」が設置され、午前6時頃から営業している。長野県南部では昆虫食を行ってきた伝統を有し、いなごの佃煮も販売している。また、阿智村で収穫された野菜や、その加工品のコンニャクや漬物なども販売している。 周辺
アクセス車中央自動車道の飯田山本IC及び園原ICより約10分(園原ICは名古屋方面のみ利用可能)。 鉄道JR飯田線の飯田駅より信南交通バス(広域駒場線)で約30分。平日4往復、土休日2往復が運行されている。 高速バス中央道高速バスの駒場バス停/中央道昼神温泉バス停(両者は阿智PAに併設されている同一地点のバス停で、運行会社によりバス停名称が異なる)より車で約10分。名古屋―飯田線の一部は昼神温泉郷経由の便もある。 歴史昼神は旧官道東山道の道筋で、延喜式内社「阿智神社」の鎮座地であり、古来より知恵の神「思兼命」とその氏族が入植した地域である。数キロメートル先に東山道の阿知駅の推定地駒場集落がある。[4] 温泉地としては一般には1973年、トンネル掘鑿によって発見された歴史の浅い温泉と認識されている。だが、だいたい江戸時代中期にあたる250年前頃に、この一帯で温泉が湧出したという記述がある。但し、当該温泉と合致するかは不詳。この温泉は後の災害(土砂崩れ)によって埋没し、所在不明になっていたという。
関連項目
脚注注釈
出典
参考文献
外部リンク |
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