木管五重奏曲 (ニールセン)木管五重奏曲または管楽五重奏曲(デンマーク語:Blæserkvintet)作品43、FS.100は、デンマークの作曲家カール・ニールセンが1921年末から1922年4月にかけてにより作曲した木管五重奏曲。 概要ニールセンはコペンハーゲン管楽五重奏団(後にロイヤル・チャペル管楽五重奏団)と親交があり[1]、この曲はこの管楽五重奏団のために書かれた。なお、後にニールセンは団員全員にそれぞれの楽器のための協奏曲を書き上げるという計画を立てたが、体調が悪化したこともあり、フルート協奏曲とクラリネット協奏曲のみに終わっている。 曲の構成この曲は以下の3楽章から成り立っており、同時期に作曲された緊張感のみなぎる交響曲第5番とは対照的に、親しみやすい曲想である。第3楽章の後半「主題と変奏」には11の変奏が伴う。
第1楽章主題の3つあるソナタ形式(提示部→展開部→再現部) まず、ファゴットにより第1主題が奏でられ、他の楽器と絡みながらこんどはフルートとオーボエに飛び跳ねるような第2主題が奏でられる。そしてホルンにより感傷的な副主題(第3主題)が奏でられ、提示部が終わり、もう一度繰り返される。展開部は各主題が絡み合い、複雑な展開をする。再現部は3つの主題が扱いを変えて奏でられる。 第2楽章メヌエット(メヌエット→トリオ→メヌエット→コーダ)。 伝統的なスタイルに従って、メヌエット部もトリオ部も前半と後半から成る。どちらも前半のみ繰り返す。前半はクラリネットにより田園的な主題が奏でられる。後半はフルートにより奏でられる。トリオは、主題をオーボエ、クラリネット、フルートの順に重ねて奏でる。後半も、同じ主題を扱って変奏する。再びメヌエット部に戻り、コーダとなる。 第3楽章「前奏曲」と、11の変奏を持つ「主題と変奏」から成る(前奏曲→主題、第1変奏から第11変奏、コーダ)。 前半の「前奏曲」で、オーボエ奏者はコーラングレに持ち替える。コーラングレの重々しいアダージョの主題をフルートが受け、その後再びコーラングレがメインとなる。 後半の「主題と変奏」のはじめの主題は、ニールセンが1912年から1916年にかけてまとめた歌曲集『賛歌と聖歌集』の中の「わがイエズスよ、わが心をそなたへの愛に向けさせたまえ」の旋律を引用している。また、この主題に伴う変奏は全部で11である。第3変奏の途中でコーラングレはオーボエに持ち替え。
楽器編成フルート、オーボエ(第3楽章の前半でコーラングレに持ち替え。後半で元にもどす)、クラリネット、ホルン、ファゴット 初演・出版世界初演私的初演が1922年4月30日、スウェーデンのイェーテボリにあるヘルマン・マンハイマーの邸宅にて行われている。 公開初演は同年10月9日、デンマークのコペンハーゲンにて、コペンハーゲン管楽五重奏団により行われている。 出版1923年、ヴィルヘルム・ハンセン社 メディア注釈参考文献
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