松本電気鉄道3000形電車
松本電気鉄道3000形電車(まつもとでんきてつどう3000けいでんしゃ)は、1999年(平成11年)より営業を開始し、松本電気鉄道(現・アルピコ交通)が運用していた上高地線の通勤形電車である。 概要1986年(昭和61年)12月20日に上高地線の架線電圧を750Vから1500Vに昇圧して以降、同線では東京急行電鉄5000系を改造した5000形を運用していた。しかし新製から40年を迎え機器類の老朽化が進んでいたことや非冷房であることなどを理由に車両を取り替えることになり、当時京王電鉄で1000系の導入により廃車となった3000系を譲渡、京王重機整備にて改造・整備のうえで3000形として導入した。 沿革
形式形式と編成は下記の通り。8両全てが中間車から先頭車へ改造された車両である。
3001-3002・3003-3004・3005-3006・3007-3008の2両編成4本が在籍する(左側が新島々寄り、右側が松本寄り)。運転席後ろの窓が連結面の小型窓の発生品となっている。3001・3003・3005・3007の種車がデハ3100形のため、長野県の私鉄では初の界磁チョッパ制御車となった。 改造内容
編成表
ラッピング・特別編成なぎさTRAIN2013年3月20日より、3005-3006編成に上高地線イメージキャラクター渕東なぎさをラッピングした「なぎさTRAIN」が運行されている[13]。この「なぎさTRAIN」はテレビアニメ『SHIROBAKO』第24話に登場する。同作の水島努監督は旧波田町で小学生時代を過ごした。 2023年10月27日に休車後[14]、2024年4月5日に運用復帰[15]。同年11月3日に定期運用を離脱し17日の団体運用をもって引退[16]。19日に長野県警察及び松本広域消防局による異常時総合訓練に使用された後[17]、29日のイベントをもって解体・搬出された。 モハ10形リバイバルカラー2017年6月3日より、昭和30年代〜昭和50年代にかけて上高地線で使用されたモハ10形電車のカラーリングを、3003-3004編成がラッピングで再現して運行している[18]。 2021年8月の水害により孤立区間となった松本駅で長期間留置されていたが、後述の通り翌2022年8月に運用復帰を果たしている。 2023年3月15日に定期運用を離脱して予備車となり、貸切列車などに使用されたのち4月1日から休車となった[19][20][21]。その後11月3日に運用復帰[22][23]した。2024年4月2日に20100形第3編成と入れ替わる形で休車[24]。8月7日に予備車として再復帰[25]、8月20日に定期運用に復帰した[26]。20100形第4編成の導入に伴い2025年3月9日をもって定期運用を離脱し、3000形による営業運転が終了した。なお、同編成はすぐには廃車されず、当面はイベント用として残留する[27]。 大雨災害による一連の動き令和3年8月の大雨による上高地線一部区間不通の間は松本駅に取り残されており、法定点検を受けることができないため休車扱いとなっていた。 当初は不通区間の復旧後に廃車して他編成の部品取りとして活用される予定だった[28]が、新島々駅に停車していた3001-3002編成が2022年7月に落雷の被害を受けて起動不能になり廃車を余儀なくされたことと[29]、新村車両所へ輸送して検査したところ状態が想定より良好だったことから、廃車を中止して整備を行い、2022年8月28日のイベント展示・特別運行の後、営業運転に復帰した[30][31]。
脚注注釈
出典
関連項目 |
Portal di Ensiklopedia Dunia