林田 直樹(はやしだ なおき、1963年5月[1] - )は、日本の音楽ジャーナリスト・評論家。
人物・来歴等
埼玉県生まれ。埼玉県立浦和高等学校[2]、慶應義塾大学文学部仏文学専攻[3]を卒業。音楽之友社で楽譜・書籍・『音楽の友』『レコード芸術』の編集を経て2000年に独立[1][4][5][6]。
2018年4月、音楽之友社の新サイト「WebマガジンONTOMO」のエディトリアル・アドヴァイザーに就任すると、自身のFacebook等で発表した[7][8]。2022年現在の肩書きは「音楽之友社社外メディアコーディネーター」である[9]。
活動
クラシック音楽を足場にオペラやバレエからクロスオーバーや現代音楽まで、ジャンルにこだわらない自在で横断的な執筆と講演活動を行う。
まぐまぐで有料メールマガジン「林田直樹の『よく聴く、よく観る、よく読む』」を発行中[1][4][5]。JAL国際線機内放送クラシック・チャンネルの構成も、2015年5月搭載分まで手がけた[10]。
著書
その他、『五嶋みどり デビュー20周年、みどり教育財団10周年』(2002年、有限会社シム)や『サントリーホール20周年記念誌』(2007年、サントリーホール)のほとんどすべてのページを執筆した[16]。
また、『ぴあオペラワンダーランド』(2003年、ぴあ)で監修を担当した[17]。
出版プロデュース
- 原題:Delius as I knew、著:エリック・フェンビー、訳:小町碧、監修:向井大策、あとがき解説:オヤマダアツシ[18][19][20][21][22][23][24][25][26]
- 2017年7月28日から9月25日まで、本の出版とディーリアスのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会の実現に向けてのクラウドファンディングを、MotionGalleryにて実施[27]。
- また、ワーナーミュージックがオフィシャルCD「フレデリック・ディーリアスの音楽~楽園への道」(2017年10月25日)を[28][29]、またナクソス・ジャパンは、小町のCD「カラーズ・オブ・ザ・ハート」[30]日本国内盤(2017年10月20日)を、それぞれ発売し、この「ディーリアス・プロジェクト」に参加した[31][32][33]。
- 原題:Vaughan Williams、著:サイモン・ヘファー、訳:小町碧・高橋宣也、特別寄稿:加藤昌則
- 2022年8月28日から10月17日まで、本の出版とヴォーン・ウィリアムズ生誕150周年・出版記念リサイタルの実現に向けてのクラウドファンディングを、MotionGalleryにて実施[34][35][36]。
- また、小町のCD『レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ:ヴァイオリンとピアノのための作品全集』の日本国内版がリリースされた。
ラジオ
- Blue-Radio.com 林田直樹のカフェ・フィガロ(株式会社ブルーレディオドットコム、2005年5月 - )
- 2020年4月から6月まで、 新型コロナウイルスによる自粛要請で放送休止。同年7月から、アーカイブ番組を放送している。
- コンテンポラリー・クラシック・ステーションOTTAVA OTTAVA Andante(OTTAVA株式会社、2021年3月 - ) - 火曜日(2021年3月 - 2022年10月4日)、金曜日(2022年10月14日 - )プレゼンター
過去の番組
テレビ
インターネット配信
- 福間洸太朗のアルバム『ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第17番、第24番、第32番』リリース記念インスタライブ(2020年4月29日、聞き手として)[68][69]
- 近藤嘉宏 X 林田直樹 トークセッション(YouTubeにて、2020年10月16日)[70][71][72]
- バッハの「人」と「音」を語る!(YouTubeにて、2021年6月10日、司会として)[73]
- 『ことばの教室』(2022年7月 - 2023年2月) - 『OTTAVA Accademia』の有料ウェビナー。#1のみ無料聴取可能。
- 『音楽とことばの教室』(2023年5月 - ) - 『LOGISTEED Presents OTTAVA Accademia』の無料ウェビナー[74]。
動画
- 阿部寛主演ドラマ『まだ結婚できない男』スピンオフ企画 【桑野信介のお気に入りクラシック曲】三四郎・相田が語る!(YouTube、2019年10月 - ) - 劇中に登場するクラシック音楽を紹介している[75]
- 『しげるんと直樹の闇トーク。』シリーズ(YouTube、2021年7月 - ) - 林田と斎藤茂が、蝋燭の灯りのもと普段聞きづらいことを語り合う[76]。以後、林田の担当回にゲストが来ると『闇トーク。』と題した動画が公開されることがある。
CD
ほかにも数々のCDのライナーノーツに寄稿している[4][82]。
連載
- 『今月の3枚』(月刊『サライ』(小学館))[83]
- 『美の十選』(日本経済新聞朝刊文化面、2018年2月13日 - 3月1日) - テーマは「音楽と響き合う美」。自身のメルマガ[84]で「音楽と美術との関係にフォーカスした記述は、ライフワークにしたいと思うほどエキサイティングなもの」と述べた[85]。
- モネ「睡蓮」(2018年2月13日)[86][87]
- 「迦楼羅像」(2018年2月15日)[88][89][90]
- ミケランジェロ「最後の審判」(2018年2月16日)[91][92]
- レーピン「作曲家モデスト・ムソルグスキーの肖像」(2018年2月19日)[93][94]
- ルオー「月明かり モンタナの思い出」(2018年2月20日)[95][96]
- ミュシャ「ベツレヘム礼拝堂(英語版)で説教をする ヤン・フス師」(2018年2月22日)[97][98][99]
- ドガ「踊り子たち、ピンクと緑」(2018年2月23日)[100][101][102]
- ドアノー「レ・アール(英語版)市場の片隅」(2018年2月26日)[103][104]
- ゴーギャン「ネヴァーモア」(2018年2月27日)[105][106][107]
- 「洋人奏楽図屏風」(2018年3月1日)[108][109][110]
- 『林田直樹の越境見聞録』(Webマガジン『ONTOMO』(音楽之友社)、2018年4月5日 - )[9][111] - 同誌では、コピーライターとして、初の広告宣伝記事も執筆している[112]。
- 『新しいオトナのためのクラシック再入門』(Webマガジン『otocoto』(アマナ)、2019年4月8日 - 2020年1月)[113]
- 『林田直樹の今月のCDベスト3選』(Webマガジン『ONTOMO』(音楽之友社))
その他
- OTTAVAで担当する番組では、多種多様な楽曲をリスナーに紹介する。局の性格上、いわゆるクラシック音楽が大多数だが、その枠に収まらないような現代音楽などの楽曲も流す。本人も一時期、OTTAVAのメールマガジンで「変な曲大好き!推進委員会委員長」と自称していた。
- 『林田直樹のカフェ・フィガロ』では、ほぼ毎回、ゲストを招いてインタビューを行っている。ゲストは音楽家やプロデューサーなど、クラシック音楽に関わりの深い人物が多いが、神田裕司(映画監督)や加納典明、頭木弘樹(文学紹介者)など、音楽業界外から迎えることもある。出張インタビューを行うこともある[4]。
- 自らが撮影した動画を、YouTubeで何本か公開している[115][116]。番組化できなかったインタビューの録音を公開することもある[117]。
- 2015年7月からほぼ毎月、同じOTTAVAのプレゼンターであるゲレン大嶋と、「直樹とゲレンの『音楽ゆんたく』」を開催している。「ゆんたく」は沖縄方言で「おしゃべり」を意味する。林田によると「OTTAVAとしての催しではなく、ゲレンさん発案によるゲリラ的なもの」[118]とのこと。語る対象となる音楽は、ビートルズを起点に、クラシック音楽、ロック、現代音楽、民族音楽など多岐にわたる[119]。
- OTTAVA Mallで鈴木優人がプレゼンターをつとめる番組「鈴木優人のジョワ・ド・ヴィーヴル」[120]では、プロデューサー兼ディレクターとして番組を制作する側に回った[42]。
- ジャズ評論家・後藤雅洋のジャズ喫茶「いーぐる」で、クラシック音楽についてのレクチャーやトークを行う[121][122]。2015年11月から「ジャンル横断的クラシック講座」を開催している。この講座が始まった切っ掛けは、2015年6月13日、「いーぐる」で開催されたフアン・マヌエル・カニサレス(英語版)来日公演記念トーク・ショー「カニサレスの魅力に迫る!!」だった[123][124][125]。2017年8月12日に開催された講座で、8回目から17回目までの10回分をまとめて、アルテスパブリッシングから書籍として刊行する予定であると発表された。Webマガジン“ONTOMO"ナビゲーター頁のプロフィールでも記載している(2024年9月現在)ので準備中と推測される。[126]この書籍化を背景に、講座のテーマは8回目からを新たなスタートとしている。
- 「編集企画盤CDの選曲を頼まれたので、『心の平和』というテーマを提案したら『平和』はいまはNGですと言われた」というTwitterへの投稿[177]が話題になった。リツイート数は3996(2015年12月26日現在)。ニュースサイトにも取り上げられた[178]。
- 「音楽を愛する人のためのプレゼンテーション会」(音プレ)第2回にプレゼンターとして出演[179][180]。「インターネットラジオを始めて思うようになった、コンサートに容易に行かれない人々」というテーマでプレゼンテーションを行い、「聴衆共感・興味プレゼン投票」で第1位となった[181][182]。
- 『デジタル毎日』(毎日新聞社)内『クラシックナビ』の連載「OTTAVAの顔たち」で、「発見してほしい」と選曲に独自のこだわりをもつプレゼンターとして紹介された[183]。
- 2016年11月8日、ピアノ指導者を対象にした「音楽総合力UPワークショップ2016」(一般社団法人全日本ピアノ指導者協会)で、「『聴く』のススメ」というテーマで講師をつとめた[184]。
- オペラ、バレエ、ダンス、演劇といったパフォーミング・アートの各ジャンルを横断する新国立劇場のメディア『NNTT navi』[185](2016年11月創刊)に編集者として深く関わる[186]。
- 2017年3月10日、教文館ナルニア国で「ベートーヴェンと橋本國彦とレオ・シロタ」というテーマの講演を行った。同書店のイベント「なにが書いてあるの?日本国憲法 だるまちゃんといっしょに『けんぽう』を読もう!」の一環[187]。
- 2017年6月28日、ナクソス・ジャパンの「音楽小説を《聴く》 ~ 『蜜蜂と遠雷 音楽集』リリース記念イベント」にゲスト出演。高頭佐和子(本屋大賞実行委員)と古今東西の「音楽小説」(漫画も含む)について語った[188][189][190][191][192]。
関連項目
脚注
外部リンク