歴史国道歴史国道(れきしこくどう)とは、歴史上重要な幹線道路として利用され、歴史的・文化的価値を有する道路として国土交通省(建設省)が選定した道路である[1] 。 概要国土交通省による歴史国道の定義は、一里塚、関所、並木、宿場などの歴史的な面影を残していて、文献などによって歴史的評価が定まっている道を指す[2]。さらに選定の基準として、かつて人や物資が往来した形跡が残されていて、将来にわたってそれら歴史的価値のある文化財や遺構を守り保護していきながら、新しい文化や情報も往来する道路としていくことが求められている[2]。 日本の道路は、明治時代に自動車が登場して以来、自動車交通に耐えられる道路づくりの行政が行われてきたため、旧街道筋に植えられていた並木は伐採されたり、一里塚や道標が次々と撤去されて道路拡幅が行われてきた[3]。そのため、かつて人々や物資の往来で文化がもたらされた旧街道は、大部分が姿を消していった[3]。このような背景から、一部で残された旧街道を貴重な文化遺産だとして保存していこうという動きが起こり、歴史上の重要な役割をはたしてきた幹線道路で、往時の面影をとどめている道路を歴史国道に指定して、国土交通省が中心になって、復元整備に取り組んでいる[3]。 歴史国道を通じて、道の果たしてきた役割を見なおして、道の文化や歴史を知ってもらうことを目的として、また、その当時のたたずまいを後世に残すという意図もあるため、アスファルト舗装をはがして石畳舗装などに戻したり、電線共同溝を整備して電線を地中化して電柱を無くし、道標を復元するなどの整備が行われている[3]。 選定基準江戸時代以前に、広域的な道路ネットワークを形成していた道路の一部だったなど、地域間交流に重要な役割を果たしてきた道路であることが条件となっている[2][4]。さらに、街道が残されているとともに、地元が歴史や文化を生かした地域活動の構想をしっかり持っており、国が行う整備に合わせて様々な行事を開くなど、地域活性化の発信基地となることが必要な要件となっていて[2]、次のような選定の基準がある。
歴史国道一覧歴史国道は、赤松並木の美しさで定評がある函館市郊外の赤松街道(北海道・国道5号)、中山道の妻籠宿と馬籠宿(長野県)、鯖街道の別名で知られる若狭街道の熊川宿(福井県)、日本最古の官道で知られる竹内街道(大阪府)、国頭方西海道(沖縄)など全国24箇所が指定されており[5]、1995年(平成7年)6月に12箇所、1996年(平成8年)3月に12箇所選定されている[6][7]。 北陸道の倶利伽羅峠、中山道の妻籠宿・馬籠宿、山陰の石見銀山街道、四国の梼原街道などは、文化庁が選定した「歴史の道百選」とも共通するが、それらは「文化的価値のある道」という認識で共通しているためである[8]。 北海道
東北地方整備局管内
関東地方整備局管内北陸地方整備局管内中部地方整備局管内
近畿地方整備局管内
中国地方整備局管内
四国地方整備局管内![]() 九州地方整備局管内沖縄県
関連項目脚注出典
参考文献
外部リンク |
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