永遠に美しく…
『永遠に美しく…』(とわにうつくしく、原題: Death Becomes Her)は、1992年のアメリカ映画。ロバート・ゼメキス監督。不老不死の秘薬を飲んだ女性達の騒動を通して、「いつまでも若く美しくありたい」という願望を、ブラックユーモアを交えて描くブラック・コメディ映画。出演はメリル・ストリープ、ブルース・ウィリス、ゴールディ・ホーン他。 ストーリー1978年、アメリカ。落ち目を迎えたかつての人気女優・マデリーンのもとに、旧友ヘレンが訪れ、有名な美容外科医アーネストと婚約したと自慢してくる。ところがアーネストはマデリーンを一目見た時から魅了されており、ヘレンを捨ててマデリーンと結婚してしまう。失意のヘレンは激太りし、7年後には病院送りになる。 さらに7年後、50代となり容姿の衰えに悩むマデリーンはヘレンと再会するが、彼女はまるで若返ったかのように美しくなっていた。対抗心を燃やしたマデリーンはエステ会社の社長の紹介で謎の美女リスルに出会い、大金と引き換えに「永遠に美しくなれる」という秘薬を手に入れる。一息に飲み干したマデリーンに対し、リスルは「決して体を傷つけるな」という謎めいた忠告を残す。若く引き締まった肉体に戻ったマデリーンは嬉々として帰宅する。 一方、マデリーンへの復讐を考えていたヘレンは、死体修復師に落ちぶれてマデリーンとの冷め切った結婚生活にも疲弊しているアーネストと密会し、マデリーンを殺害する計画を持ち掛けていた。アーネストは殺害が露見するのではと不安を抱くが、帰宅したマデリーンからの罵倒に激怒し、彼女を衝動的に階段から突き落としてしまう。だが、彼女は全身が骨折し、首が180度回転した状態でも生きていた。マデリーンの「死」を知らされたヘレンは、遺体を処理するためアーネストのもとへ駆けつける。しかしアーネストによってスプレーやペンキで修復されていたマデリーンは猟銃を持ち出し、ヘレンを撃ち殺してしまう。しかし、ヘレンは体に風穴を開けられたにもかかわらず平然とした様子で立ち上がってくる。実はヘレンもリスルの秘薬を飲んでいたのだ。 2人が飲んだその秘薬は「いつまでも年を取らない永遠の美」を与えると同時に、「一度でも死ぬような致命傷を負えば、体自体は死んだ状態となり傷も治らないまま永遠に生き続けなければならなくなる」という恐ろしい効果を持った霊薬だったのである。 お互いに秘薬を飲んだことを知った2人はアーネストを無視して殺し合いを始めるが、お互いが不死の肉体ゆえに決着がつかない。やがて馬鹿馬鹿しくなった2人は争いを止め、マデリーンはヘレンからの侮辱に対する報復として彼女の恋人を寝取り続けてきたこと、ヘレンは過去に彼女を侮辱したことを謝罪しあう。長年の確執を越えて和解し意気投合した2人は、死体修復師としては確かな腕を持つアーネストにも秘薬を飲ませて不老不死にし、永遠に自分達の肉体の修復係にしようと目論む。そして自分達に愛想を尽かし去ろうとしていたアーネストを気絶させ、そのままリスルの屋敷へと運び込んだ。 屋敷で意識を取り戻したアーネストは、リスルから永遠の不老不死の素晴らしさを説かれ、囁かれるままに秘薬を飲もうとする。だがその寸前で我に返った彼は、不老不死となればこの先マデリーンとヘレン以外の親しい人々が次々に年老いて他界していく中、自分だけが永遠に取り残されてしまうという悪夢のような未来が待っていると悟り、秘薬を否定してリスルに反発する。そして秘薬を取り返そうと迫ってきたリスルから逃げ出すも、途中で屋根から滑落して宙吊りとなる。助けようと駆けつけたマデリーンとヘレンがアーネストに秘薬を飲むよう必死で呼び掛けるが、改めて彼は利己的な2人に縛られることを拒絶し、持ち出してきていた秘薬入りのビンも捨ててそのまま落下する。だが、ステンドグラス飾りの屋根を破って落ちた先がプールだったことで幸いにも命拾いしたアーネストは、車で屋敷から走り去り逃げおおせたのだった。こうしてリスルの忠告を守れなかったマデリーンとヘレンは追放されたも同然の身となり、これからは傷み始めたお互いの身体を修復するため永遠に2人で生きていくしかないという現実を突きつけられた。 心機一転したアーネストは、50歳で出会った女性と結婚し愛する我が子や孫にも恵まれながら、自ら始めた慈善事業でも多くの人々の記憶に残るような様々な功績を成し遂げていき、秘薬を巡る騒動から37年後に老衰で大往生を迎えた。教会で営まれた多くの親族や友人達が集まったアーネストの葬儀の場の片隅には、目立たないように顔を隠したマデリーンとヘレンもいた。かつて愛したアーネストを想い涙するヘレンは顔の塗料が剥がれたことでバッグに入れていた筈のスプレー缶を探すが見つからない。それにより2人はうるさく言い合いをしながらぎこちない歩き方で出口へと向かう。教会を出る直前、牧師がアーネストを「親しい人々の心の中で生きるという方法で永遠の生命を授かった男」と賞賛したのをくだらないと一蹴し、マデリーンとヘレンは教会の外の階段で互いの顔が著しく劣化している様子を再確認する。顔は塗り潰した肌色の塗料がひび割れて見るに耐えない様で、手の指の一部も欠損していた。そのまま階段を降りつつ2人は口論を始めるが、落としていたスプレー缶で足を滑らせたヘレンが体勢を崩してしまう。かろうじて踏ん張りながらマデリーンに助けを求めるヘレンだが、マデリーンはその様子をほくそ笑みながら見るばかりで手を貸さない。それに立腹したヘレンがマデリーンの手を掴んで彼女を道連れにし、そのまま2人は異音を響かせながら階段を転げ落ちていく。そして勢いよく石畳に叩きつけられたヘレンとマデリーンの体は無残に砕け散ってしまうが、そんな有様になっても2人は生きていた。壊れて散乱した体の側で、転がってきたヘレンの生首がマデリーンの生首に、何事もなかったかのように車を停めた場所を尋ねるのだった。 登場人物
キャスト
スタッフ(以下アカデミー視覚効果賞受賞スタッフ)
エピソード
地上波放送履歴音源は全て日本テレビ版を使用。
脚注
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