永遠の終り
『永遠の終り』(The End of Eternity)は、アイザック・アシモフのSF小説。1955年に刊行された。 概要アシモフには珍しいタイムトラベルを題材にした作品。実はファウンデーションシリーズと関わりの深い作品であり、同シリーズに異星人が登場しない理由が述べられている。また『ファウンデーションの彼方へ』では「伝説」として永遠人について言及されている。 あらすじ通常の時間の流れと隔てられた「時場」(temporal field) の中から人類の歴史を監視し、時に矯正を行う時間管理機関「エターニティ(永遠)」。その一員である永遠人(エターナル)ハーランは、ある日上司から研修生クーパーの教育を任される事になる。彼が新たにエターニティに加わるには年を取り過ぎている事に疑念を抱くハーラン。 そんな中、現実矯正の為に482世紀に着任したハーランは、そこで美しい女性ノイエスと出会い恋に落ちるが、矯正を行えば彼女の存在がこの世から消えてしまうであろう事を知る。 やがてエターニティの存続に関わる重大な秘密を知ったハーランは、それを盾にノイエスを救おうとするが…。 主な登場人物
ファウンデーションシリーズでの位置づけエターニティ世界とファウンデーション世界とは、歴史上のある時点で分かれたパラレル・ワールドであり、その分岐点は、イタリアの物理学者がノイエスからの書簡に触発されてウランへの中性子衝突による核分裂反応の実験を行い、最終的に原子爆弾の実現に繋がった事である事が示唆されている。 ファウンデーション世界では、核ミサイル開発に伴う量子力学、原子力技術、宇宙技術の驚異的な発展が、超光速航法の開発として結実し、人類は他の異星知性体に先駆けて銀河系内に雄飛する。その結果、同シリーズの特色である「地球人類のみの銀河系社会」が実現する事となり、『ファウンデーションの彼方へ』ではこの事が伝説として語られている。 そのような過程を辿らず、時場工学を発展させたエターニティ世界は、革新的な出来事は矯正の対象となる極めて保守的で内向的な世界である。その未来は、ファウンデーションシリーズに属するSF短編である『袋小路』Blind Alley (1945)で暗示されており、ファウンデーション世界に異星人が登場しない理由の答えともなっている。 備考 |
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