熊本電気鉄道菊池線
![]() 菊池線(きくちせん)は、熊本県熊本市西区の上熊本駅から熊本県合志市の御代志駅までを結ぶ熊本電気鉄道の鉄道路線である。 以前は、温泉地である菊池市の菊池駅まで路線が延びていたが、並行する国道387号を通るバスやマイカーに押され、1986年(昭和61年)に御代志 - 菊池間を廃止して[1]現在の営業区間となった。その廃止区間についてもここで扱う。 路線データ現存区間(上熊本 - 御代志)
廃止区間(御代志 - 菊池)廃止直前時
運行形態藤崎線・菊池線ともに普通列車のみの運転で、全列車とも終日運転士のみ乗務のワンマン運転である。路線名称上は上熊本駅が起点となっているが、運転系統は藤崎宮前 - 北熊本 - 御代志間(本線)と上熊本 - 北熊本間(上熊本線)とに分かれており、御代志方面への列車は藤崎線の藤崎宮前駅をターミナルとしている。基本的に北熊本駅で藤崎宮前行き、御代志行き、上熊本行きの各列車がほぼ同時刻に発着(接続)して利用客の利便性を考慮したダイヤが組まれている(ただし、朝・夜の時間帯と朝夕ラッシュ時は藤崎宮前行き列車と御代志行き列車の行き違いのみで上熊本行き列車の接続をしない列車もある) 藤崎宮前 - 御代志間は1988年ころまでは藤崎宮前 - 堀川・黒石間(1986年2月15日までの御代志 - 菊池間が存在していた頃は藤崎宮前 - 泗水間)で区間運転が多数設定され、車両の夜間滞泊も藤崎宮前駅・北熊本駅・堀川駅・黒石駅・泗水駅・菊池駅で行われていたが、現在は車庫のある北熊本駅のみで行われ、他の駅では行われていない。2001年2月改正時点の終電は、藤崎宮前 - 御代志間・上熊本 - 北熊本間とも20時台であったが、2009年4月1日のダイヤ改正で藤崎宮前 - 御代志間の終電を22時台、上熊本 - 北熊本間の終電を21時台に繰り下げた(ただし休日はのぞく)。そして2015年7月11日からは、御代志発藤崎宮前行きの始発を6時台前半、藤崎宮前発御代志行きの終電を23時にそれぞれ繰り上げ・繰り下げたほか、上熊本駅 - 北熊本駅間では朝6時台と21時台のそれぞれ後半に1往復ずつ列車を増発した。[3] 藤崎宮前 - 御代志間は沿線に学校や企業が多く存在し、通勤通学客も多いため都市型列車では珍しく平日・土曜日・休祝日の3パターンのダイヤが設定されている。また、大きな沿線イベントや藤崎八幡宮での祭礼行事の開催日、大晦日から元旦にかけては多客が見込まれるため、臨時ダイヤで運転される。 藤崎宮前 - 御代志間(本線)平日は朝夕混雑時15分間隔、日中・夜30分間隔、土曜日は朝のみ15分間隔でそれ以降は終日30分間隔、休日は終日30分間隔で運転されており、日中は北熊本駅・黒石駅、平日朝夕と土曜日の朝ラッシュ時は北熊本駅・堀川駅・黒石駅で列車交換を行う。ほぼすべての列車が藤崎宮前 - 御代志間通し運転であるが、朝夕・深夜に入出庫を兼ねた北熊本始発・終着の列車が数本設定されている。 2022年4月11日ダイヤ改正では金曜日と土曜日のみの深夜に列車が増発となり、日付けを跨いで運行されている。 なお、廃止区間である御代志 - 菊池間については、廃止直前で混雑時おおむね30分間隔、閑散時おおむね1時間間隔の運転であった。 長らく前述のダイヤ形態が維持されてきたが、2020年代になって表面化した日本全国の鉄道事業者共通の課題でもある運転士不足により、2025年2月にダイヤ改正が行われ、平日の朝夕ラッシュ時と土曜の朝は20分、その他時間帯と日祝終日は40分間隔のダイヤへと減便された。この改正で日中の交換駅が堀川駅に一本化されたことにより、これまで北熊本で行われていた3方向接続の法則が崩れ、上熊本方面との接続は正午帯を境に御代志方面と藤崎宮前方面とで変わる[4]。 上熊本 - 北熊本間(上熊本線)朝6時台から夜21時台(休日は7 - 20時台)まで[3]終日30分間隔で運転されている。上熊本 - 北熊本間内折り返し運転のみで北熊本から御代志方面への定期列車は設定されていない。車両検査の関係で、まれに北熊本駅で車両を交換することがある。 前節の本線同様2025年2月のダイヤ改正で減便が行われ、正午帯のダイヤ調整の30分運行を除き、終日40分間隔に変更された。 使用車両→「熊本電気鉄道 § 車両」も参照
6000形と1000形は上熊本 - 北熊本間での営業運行実績がない[5]。6000形と1000形は車体が大きいので上熊本線には運用に入るとホームとドアの位置が合わないことから上熊本線では運用はしないと決めてある。 全列車とも終日2両固定編成での運用である。 藤崎宮前 - 北熊本 - 御代志間はかつて5000形が主力だった1995年11月頃までは500形と共に朝夕ラッシュ時2両編成、日中1両で運行され、北熊本駅で車両の増結・分割も行われていた。しかし、1995年12月以降に6000形が入線してからは5000形も夏休み期間や正月を除いて終日2両固定編成での運用が多くなり、2000年には完全に6000形に置き換えられて定期列車の北熊本駅での増結・分割が廃止された。 歴史
駅一覧全駅熊本県内に所在。駅番号は2019年10月1日から導入。 現存区間
廃止区間
廃止された駅廃止区間で最後まで営業していた駅は前節参照。
廃止区間の廃線後の状況![]() 合志市(旧・菊池郡西合志町)の御代志駅から、菊池市隈府の菊池駅までの13.5kmは、モータリゼーションの進展による乗客減などを背景に、1986年2月15日の運行をもって廃止された。運行最終日は全線で無料乗車が実施され、名残を惜しむ多くの乗客でにぎわった。 廃止区間各駅の状況は次の通り。
今後の予定路線延長(復活)計画熊本電気鉄道の項にあるように同社では将来は菊池線を改軌・LRT化して熊本市電と乗り入れを行う構想を計画・提案している。これを受けて熊本県・熊本市・合志市は電鉄案のほか、市電の藤崎宮前までの延長と同一ホーム乗り換えという形も含め、検討委員会を設けて事業計画の策定を行うことが2007年3月に決定した。この計画の中で熊本電鉄は、実現の際には廃線後も同社が保有している御代志 - 大池間の敷地を用い、車両基地の整備と、旧大池駅のそばにある熊本県農業公園(菊池までの区間が廃止された後の1991年に開設)までの路線を延長する計画を表明している。 脚注
関連項目 |
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