熱海山口美術館
熱海山口美術館(あたみやまぐちびじゅつかん、Atami Yamaguchi Museum)は、静岡県熱海市にある私立美術館である。 概要約1,700点に及ぶ美術品を所蔵する山口文化財団が運営し、ルノワールやピカソなどの西洋から横山大観などの日本の絵画、書跡、工芸、彫刻等多岐に渡る作品が展示されている[1]。創設者は山口伸廣(やまぐちのぶひろ、1948年 - )。 美術品の展示のほか、2021年春からはアーティスト支援も行う。「学べる美術館」というコンセプトを掲げ、その意味は大きく二つに分かれる。一つは「見る、触る、体験する」ことができるというもので、各展示室には解説文や映像が設置されているほか、一部の芸術作品に触れることや、「岡本太郎の作品『坐ることを拒否する椅子』に実際に座る」、「人間国宝の茶器を使って抹茶が飲める」という体験もできる[2]。一つは本格的なアーティストの育成で、館長である元東京藝術大学副学長の保科豊巳を中心に、海外デビューを目標とした芸術家の無償講座を行う[3]。 開館の経緯創設者の山口伸廣は、貧しい家庭環境で育ったが、小学校の美術の先生にある日、作品を「上手いな。」でなく「面白いな。」と評価されたことを機に美術への興味を持つようになった。その後、自身でも芸術の創作活動をするも、本業としての芸術家は断念。実業家として才能を開花させ、経営者としての道を歩む。その後、「自分は芸術家の才能は無いが、芸術家を応援することはできる。」と、経営者を務めながら、国内外のアーティストを支援することを志す。 2007年1月、湯河原に人間国宝美術館を創設。陶芸・人形・漆芸・金工・染織作品などを中心とした美術館で、特に人間国宝の茶器で抹茶を飲むことができるという、他に類を見ないサービスが話題となった。 2015年、国内外のアート作品を募集したアートの祭典、「アートオリンピア」を主催。応募国は1回の開催に対し、約100カ国にのぼる世界最大級の参加国規模を誇る。以降、隔年ごとに開催されている。「世界のアーティストを発掘し、その活動を支援すること」をコンセプトとし、審査員は国際的な美術関係者で構成。過去の審査員には、第22代文化庁長官の宮田亮平、画家の千住博、海外からはガゴシアンギャラリーディレクターのキャラ・ヴァンダー・ウェグ、イサム・ノグチ庭園美術館館長のブレット・リットマン、三菱一号館美術館初代館長を務めた高橋明也などらが務めた。この時から本格的にアーティストを支援することへの体制と構想が整い始める。 2017年6月、岡山県備前市穂浪にてFAN美術館を設立。藤原啓記念館の同敷地内に併設する形で開館した。 2020年12月18日、地元タクシー会社の事務所などが入っていたビルの一、二階を改修し熱海山口美術館を設立。今までの美術館設立の経験と、アートの祭典主催の経験を活かし、「学べる美術館」をコンセプトに掲げている[4]。 施設・常設展示品![]() ![]() ![]() ![]() 静岡県熱海市渚町24-1に位置する2階層10の展示室(内、1つは屋外)に分かれて展示中。住宅が併設された旧交通会館を改装し、1〜2階を展示室としている(3階以上は現在も住居)。創設者である山口伸廣自ら設計、施工を手掛けた。外観には第22代文化庁長官の宮田亮平が開館の記念に手がけた「イルカ」と、岡本太郎の作品、「河童」が設置されている[5]。 各階層の内容
1階はカフェを併設しており、ソフトドリンクやケーキなどの他、人間国宝の作品で抹茶も嗜める。また、簡単な絵付け体験がチケット代に含まれており、絵付けしたカップを持ち帰ることができる。展示室それぞれにテーマが掲げられており、西洋から日本の近現代の美術作品を中心に展示されている。 常設展時の主な展示内容
利用情報
交通アクセス住所:〒413-0014 静岡県熱海市渚町24-1 タクシー:JR熱海駅より約9分 バス:国際観光専門学校前より徒歩 約1分 熱海山口美術館の専用駐車場無し。近隣にコインパーキング・駐輪場有り。 参考文献
関連項目脚注
外部リンク
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