特定アジア
特定アジア(とくていアジア、英語: Tokutei Asia〈specific-Asia〉[1])とは、21世紀初頭以降の日本国内において、政府による外交や旧植民地政策への対立姿勢が強い中華人民共和国(中国)[注 1]、大韓民国(韓国)、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の3か国[注 2]について用いるようになったネットスラング。特亜または特アとも略される。 「アジア」という語は、本来は東アジアからトルコにまで至る広大な地域を指しているが、その中でも日本との関係性が問題となりやすい近隣の特定地域をマスコミやインターネットが取り上げる際にも「アジア」という語を使うことがあり、こうした狭義の「アジア」を本来の「アジア」と区別するために使われるのが「特定アジア」という用語である[3]。 もともとは、インターネット上での掲示板などで使用されるインターネットスラングの一つであったが、その後2010年代にかけ、下記のような学者、政治家、ジャーナリスト、書籍における保守・右派論者の間で広まった[要検証 ][4][5][6][7][8][9][10]経緯から、概ね批判・侮蔑的文脈で用いられる。 語源
匿名掲示板「2ちゃんねる」は、以前から中国・韓国・北朝鮮に関する話題はユーザーのイデオロギーの相違によって紛糾する傾向にあった。とくにニュース系の掲示板で顕著であったため、この3か国関連のニュースのみ「ニュース極東板」として分離されることとなった。「ニュース極東板」ではこれら3か国に差別的な意見を持つ者たちが集まり、「特定アジア」の用語が使われるようになっていった[要出典]。 なお、「特定アジア諸国」という語はそれ以前よりさまざまな場面で用いられているが、いずれも本項の「特定アジア」とは無関係である[注 3]。朝南政昭(南川政昭)はアメリカ合衆国の戦略国際問題研究所 (CSIS) が2002年8月1日に発表した報告書『統一コリアに対する米政策の青写真』に、“a selected Asian nation(s)”(アジアの特定の国(々))との記述があることをもって、「特定アジア」の語源としている[14]。また、『朝鮮日報』はこの報告書に関する2002年9月19日の報道で「特定アジア諸国」という日本語訳を与えている[15]。しかしこの語句は「朝鮮半島が統一した場合に統一コリアがとり得る外交戦略としては、(中略)アジアのどこかの国(々)と同盟関係を結ぶことが考えられる」という文脈で用いられており、本項で述べている「特定アジア」のことではない[16]。 「特定アジア」諸国の対日感情BBCワールドサービスやピュー・リサーチ・センターが定期的に実施している世界各国を対象とした対他国感情に関する調査によれば、調査対象国における対日・対日本人感情は好意的な回答を示しており、日本は、世界に対して良好な影響を与えていると評価されている。一方、「特定アジア」と称される中国と韓国は日本を肯定的にとらえる回答より否定的にとらえる回答が多い傾向にある(北朝鮮は調査データがない)。 2015年4月6日から5月27日にかけてピュー・リサーチ・センターが実施したアジア太平洋10カ国の国民とアメリカ人の15,313人を対象にした日本、中国、インド、韓国の4カ国の好感度調査では、日本に好感を持つと答えた人の割合が、中国、インド、韓国に好感を持つと答えた割合を大きく上回った[17]。日本、中国、インド、韓国の4カ国のなかでも日本は最も好意的に評価され、アジア太平洋10カ国の国民とアメリカ人の平均71%が日本に対して好意的な見解を表明した[17]。2位はアジア太平洋10カ国の国民とアメリカ人の平均57%が好意的な見解を表明した中国だった[17]。3位はアジア太平洋10カ国の国民とアメリカ人の平均51%が好意的な見解を表明したインドだった[17]。最下位は、アジア太平洋10カ国の国民とアメリカ人の平均47%という国民の半分以下が好意的な見解を表明した韓国だった[17]。日本は中国と韓国を除いて、ポジティブなイメージを持たれており、マレーシア人の84%、ベトナム人の82%、フィリピン人の81%、オーストラリア人の80%、アメリカ人の74%、インドネシア人の71%が日本に対して肯定的な感情を表明している[17]。 「特定アジア」の使用例
脚注注釈
出典
参考文献
関連文献
関連項目 |
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