王狼伝
『王狼』(おうろう)、『王狼伝』(おうろうでん)は、原作:武論尊、作画:三浦建太郎による日本の漫画。『月刊アニマルハウス』(白泉社)にて連載された。単行本はそれぞれ同社からジェッツコミックスのレーベルで刊行された。 概要『王狼』は『月刊アニマルハウス』1989年5月号から同年7月号に連載された。単行本は全1巻が刊行されている。 『王狼伝』は『王狼』の続編で、同じく『月刊アニマルハウス』1990年2月号から同年6月号に連載された。単行本は1巻が刊行され、第1巻のナンバリングがされているが、第2巻以降は刊行されていない。 1998年に白泉社文庫から、『王狼』『王狼伝』を合本し、『王狼伝』として文庫版が全1巻として発売される[1]。 作画の三浦建太郎が『ベルセルク』連載中に行き詰っていたところ、それを見た編集者が武論尊に連絡を取り、『ベルセルク』を中断して本作の連載の運びとなった。武論尊原作による『王狼』、『王狼伝』、『ジャパン』(1992年)の3本を連載し、三浦の調子が上がってきたところで『ベルセルク』の続きを描くことを武論尊が薦め、連載を再開した『ベルセルク』は人気を博すことになる[2]。 義経=ジンギスカン説を採用し、さらに現代日本から13世紀のモンゴルにタイムスリップした男女を織り交ぜて描く空想歴史ロマン。 「三浦の逝去に際し、中々目に触れる機会のない先生の初期作を、読者の皆様に届けられたら」という『ヤングアニマル』編集部の思いから、2021年9月13日発売の『ヤングアニマルZERO』(同)10月1日増刊号よりリバイバル連載が行われている[1]。 あらすじ王狼消息を絶った婚約者の伊波健吾を探しにシルクロードに訪れた京子は、謎の黒雲に巻き込まれ、時の壁を越えて13世紀のモンゴルにタイムスリップしてしまう。そこで京子は、剣闘奴隷として生き抜いてきた健吾と再会する。しかし、街を治めるモンゴルの将軍によって、健吾は戦場に送り出されてしまう。戦場も生き抜き、将軍を倒して京子を取り戻した健吾であったが、モンゴルの大軍に取り囲まれてしまう。モンゴル軍を率いる王ジンギス・カンは実は源義経であった。ジンギス・カンによって健吾は将軍の地位が与えられ、右腕として目覚しい活躍をみせる。 やがて、健吾と京子との間に男の子が生まれた。義経=ジンギス・カンはその子供を奪い自分の跡取りにしようとし、健吾と義経は対決する。健吾は辛くも勝利し、上空には京子をタイムスリップさせた謎の黒雲も再現し、親子3人で現代社会に帰ろうとする。しかし、義経は健吾を13世紀に留めるために自害する。史実ではジンギス・カンが死ぬのは14年後。健吾は歴史の流れを正すために京子だけを現代社会へ返し、息子にフビライと名付け[注釈 1]、義経に代わってジンギス・カンとして生きることを選ぶ。 王狼伝弁慶が師となりたくましく成長した息子のフビライ、幼いながらも叡智に優れるリッショウも仲間に加わり、健吾はジンギス・カンとして大陸全土を次々に制圧していった。 ジンギス・カンが没するはずの1227年に西夏の反乱が起きる。西夏の反乱軍には健吾と同じようにタイムスリップしてきていた20世紀の軍隊が加わっていた。20世紀の軍人である反乱軍の将軍は、戦車や拳銃といった20世紀の兵器を使って13世紀世界の支配を目論んでいた。 どうにか反乱軍を滅ぼした健吾は歴史上より消えるため姿を消し、死亡したことになった。リッショウもまた、自分の天命を全うするためにフビライの下を去ることになる。リッショウが故国に日本へ向かう船には、死んだこととなったジンギス・カン=健吾の姿があった。 主な登場人物
書誌情報
ジャパン王狼、王狼伝と同じく武論尊・三浦建太郎のコンビで描かれた作品。 1992年のスペイン・バルセロナを訪れたTVアナウンサー「桂木由香」と、彼女に一目惚れした元ヤクザ「屋島克二」、彼の舎弟と高校生4人の計7人が文明社会が崩壊した未来にタイムスリップする。 未来では砂漠化が進み、食料生産が激減。食料自給率の低下していた日本は国家が維持できなくなり、日本人は難民や盗賊となっている。ヨーロッパでは新たな身分制度による支配体制「ネオ・ヨーロピアン」が成立して他民族を隷属させていた。 そんな中、難民への保護を訴える男「アズマ」との出会いと別れを経て、屋島は身分もなく民族による差別の無い新国家「ジャパン」の建国を決意する。 脚注注釈
出典参考文献
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