田湾原子力発電所
田湾原子力発電所(中国語: 田湾核电站/田灣核電站)は中華人民共和国江蘇省連雲港市の原子力発電所。黄海沿岸、連雲港市の東部約30kmの位置に存在する。将来的に中国本土で最大級の発電能力を持つ原子力発電所になると予想されている。 現在はロシアのアトムストロイエクスポルトが建設した1000MW級の原子炉2基が稼働中である。1号機は2006年に運用を開始し、2号機は2007年に運用が開始された[1]。ロシア・トゥデイの報道によれば、IAEAは田湾原発を「世界で最も安全な原子力発電所」と述べたとされる[2]。 歴史1号機の建設は1999年10月20日に開始され、2号機は2000年10月20日に開始された。1号機は2005年12月20日に初臨界を達成した。2号機の建設は2007年5月に完了し、8月には商業運転を開始した[1]。これは中露両国が原子力計画を共同運営した初の試みであった。 2010年11月23日、江蘇核電有限公司はアトムストロイエクスポルトと1060MWe級のVVER-1000型原子炉を3号機と4号機として供給する契約を締結した[3][4]。建設は2011年の日本の福島第一原子力発電所事故によって開始が遅れたが、2012年12月に開始された[5]。 経緯田湾原子力発電所ではロシアが供給するロシア型加圧水型原子炉の技術が使われている。1号機、2号機ともおおよそ33億米ドルの費用がかかっている。原子炉はロシアで一般的な原子炉形式であるVVER-1000/392型の中国向けモデル1000/428である。 これらのVVER-1000型原子炉は格納容器に入れられており、20トンまでの航空機が衝突した場合でも重大な被害には至らないとされる。また、地震に対する防護もさらに強化されている。他の重要な安全機構としては炉心冷却系と炉心封じ込めシステムなどがある。なお、中国は当初この原発向けの燃料生産を行っていなかったため、ロシア側が最初の燃料装填を行った。今後はロシアの核燃料生産企業TVELから導入された技術を利用して、2010年から中国国内での燃料生産を始める計画である[6]。 アトムストロイエクスポルトの中国代表のAlexandr Selikhovは「この発電所は4つの安全レベルをもっている。ダブルアスベストクラスタはいかなる種類の放出も防護する。また、トラップと呼ばれる革新的な安全性の改善があり、これは核燃料が破損した場合の漏洩を防ぐ。」と述べている 田湾原子力発電所はサードパーティ製の部品を使用している。原子炉とタービン発電機はロシアが設計したものであり、制御室はシーメンスなどからなる国際共同事業体が設計・建設を行った。田湾原発はこのようにして厳しく認定された安全基準を満たすように建設された。安全系は既にそれまでの発電所でも取り入れられていたが、以前の安全系への監視は国際安全基準に適合していなかった。 中国で建設された新しいVVER-1000型炉は94%のシステムが自動化されており、燃料装填の手順などでは人間の手を必要とするものの、ほとんどの状況下で発電所は自律的に作動する。制御室はわずか5人の運転員で運用可能である。 1号機から4号機まではロスアトム製だが、設計はアトムストロイエクスポルトである[7]。 建造される原子炉は5号機と6号機を除いてすべて第3世代原子炉である。 原子炉
関連項目註
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