瞳のフォトグラフ
『瞳のフォトグラフ』(ひとみのフォトグラフ)は原作・杜講一郎、作画・さくらあかみ(GUNP)による日本の漫画作品。ウェブコミック誌『FlexComixブラッド』で2008年9月3日より2010年7月28日まで連載された。取材協力・デジタルフォト編集部。 概要女子校の写真部を舞台にした学園漫画で、美少女キャラクターとデジタルカメラとを組み合わせ、実在のカメラメーカーや機種を実名(Web版ではでていないものの、単行本ではロゴが表示されており、各メーカーから使用許諾を得ている)で出し、カメラの描写にもこだわった作品となっている。 連載のきっかけは、作者による作品を見たフレックスコミックスの担当編集者が作者の2人に連載を打診したことから始まっている。企画当初は写真とは関係のない学園漫画だったが、作者としてはそれだけでは物足りないと感じていた。そうした中、原作担当の杜の目に入ったのが亡くなった伯母が写っていたポラロイド写真で、それを見たときに「自分の中で語りたかったテーマと写真から伝わってきたものが一致した。レンズを変えれば見え方が違うように、自分が実際に見ている世界と撮る世界とでは別の見え方がある。それを表現するために写真が一番マッチした」という。また主人公が写真の初心者であるということが、写真の素人である作者と等身大の目線で描けるというのも理由の一つとなった。 しかしながら、作者は2人とも写真は以前からの趣味であったが、一眼レフカメラについては未知の領域であり、聞きかじり程度の知識で書いていいか不安だった。そこで担当編集者から、単行本の発売元であるグループ会社のソフトバンククリエイティブが発行しているデジタルカメラ専門の写真雑誌「デジタルフォト」の編集者を紹介される。同誌が知識面をサポートすることで、漫画を描くことを続けられるようになった。 作中に登場するカメラやレンズのほとんどはすべて作者自ら購入し、使用している。実際に持って使うことでその楽しさをストレートに表現すれば読者に伝わるのでは、という考えから来ている。 舞台は愛知県名古屋市内の架空の街とされており、作中のロケーションとしてツインアーチ138(一宮市・国営木曽三川公園内)や名古屋港シートレインランド・名古屋港水族館・鶴舞公園が登場している。作者が名古屋在住であり、ロケハンがしやすいという点もあるが、作品の舞台を読者が訪れ、楽しめやすいという利点もある。既に実際に使われた場所を同じ構図で写真に撮ってウェブサイトに公開している読者もいるという。 読者層としては、Webコミックという特殊性から20代中盤からのPCユーザーが中心であると編集部は考えていた。しかし、単行本が発行されると、10代からの反響が高かったという。中には、これを読んだことで「登場人物と同じカメラを買った」「写真を撮りたくなった」という読者もでている。 ストーリー家庭の事情により高校2年で転校した相原ハルカは転校初日、趣味で更新しているブログに掲載する写真を撮影しようと思い立つが上手く行かず、悪戦苦闘する。そこへ通りかかった写真部員・久家イヅミからアドバイスを受け撮影に成功。しかし、お礼を言おうとした時にはイヅミはその場を立ち去っていた。 その後も撮影を続けていたハルカは写真部長の京シオリの勧誘を受けて部室へ案内されるが、そこでイヅミとの再会を果たす。こうしてハルカは写真部に仮入部することになるが、ハルカが何気なく発した一言がイヅミの態度を硬化させてしまう。 登場人物以下、一部の記述はGUNP発行の設定資料集「瞳のフォトグラフ アーカイブ」(2008年12月30日・コミックマーケット75)を出典とする。また声優は音声付コミック「+Voice」での担当声優を記載している[1]。
単行本
参考文献武石修 (2009年9月18日). ““女子高生×デジカメ” マンガ「瞳のフォトグラフ」誕生秘話〜実在のカメラをリアルに描くこだわりに迫る”. デジカメWatch. (Impress Watch). 2009年9月18日閲覧。 出典(声優)
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