神前神社 (伊勢市)
神前神社(こうざきじんじゃ)は、伊勢神宮皇大神宮(内宮)の摂社。内宮の摂社27社のうち第18位である[1]。本項目では、神前神社と同座する、内宮末社の許母利神社(こもりじんじゃ)・荒前神社(あらさきじんじゃ)についても記述する。 3社とも地域の海岸の守護神であり、山頂に鎮座する[2]。旧社地に比べて内陸寄りに鎮座しているが、境内には波の音が響いている[3]。 概要ここでは、3社共通事項について記述する。 三重県伊勢市二見町松下にある、小井戸口山(こいどぐちやま)の山頂に鎮座する[2]。山は神崎海岸(こうざきかいがん)の南に位置する[3]。この海岸では贄海神事(にえうみのしんじ[4])と呼ばれる、天照大神に奉る神饌を採る神事が行われていた[3]。社地の面積は1反8畝3歩(≒1,795m2)[5]。 神前神社祭神は荒前比賣命(あらさきひめのみこと)[2][3]。鎮座地の二見町松下の海岸鎮守の神である[2]。同座する荒崎神社や、鳥羽市にある豊受大神宮(外宮)末社の赤崎神社にも祀られる女神で、倭姫命が恐縮したとされる[6]。建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)の子で、瀬織津姫(せおりつひめ)の妹である[6]。 許母利神社許母利神社は内宮の末社16社のうち、第5位である[7]。正殿は中絶し、神前神社と同座する[8]。社名の許母利(=子守り)から、子授け、安産、子の成長などの祈願が行われてきた[9]。 祭神は粟嶋神御魂(あわしまのかみのみたま)[2]。荒前比賣命と同じく、二見町松下の海岸の鎮守神である[2]。少名毘古那神(すくなびこなのかみ)と同じ神とされ、荒ぶる荒前比賣命を抑制するために祀られたと考えられる[9]。 荒前神社荒前神社は内宮の末社16社のうち、第12位である[7]。正殿は中絶している[10]。 歴史伊勢神宮の摂社の定義より『延喜式神名帳』成立、すなわち延長5年(927年)以前に創建された[11]。伝承では、倭姫命が二見を巡幸中、江神社を定めた後に荒前比賣命が倭姫命を出迎えたため、神前神社が定められたという[12]。本来の社地は海辺に位置したが、浸水等により失われたため、小井戸口山に移った[3]。小井戸口山山頂に移った明治期まで、交通不便な地であったことから、移転を繰り返していた[6]。
交通![]() 国道42号の伊勢市二見町松下にある日の出橋東交差点から東進し砂利道・土道を通り、石段を登った先に鎮座する[13]。石段の段数は約280段[3]である。神宮125社の中では、鴨神社に次ぐ難所と言われる[6]。
脚注
参考文献
関連項目外部リンク
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