種数面積関係![]() 実測値による線は増加が緩やかになる曲線(上)となるが、両対数を取ると直線(下)になる。 種数面積関係(しゅすうめんせきかんけい)(species-area relation) とは、ある環境における面積と生息する生物種の数(種の豊富さ)の関係のことである。種-領域関係と訳されることもある。この関係はArrhenius(1921)[1].によって提唱された。種数面積関係の式をグラフ化したものは、種数面積曲線(SAC, species-area curve)と呼ばれる。生態学用語。 概論一般的に、特定地域に生息する種数(種の豊富さ)は、低緯度地方ほど多く、高緯度地方ほど少なくなる傾向がある。しかしながら、気候区分などが類似した環境下でも、種数が異なる場合がある。例としては、同じ面積を比べると大陸よりも島の種数が少ない傾向があり、島どうしの比較では種数はその面積に依存する[2]ことが挙げられる。 この関係は、古くから知られており、ダーウィンは『種の起原』の中で、後述の「種分化速度モデル」に近い考え方を用いて、島の生物種が少ない理由を考察している[3]。 類似環境下での種数と面積の関係について、数量モデルを提唱したのはArrhenius[1]である。前述の島・大陸の差異について、Prestonは「本土の種数面積関係(連続的で任意に区分設定できる地域)」および「島の種数面積関係(不連続な地域)」の2種類の種数面積関係に整理した[4]。 Rosenzweigもまた、いくつかのエコリージョン(生態域)や大陸を含んだ大きな領域の種数面積関係に触れ、それらは島や小面積の連続領域の種数面積関係と異なるとした[5]。 しかしながら、島・大陸(本土)の違いや、後述のモデル化理論に違いはあるものの、種数面積関係は一般にという簡潔な式で表される[4]。ただし、類似の環境中でも、面積により適応できるモデルが変化(すなわち定数cとzの変更)することがあり、種数面積曲線が複数の線(線分)の組み合せで構成される場合もある。 なお、対象にする生物は、特定のタクソンを取り上げて種数を計測することが一般的である。例えば、植物、鳥類、コウチュウ目の昆虫など、様々な分類階級が取り上げられる。 理論この関係の数式は、 (または) である。ここで、Sは生物種の数、Aは調査対象地域の面積、cとzは定数である(一般に zは1未満の正の数)。この式は、生物種の数が対象面積(生息域の大きさ)に依存することを示している。 面積と生物種の数に相関がある理由としては、次の5つモデルが考えられる。
「島」の様に不連続な地域は5種類のモデルの内の一つまたは複数による解釈がつき、「本土・大陸」の様に連続的で任意に区分設定できる地域はランダム抽出・環境の異質性の2モデルの片方または両方の組み合せで解釈される。 脚注
関連項目外部リンク参考図書
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