管理栄養士
管理栄養士(かんりえいようし、英: registered dietitian)は、栄養士法(昭和22年法律第245号)に定められる栄養部門で唯一[1]の国家資格[2]。管理栄養士国家試験に合格し取得できる栄養専門職。栄養士が業務を行う対象となるのは主に健康な人であるが、管理栄養士が業務を行う対象には病気を患っている人や健康課題を抱えている人も含まれ、主に医療現場などで患者の健康状態や治療の進行具合に合わせて食事を管理するなど、高度な専門知識と必要とされるのが特徴である[3]。 概要1962年(昭和37年)の栄養士法の一部改正時に、養成施設の卒業と同時に資格を取得できる栄養士の上級資格として設けられた。1985年栄養士法改正で、厚生労働大臣が認定する国家資格としての管理栄養士制度が創設。病院で働く管理栄養士は、患者に療養上の栄養指導することができ、診療報酬を請求できる。 医療や教育、スポーツ、美容に欠かせない栄養指導のスペシャリストとして、病院や、保健所、学校などの集団給食施設で献立をつくり、療養のためや健康の維持・増進のために栄養指導をする。病院では各々の専門性を活かすチーム医療において、医師、看護師、薬剤師、理学療法士などと共にコ・メディカルのスタッフとして食・栄養という重要な役割の担う。プロのスポーツでも管理栄養士は活躍[4][5]し、NST(Nutrition Support Team=栄養サポートチーム)の中心メンバー、また学校給食、食品製造業者および外食産業などあらゆる食に関する産業に従事している。 また、臨床栄養、学校栄養、健康・スポーツ栄養、給食管理、公衆栄養、地域栄養、福祉( 高齢・障がい、児童)栄養等の専門領域において、認定管理栄養士などがある。在宅での療養者や要介護者が増加に伴った在宅訪問栄養食事指導を提供できる管理栄養士はまだまだ少ない[6]。 2024年(令和6年)度後期のNHK連続テレビ小説「おむすび」では、橋本環奈が演じる主人公が管理栄養士を目指すストーリー[7][8]ということもあり、資格に関しても注目度が高まった。 資格内容管理栄養士とは、厚生労働大臣の免許を受けて、管理栄養士の名称を用いて、
を行うことを業とする者をいう(栄養士法1条2項)。 また、管理栄養士は、定められた診療報酬や介護報酬を申請できる専門的業務を行える資格である。栄養士が管理栄養士と全く同じ業務を行っても法令違反ではないが、これらの報酬を申請して得ることができない(業務独占資格ではなく名称独占資格であるため)。 取得方法管理栄養士の免許は、栄養士の免許を有する者が、管理栄養士国家試験を受けて取得する。
要件緩和:管理栄養士の学校を卒業すれば栄養士免許がなくても受験できるように2023年12月[9]、地方分権改革に関する対応方針を閣議決定。[10][11]2025年4月から管理栄養士国試の要件が緩和を進めるため、厚生労働省は2024年11月、管理栄養士国家試験の要件緩和に伴う改正省令の素案について、パブリックコメントの募集を始めた。 米国の管理栄養士各国の栄養士会の設立年は、アメリカ合衆国の1917年が最も古く、次いで1931年のスイス、1936年のイギリス・カナダ、1943年のニュージーランドに続き日本は1945年に設立された。 米国は大学4年間に加え1年間の研修を受けたもののみが、試験を受けることができ、1年間の研修を必須としていない日本とは大きく異なる。日本の管理栄養士養成課程の臨地実習の時間数が他国と比べて極端に少なく、日本の臨地実習は最低180時間であるのに対して、米国は最低 1,200時間。また日本は一度取得すれば継続学習の義務づけはないが、アメリカのRegistered Dietitian(RD/管理栄養士)は5年毎に約50時間分の継続学習(セミナー等)が義務付けられている[12]。 関連文献
関連項目脚注注釈出典
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