米沢市立病院
米沢市立病院(よねざわしりつびょういん)は、山形県米沢市にある医療機関。病院の理念は、「地域医療への貢献、安心できる医療、良質で公正な医療」[1]。 2023年(令和5年)11月1日、同一敷地内に米沢市立病院(病床数263床)と民間の三友堂病院(病床数199床)が同時に開院し、同一敷地内に公立と民間の病院が建ち並んで医療の分担を行う全国初の事例となった[2][3]。 概要1937年10月に設立の認可を得て翌年6月開院する。1958年4月に山形県厚生連(同年3月解散を決議)が経営していた置賜総合病院を買収し、米沢市立総合病院として発足した。同病院は老朽化が進んでいたことから相生町に新病院を建設することとなり、1965年5月に新病院が竣工、翌月の開院にあわせ米沢市立病院に改称した[4]。 1985年2月、総事業費約62億1千万円を投じた中央診療棟本館の新築および旧館棟の全面改修工事が竣工した[4]。 2012年11月、米沢市立病院は「市立病院の在り方に関する検討委員会」を設置し、施設の老朽化が目立ってきた病院の建て替えの検討に入り、現在地での建て替えか市南部や東部への新築移転の可能性を探ってきた。そのような中、2015年に入り米沢駅周辺の住民から駅前商店街活性化のため市立病院を誘致する動きが生まれ、住民が候補地である駅前の一角を所有する会社に病院の移転を打診したところ、市民の役に立てるならとの前向きな回答があり、市立病院も駅前移転に向け準備に入った[5]。 しかし、山形大学医学部精神科医局から医師3人の派遣を受け診察を行っていた市立病院精神科が、医師2人の退職によって、代わりの要員が見つからないため、2016年3月末で休止することになった[6]。これまでの累積欠損金が88億円に達している市立病院にとって、精神科休止による診療報酬など約6億円の減収は大きな負担となるため、市立病院の駅前新築移転計画は白紙となった[5]。 その後、米沢市から日本精神科病院協会山形県支部に対し市立病院精神科の再編に関し協力が要請され、2016年4月、南陽市に本拠に置き県内で精神科病院などを運営する社会医療法人公徳会が応じる意向が明らかとなり[7]、同年7月25日の市議会臨時会において「米沢オフィス・アルカディア」内の1.32ヘクタールの市有地を新病院建設地として、公徳会に1億4376万円で売却する議案が了承された[8]。これを受け、病院建設が着工され、2017年6月1日に市立病院精神科と佐藤病院(南陽市)の病床を再編統合した「米沢こころの病院」が開院した。 2017年1月18日、米沢市は同市内の民間病院である三友堂病院(中央6丁目)と米沢市立病院を再編統合に関する「市医療連携あり方検討委員会」の初会合を開き、委員長に嘉山孝正山形大学医学部参与を選出した。また同年1月23日の記者会見で中川勝米沢市長が同年4月からの改正医療法において、複数の医療機関を持株会社型で運営できる「地域医療連携推進法人」の設立が可能となった状況を踏まえ、経営難となっている両病院を地域医療連携推進法人の下で統合を目指すことで合意したことを明らかにし、検討委員会において1年をめどに統合の形態を決め、その後、病院の建て替えについて協議をしたいとの意向を示した[9][10]。 同年11月7日、検討委員会は市立病院を地方独立行政法人(地域医療連携推進法人)化した上で、救急医療を担う急性期医療中心の病院に再編する意見書をまとめた。また、三友堂病院については回復期医療を中心とする病院にし、老朽化が進んでいる両病院については2023年度までに同時に新規開院できるように進めるとしている。これを受け、市は意見書について市議会で説明し、独立行政法人化に必要な議案などを提案していくと報じられている[11]。 そして、2018年2月8日に開催の市議会市政協議会において、市は現在地である相生町を前提に整備計画を検討する考えを示し[12]、また同年5月26日に開催の市議会全員協議会において市は、三友堂病院も市立病院と同じ敷地内に移転新築する新病院の整備方針を示した[13]。市は2023年度までの同時開院を目指し、三友堂病院と共同で7月中旬までにコンサルタントと契約し、2018年度中に基本計画を策定することとした[14]。 2023年(令和5年)11月1日、同一敷地内に米沢市立病院と民間の三友堂病院が同時に開院し、米沢市立病院が救急対応や重症患者の受け入れ、三友堂病院が退院後のリハビリや地域包括ケアなどを分担して連携することになった[3]。 年表![]()
診療科2023年11月1日現在[2]
医療機関の指定・認定(下表の出典[15])
認定専門医人数(下表の出典[15])
アクセス周辺不祥事・医療ミス・医療事故看護師のひき逃げ
男性職員の児童虐待
脚注
参考文献
関連項目外部リンク |
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