藤原保信
藤原 保信(ふじわら やすのぶ、1935年9月4日 - 1994年6月5日)は、日本の政治学者。専門は政治思想史。学位は、政治学博士(早稲田大学)。元早稲田大学政治経済学部教授。クリスチャン[1]。
経歴長野県安曇野市(旧豊科町)生まれ。少年時に父が戦死し、祖父に育てられ、南安曇農業高等学校を卒業。日清紡の現業労働者として工場で働きながら、早稲田大学第二政治経済学部を卒業。同大学大学院政治学研究科に進学後、修士課程は日本政治史を、博士課程では政治哲学を専攻。1965年博士課程修了(論文名は『近代政治哲学の形成:ホッブズの政治哲学』)[2]。1974年早稲田大学教授。 1969年シカゴ大学に留学し、ジョゼフ・クロプシーとレオ・シュトラウスに師事する。ホッブズの自然哲学・人間論・国家論を近代機械論に基づいて誕生した政治学として体系的にとらえ、その克服という観点から研究する『近代政治哲学の形成――ホッブズの政治哲学』で早稲田大学より政治学博士の学位を取得した。その後、1978年から1年間オックスフォード大学でZ.A.ペルチンスキーの下、ヘーゲルについて在外研究を行う。イギリス理想主義の批判的な継承者でもあり、オックスフォード留学後はコミュニタリアニズムの立場から、環境問題や平和学についても思想史家としての立場から発言を行い、問題意識と学問の統合を図る学者として注目されたが、骨ガンのため闘病するさなか敗血症により死去した。 2005年から2008年までに、10巻本の著作集が刊行された。 学部ゼミの出身者に、奥武則、佐藤正志、飯島昇藏、木村伊量、姜尚中、川出良枝、森まゆみ、齋藤純一、原武史、篠田英朗、岡野八代、重田園江、広瀬巌、梅森直之、林ひふみ(新井一二三)、伊東貴之、遠矢浩規、谷澤正嗣が、大学院からの指導学生に千葉眞、押村高、金田耕一、山田正行、山岡龍一などがいる。 人物ゼミ出身の弟子の一人で政治学者の原武史は、「つらつら思い出すに、藤原保信先生が担当された大学の政治学史の期末試験で、丸山眞男の『日本政治思想史研究』に関する先生の解釈を徹底的に批判したら電話がかかってきて、『批判してくれてありがとう。研究室に来て話さないか』と言われたのは、先生の人徳以外の何物でもなかったのがよくわかる」と、藤原との思い出を振り返っている[3]。 著書単著
共著
編著
共編著
訳書
著作集
脚注
外部リンク |
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