西高東低![]() ![]() 西高東低(せいこうとうてい)とは、地域の東に低気圧、西に高気圧が存在している気圧配置を指す。極地側の寒冷地帯からの風が吹き込みやすくなり、北半球ではこの場合、北よりの風(北西風)が吹き込む。 本項では注記しない限り日本列島に対する気圧配置について記述する。 概要天気図上では、東の低気圧と西の高気圧に挟まれて、等圧線が幾重にも南北に走っている特徴的な図になる。
気象以外の分野では、統計結果などの分布について東日本と西日本、あるいはある地域の東部と西部に明示的な差が現れたときに、この言葉を流用したりあるいは逆に「東高西低」[2]などと言う。 気象以外で使用される表現![]() ![]() 一般に「西高東低」は気象条件を表すのに用いられる言葉だが、世の中の情勢を表す表現として使用されることもある[3]。 公営競技公営競技においては、上位ランクの選手・競走馬などの層の厚さや高額賞金競走の優勝者の本拠地の勢力図において、西日本側が優勢になっている状況を指して専門紙などのマスコミなどが「西高東低」と表現することがある。 中央競馬においては、人馬の拠点が東日本は茨城県の美浦トレーニングセンター、西日本は滋賀県の栗東トレーニングセンターの2箇所に集約管理されており、所属馬はそれぞれ「関東馬」「関西馬」と呼ばれる。ここ20年ほどは東西を比較すると、重賞勝利数・獲得賞金額・G1タイトル数などの成績面で関西馬が関東馬を圧倒する状況が続いており、この事を指して、「西高東低」という表現が用いられることがある(詳細については美浦トレーニングセンターを参照)。過去、1980年代前半までは逆に関東が成績が良かった時代もあり、「東高西低」という表現がされたこともある。 また、競艇でも2000年代後半以降、西日本の選手が大きなタイトル戦において優勢となり、準優勝戦や優勝戦の枠の多くを占める状況が続いており、競馬と同様に「西高東低」という文言がスポーツ新聞や競艇専門紙において記事やコラムで使用される事が見られる[4]。 九州九州の交通網の整備は、九州自動車道や九州新幹線が着々と整備されているのに対し、日豊本線(佐伯以南延岡以北、宮崎以南)は手付かずで、将来的な施策の予定も立てられていない。これについて宮崎県の経済界などからは、「西高東低である」との指摘がある[5][6]。なお、建設および計画の進捗が遅れていた東九州自動車道は、2016年に北九州JCT-清武JCT間が全線開通しており、清武JCT以南も建設中である。 愛知県愛知県においての西高東低とは、県東部の三河地方より県西部の名古屋・尾張地方に政策や投資が偏ることをいう[7]。 一方で県庁所在地である名古屋市は、市中心部を流れる堀川を境に西側は低地が多く、東側は台地や丘陵地帯が多いことから、市域の地形は「東高西低」であると評されている[8]。また名古屋市内では戦後、市西部(中川区・港区など)より市東部(名東区・天白区など)の方が都市発展が著しかったことや、「人口重心」が市中心部から東進していく傾向が見られたことから、都市構造および都市発展の様子も「東高西低」であると評されている[9][10]。 →「東高西低 § 名古屋市」も参照
ヒップホップヒップホップミュージックにおける1990年代は、アメリカ西海岸(ロサンゼルスなど)から発せられるサウンドが、発祥地であったアメリカ東海岸(ニューヨーク)を凌駕するほど人気を博していたことから、こう例えられる。 地形中国大陸、東アジアの地勢は西に山脈が多く、東に平地が広がることから、『西高東低の地形』と表現される。また、南北・両アメリカ大陸も同地形に該当する。南アメリカ大陸はアンデス山脈、北アメリカ大陸はロッキー山脈を中心に、『西高東低の地形』を形成している。 出生率![]() 日本の都道府県別の合計特殊出生率は、おおむね西日本が高く、東日本が低い状況にあり「西高東低」と言われる[11][12]。 2000年代前半以前には、このような明確な東西の差はみられなかった。しかし、日本全体の合計特殊出生率が史上最低の1.26を記録した2005年以降、大幅に回復する西日本各県と小幅回復にとどまる東日本各県という形で差が開き始めた[11][12]。2021年の合計特殊出生率は、上位10県のうち7県を九州沖縄地方が占め、中四国からも3県が10位以内に入っており、九州中四国地方で最も低い福岡県でも1.37(27位)となっている。一方で、関東以東は全ての都府県が福岡県を下回る状況であり、最も高い福島県でも1.36(28位)に過ぎない[13]。 過去の粗出生率を概ね反映する年少人口比率も同様の傾向で、上位10県が九州沖縄7県、滋賀県、愛知県、広島県となっている。一方で関東以東の都道県は全て全国平均以下と偏りが大きい。 地元愛2022年のブランド総合研究所調査によると各都道府県の住民の「幸福度」「愛着度」「定住意欲度」などは北海道(5位)を除いて九州・沖縄を筆頭に西日本が上位独占している[14]。 教育ノーベル賞受賞者、総理大臣、医師数、教育予算と西高東低であるという指摘がある[15]。これは明治維新藩閥政府の敵対藩冷遇政策の名残とされる[15]。 自民党支持→詳細は「保守王国」を参照
自由民主党の支持が西日本の地方部に多いと指摘される[16][17]。 脚注
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