量子センシング量子センシング(りょうしセンシング、英語: quantum sensing)とは、量子効果を利用して物理量を計測する手法。 概要量子センシングは量子効果を利用して物理量を計測する手法であり、量子そのものを計測するわけではない。従来の計測手法よりも量子効果を利用することにより高感度化が期待できる[1][2][3]。極低温に冷却する必要がある機種も存在する。 主な方法センサー全般に言えることだが、どの方法を採用すべきかは、使用する状況、ダイナミックレンジ等の測定対象を考慮して決めるものであり、どの方法が優れていると一概に述べることはできない。使用する系・装置の外側にある測定対象を考慮する必要がある点は、量子計算と大きく異なる。例えば、量子もつれの生成は、量子コヒーレンスをもつ量子ビットを用意することよりも難易度が高く、複雑な装置を必要とするため、感度向上のために量子ビット数を増やせば良い場合や小型化・集積化の必要がある場合には不利になることもある。 主な種類超伝導量子干渉素子(SQUID)→詳細は「超伝導量子干渉計」を参照
ジョセフソン接合を含む環状超伝導体を用いたセンサーであり、超伝導材料を用いるため、センサーを極低温にする必要がある。大学病院などで、脳磁計として実際に使用されている。 ダイヤモンド窒素-空孔中心→詳細は「ダイヤモンド窒素-空孔中心」を参照
NVセンターと呼ばれるダイヤモンド中の窒素(N)と空孔(V)のペアを使用するセンサーである。室温で動作し、ベクトル場の測定も可能である。また、微量の試料のNMR測定(nano-NMR)を行うこともできる。 国内では、東京工業大学[5]や 京都大学[6]などで、この種類のセンサーの開発が行われている。 原子ガス→詳細は「光ポンピング磁力計」を参照
ルビジウム等の原子ガスを用いたセンサーである。室温動作させる方式とレーザー冷却等を用いて低温で動作させる方式が存在する。 国内では、学習院大学[7]にてレーザー冷却を用いたガスセンサーの開発が行われている。 主な用途脚注
参考文献
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