長良川鉄道ナガラ2形気動車
長良川鉄道ナガラ2形気動車 (ながらがわてつどうナガラ2がたきどうしゃ)は、1994年(平成6年)に1両[8]が製造された長良川鉄道の気動車である[9]。ナガラ200形と表記されることもある[10]。 概要1986年(昭和61年)12月に国鉄越美南線を第三セクター鉄道に転換して開業した長良川鉄道では、配置12両、使用11両の体制で運用を続けてきたが、開業後約10年を経て、車両の老朽化による保守時間の増大、踏切が多い路線形態による踏切事故による休車などが発生し、予備車1両では運用に支障をきたすおそれがあり、予備車確保のため1994年(平成6年)12月に前面貫通、両運転台、トイレなし、セミクロスシートのナガラ2形1両が富士重工業で製造された[7]。 構造車体こちら側の側面は、一番手前の窓の幅が狭い 開業時から使用されていたナガラ1形は、富士重工業製のレールバスLE-Car IIをベースとしていた[11]。LE-Car IIでは製造コスト低減のためバス用の部品を多用していた[12]が、モノコック構造のバスが製造されなくなったことから、鉄道車両の構造をもつLE-DCと呼ばれるやや大型の車両に移行しており、ナガラ2形もLE-DCの派生形と位置付けられる[13]。 車体長は16,000 mm、乗務員室は左隅で、乗務員室がある部分のみ乗務員扉が設けられた[7]。客用扉の引き戸が片側2か所、両車端に設けられた[7]。扉間に上段固定、下段上昇の窓6組が設置された[7]が、北濃向きを向いて右側面の北濃方運転台寄りの1枚は窓幅が狭い。車体外部は沿線市町村の一般公募で選ばれた長良川の四季をテーマにしたものになった[3]。 車内はセミクロスシート[3]でトイレは設置されなかった。北濃方を向いて右側は2人掛け、左側は4人掛けで各3組が設けられ、車椅子スペースも設置された[3]。 走行装置![]() 写真は信楽高原鐵道SKR310形のFU34KD エンジンは日産ディーゼル製PE6HT03Aディーゼルエンジン(定格出力184 kW / 1,900 rpm)を1基搭載、動力はSCAR0.91B液体変速機を介して台車に伝達される[6]。1速から2速へは自動で変速される[14]。 抑速用として機関ブレーキと排気ブレーキを備える[15]。前位側台車は2軸駆動の動台車FU34DD、後位側は付随台車FU34DT[4]で、いずれも枕ばねが上枕式の空気ばね、軸箱支持は軸ばね式である[5]。制動装置はSME三管式直通ブレーキが採用された[4]。 空調装置暖房装置はエンジン排熱を利用した温風式である[7]。能力27.6 kW(24,000 kcal/h)のIBCU-50が1基搭載された[15]。 車歴
運用長良川鉄道開業後約10年を経て、車両の老朽化による保守時間の増大・踏切が多い路線形態による踏切事故による休車などが発生し、予備車1両では運用に支障をきたすおそれがあることから、ナガラ2形1両が製造された[7]。 1995年(平成7年)1月1日から運用を開始し、長良川鉄道で初めてのセミクロスシート車であることからイベント列車に優先的に使用された[3]。 諸般の事情によりさよなら運転は行われず、2019年(令和元年)に引退した[16]。 出典
参考文献書籍
雑誌記事
Web資料
|
Portal di Ensiklopedia Dunia