黒海 (アイヴァゾフスキー)
『黒海』(こっかい、露: Черное море, 英: The Black Sea)は、ロシアの画家イヴァン・アイヴァゾフスキーが1881年に描いた絵画である[1][2][3]。 概要キャンバスに油彩で描かれている[1][4][5]。縦 149 センチメートル、横 210 センチメートルの大きさをもつ[1]。モスクワのトレチャコフ美術館に所蔵されており、ホール19に展示されている[1][6]。海景画に分類される[1][7]。写実主義に属する[7]。 アイヴァゾフスキーは、黒海の沿岸にある町、フェオドシアに生まれ、同地に家を建て、そこで長く住んだ[8]。本作が完成された1881年に、トレチャコフ美術館が画家から取得している[7]。 1882年、芸術アカデミーにおいて、アイヴァゾフスキーの個展が開催され、本作が出展された[9]。当時、本作には «на Чёрном море начинает разыгрываться буря» (英: A storm begins to whip up in the Black Sea) というタイトルが付けられていたが、アイヴァゾフスキーは、そのタイトルに満足していなかった[10][1]。 2016年にトレチャコフ美術館で開催された「イヴァン・アイヴァゾフスキー展」では、本作の他に、『第九の波』や『虹』などが展示された[11][12]。画家のイワン・クラムスコイは、アイヴァゾフスキーの作品の中で本作が最も優れていると評価しており、「本作は、私が知っている中で最も壮大な絵画の1つである」との旨を述べている[13][14]。 作品水平線まで続く海と空が描かれている[14]。画面前景に描かれた、泡立って頂部が白色に見える波は、「アイヴァゾフスキーの波」と呼ばれた[1][7]。海の色は、緑色がかったエメラルドグリーンや灰青色から次第に濃くなっていき、水平線の付近では、黒色に近い青色になっている[14][1][13]。画面のほぼ中央には、一隻のヨットが描かれている[1][6]。空には、暗い雲が発生しており、今にも雨が降り出しそうであるが、水平線の付近には、少し明るくなっているところがある[15][14]。 脚注
参考文献
外部リンク
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