軌間
軌間の一覧
最小軌間
15インチ
381 mm
(15 in)
狭軌
2フィート、600 mm
597 mm 600 mm 603 mm 610 mm
(1 ft 11+ 1 ⁄2 in) (1 ft 11+ 5 ⁄8 in) (1 ft 11+ 3 ⁄4 in) (2 ft)
750 mm ,ボスニア ,2フィート6インチ ,800 mm
750 mm 760 mm 762 mm 800 mm
(2 ft 5+ 1 ⁄2 in) (2 ft 5+ 15 ⁄16 in) (2 ft 6 in) (2 ft 7+ 1 ⁄2 in)
スウェーデン3フィート 900 mm 3フィート
891 mm 900 mm 914 mm
(2 ft11+ 3 ⁄32 in) (2 ft 11+ 7 ⁄16 ) (3 ft)
1m軌間
1,000 mm
(3 ft 3+ 3 ⁄8 in)
3フィート6インチ
1,067 mm
(3 ft 6 in)
4フィート6インチ
1,372 mm
(4 ft 6 in)
標準軌
1,435 mm
(4 ft 8+ 1 ⁄2 in)
広軌
ロシア軌間
1,520 mm 1,524 mm
(4 ft 11+ 27 ⁄32 in) (5 ft)
アイルランド軌間
1,600 mm
(5 ft 3 in)
イベリア軌間
1,668 mm
(5 ft 5+ 21 ⁄32 in)
インド軌間
1,676 mm
(5 ft 6 in)
ブルネル軌間
2,140 mm
(7 ft 1 ⁄4 in)
軌間の差異
軌間不連続点 · 三線軌条 · 改軌 · 台車交換 · 軌間可変
地域別
補機を伴ってニュージーランド のオパパ山を登るJA1271
イギリス ・ウェールズ のグレートオームトラムウェイ
オーストラリア ・西オーストラリア州 パース にあるデュアルゲージ (標準軌 との三線軌条)
日本 ・群馬県 の信越本線 横川駅 に停車中のD51形蒸気機関車 (写真手前)とDD51形ディーゼル機関車 (写真奥)
台湾 ・台鉄 の特急太魯閣号
香港 ・香港トラム 上環駅
アメリカ ・サンフランシスコ・ケーブルカー
3フィート6インチ軌間 (以下、1067 mm[ 注記 1] 軌間)は、狭軌 の一種である。馬の動力によるワゴンウェイとして建設され、19世紀 半ばから、イギリス帝国 で1067 mm軌間の鉄道が広く建設された。ケープ軌間として知られ、日本 と台湾 では、標準の軌間として採用された。「3フィート6インチ」から三六軌間 (さぶろくきかん)とも通称される。
歴史
1795年
1067 mm軌間を採用した最初の鉄道の1つは、イングランド のリトル・イートン・ギャングウェイ (英語版 ) であり、1795年、馬の動力によるワゴンウェイとして建設された。イングランドとウェールズ の他の1067 mm軌間の輸送車両も、19世紀初頭に建設された。
1809年
シルクストーンワゴンウェイが開業し、バーンズリー運河とHuskar Pitを含む炭鉱とつながった。
1862年
1862年、ノルウェー の技師であるカール・アブラハム・ピル は、ノルウェーのレーロース線 (英語版 ) において初めて1067 mm軌間の鉄道を建築した。
1865年
1865年、クイーンズランド鉄道 が建設された。アイルランドの技師であるアブラハム・フィッツギボン (英語版 ) と顧問技師のチャールズ・フォックス (英語版 ) が1067 mm軌間で建設することを推めた。
1867年
1867年、スペイン のカスティージョデブイトロン鉱山からウエルバ のサンファンデルプエルト桟橋までの鉄道建設が始まった。その鉄道の軌間は1067 mmであった。
1868年
1868年、チャールズ・ダグラス・フォックス (英語版 ) は土木技師であるエドモンド・ラッジ (英語版 ) に、コスタリカ にある1067 mm軌間の鉄道の調査を依頼した。
1871年
1871年、カナダ のトロント・グレイ・ブルース鉄道 (英語版 ) とトロント・ニピッシング鉄道 (英語版 ) が開通した。ピルとフィッツギボンが推進し、フォックスの技師としてラッジが調査した。
1872年
1872年1月、ロバート・フランシス・フェアリー (英語版 ) は、自書「Railways Or No Railways: Narrow Gauge, Economy with Efficiency v. Broad Gauge, Costliness with Extravagance 」で、1067 mm軌間での鉄道の建設を提唱した[ 1] 。
1872年には、イギリスで土木技師のエドモンド・モレル が日本初の鉄道建設において、ニュージーランド での鉄道建設の経験に基づいて1067 mm軌間で建設するように提唱し、その軌間で開業した[ 2] 。
1873年
1873年1月1日、初めて、1067 mm軌間の鉄道がニュージーランド で開業した。この鉄道は、イギリスの会社であるジョン・ブログデン・アンド・サンズ(John Brogden and Sons)が建設した。それ以前に建設された標準軌 と広軌 の鉄道は1067 mmに改軌された。
また、1873年、ケープ植民地 では、1067 mm軌間で鉄道が建設された[ 3] [ 4] 。南ヨーロッパでの数件の調査が実施された後、ジョン・チャールズ・モルテノ (英語版 ) は急な山脈を横断するのに最も経済的に適したものとして1067 mm軌間を選択した[ 5] 。1873年より、コロニー・ウィリアム・ブロージャーの鉄道技術者の監督の下で[ 6] 、ケープ政府鉄道は、急速に延伸し、1067 mm軌間が南アフリカの標準の軌道となった[ 7] [ 8] 。
1876年
ナタル植民地は、1876年に植民地全域を横切るネットワークを建設を開始する前に、10 kmのダーバンネットワークの鉄道の軌間を1435 mmから1067 mmに改軌した[ 9] 。その他の南アフリカ、特にモザンビーク 、ベチュアナランド 、ローデシア 、ニヤサランド 、アンゴラ の鉄道も、同時期に1067 mm軌間で建設されました。
1876年以降
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、イギリス とオランダ にて、1067 mm軌間の路面電車が数多く敷設された。
各国の呼び名
スウェーデン では、ブレーキンゲ県 のほとんどの鉄道がこの軌間であったことから、ブレーキンゲ軌間 と呼ばれている[ 10] 。
この軌間の別名であるケープ軌間は、1873年 に採用された現在の南アフリカのケープ植民地にちなんで名付けられた[ 3] 。ケープ軌間 (英 : Cape Gauge )という用語は、オランダ語ではKaapspoor 、ドイツ語ではKapspur 、ノルウェー語ではkappspor 、フランス語ではvoie cape などの他の言語でも使用されている。1960年代 のメートル法 移行後、南アフリカ鉄道の軌間は、公式の出版物では、1067 mmではなく、1065 mmとしている[ 11] 。
ニュージーランド では、コロニアル軌間 (英 : Colonial Gauge )という名が使用されていた[ 12] [ 13] 。
オーストラリア では、イギリス植民地時代の用語である3フィート6インチ軌間 が使用されている。いくつかのオーストラリアの刊行物において、medium gauge の用語も使用されている[ 14] 。オーストラリアは、1435 mmまたは1600 mmが標準の軌間であり、1067 mm軌間は、しばしば狭軌と呼ばれている。
類似の軌間
輪軸の調整が必要であるが、最小曲線半径と車両限界 などの観点からは1067mmと同じぐらいである。
導入例
脚注
^ “Railways Or No Railways: Narrow Gauge, Economy with Efficiency. V. Broad Gauge, Costliness with ... ”. archive.org . 2020年5月3日閲覧。
^ Semmens, Peter (1997). High Speed in Japan: Shinkansen - The World's Busiest High-speed Railway . Sheffield, UK: Platform 5 Publishing. p. 1. ISBN 1-872524-88-5
^ a b Ransom, P.J.G. (1996). Narrow Gauge Steam . Oxford Publishing Co.. p. 107. ISBN 0-86093-533-7
^ Griffiths, Ieuan Ll; Rowland, Susan (1994). The Atlas of African Affairs . Routledge. p. 168 . ISBN 0-415-05488-5 . https://archive.org/details/atlasofafricanaf00ieua/page/168
^ Bond, John (1956). “Chapter 19, The Makers of Railways: John Molteno”. They were South Africans . Oxford University Press. p. 170
^ “Cultural, historical assessment of the Hex Pass Railway, Worcester to de Doorns ”. 2014年3月6日時点のオリジナル よりアーカイブ。2020年5月3日閲覧。
^ Burman, Jose (1984), Early Railways at the Cape , Cape Town: Human & Rousseau, ISBN 0-7981-1760-5
^ Davenport, D.E. A Railway Sketch of South Africa. 1882. Cape Town.
^ Bulpin , TV (1977) [1966]. Natal and the Zulu Country (3rd ed.). Cape Town: T.V. Bulpin Publications Ltd. pp. 224–227
^ “Kalmar, 29-03-1897 (Blekinge-spårvidd) ”. 2014年4月27日時点のオリジナル よりアーカイブ。2014年4月27日閲覧。
^ South African Railways Index and Diagrams Electric and Diesel Locomotives, 610 mm and 1065 mm Gauges, Ref LXD 14/1/100/20, 28 January 1975, as amended
^ Zealand, National Library of New. “Papers Past - The Evening Post. TUESDAY, MAY 12,1874. (Evening Post, 1874-05-12) ”. paperspast.natlib.govt.nz . 2020年5月3日閲覧。
^ “CR4 - Blog Entry: Track Gauges and Railway Construction (Part 1) ”. cr4.globalspec.com . 2020年5月3日閲覧。
^ [1] Adoption of the 3ft. 6ins. gauge for Queensland railways (1983)
^ Railway and Locomotive Engineering , vol. 26 (1913), pp. 91–92
^ “CIA World Factbook, Indonesia ”. 2020年5月3日閲覧。
^ Zealand, National Library of New. “Papers Past - The Press. MONDAY, SEPTEMBER 26, 1870. (Press, 1870-09-26) ”. paperspast.natlib.govt.nz . 2020年5月3日閲覧。
^ Bjerke, T. & Holom, F. (2004) Banedata 2004 . Hamar/Oslo: Norsk Jernbanemuseum & Norsk Jernbaneklubb. p. 98
^ Morrison, Allen (2008年2月1日). “The Tramways of Colombia / Panama ”. 2011年5月1日閲覧。
^ Ferropedia - Ferrocarril Cartagena - Los Nietos, http://ferropedia.es/wiki/Ferrocarril_Cartagena_-_Los_Nietos
注記
^ 1フィート (ft) = 304.8 mm,1インチ (in) =25.4 mm,3フィート6インチ=3×304.8+6×25.4≒1067 mm
外部リンク
関連項目