70式地雷原爆破装置

飛翔する爆索展張用ロケット弾

70式地雷原爆破装置(ななまるしきじらいげんばくはそうち)は、陸上自衛隊の装備品のひとつ[1]地雷原の啓開器材である[1]

概要

普通科連隊普通科中隊小銃小隊及び本部管理中隊施設作業小隊、師団施設大隊などの部隊に装備されている。

ロケット弾を用いて爆索英語版を展張し、敵陣前の地雷原を爆破、小銃部隊の突撃経路(長さ100m以上、幅50cm以上)を確保するために開発され、1970年に制式採用された[1]

ロケット弾、発射機、爆索(制動索、前・中・後端部含む)の3つで構成され、6-8名程度で運用される。分割して運搬された70式地雷原爆破装置は、地雷原目前で迅速に組み立てられて(突撃経路として適した地点は、大抵の場合敵が設定したKP(キルポイント:殺傷地点)であるため損害が発生し易い)で発射し経路を確保する。事前の測量完了から発射準備完了までにかかる時間は15分とされる[2]。ロケット弾は百数十メートルに及ぶ爆索を曳いて飛翔するため風の影響を受けやすく、取り扱う施設科員の間では「10発に1発は失敗」と言われているという[2]

一部の一線を退いた73式装甲車に搭載され使用されており、また96式装輪装甲車の車体にも搭載することが可能となっている。

類似装備として、水際地雷処理用に水陸両用車に搭載する24式水際地雷原処理装置が開発されている[3]

諸元

  • ロケット弾
    • 重量:約24 kg[4]
    • 直径:約150 mm[4]
    • 長さ:約750 mm[4]
    • 射程:約550 m[4]
  • 発射機
    • 重量:約18 kg[4]
    • 滑走桁:約140 mm[1]
  • 爆索
    • 重量:約24 kg[1]
    • 長さ:約17 m[1]
  • 製作:日産自動車[1]

脚注

  1. ^ a b c d e f g 朝雲新聞社 1990.
  2. ^ a b 加藤 2020.
  3. ^ 防衛装備庁 陸上装備研究所パンフレット - (2024年11月12日公開、2025年3月23日閲覧)
  4. ^ a b c d e 『自衛隊装備年鑑 1954-2006』株式会社 光栄、2007年5月10日、17-19頁。ISBN 978-4-7758-0597-8 

参考文献

  • 自衛隊装備年鑑 2006-2007 朝雲新聞社 P103 ISBN 4-7509-1027-9
  • 『自衛隊装備年鑑 1990』朝雲新聞社、1990年6月25日、86頁。ISBN 4-7509-1011-2 
  • 加藤健二郎「砲撃、爆破、ヘリボーン! 第3師団、矢臼別錬成訓練に密着」『軍事研究』第417号、ジャパン・ミリタリー・レビュー、2020年12月、40-51頁。 

関連項目

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