CUSTOM MECH WARS -カスタムメックウォーズ-
『CUSTOM MECH WARS -カスタムメックウォーズ-』は、ディースリー・パブリッシャーより2023年12月14日に発売されたゲームソフト。公式ジャンル名は「魔改造メカアクションシューティングゲーム」。略称は「CMW」や「カスメ」など[1]。 沿革2023年8月25日、ディースリー・パブリッシャーはX(旧Twitter)上に「PROJECT CMW(仮)」の公式アカウントを開設し、新作ゲームの情報を8月29日に公開する予定である旨を発表した[2]。8月29日に「カスタムメックウォーズ」というタイトルを明かし、公式サイトの開設やトレーラーの公開がなされ、2023年冬に発売することを公表した[3]。 9月21日から24日にかけて開催された東京ゲームショウ2023では試遊台が設置された他、発売日が12月14日であることが公表された[4]。10月27日にはPS5にてTGS試遊版とほぼ同等のプロトタイプ版を公開し、ユーザーから意見を募りフィードバックした。プロトタイプ版の公開に伴い10月27日から11月5日にかけて「とにかくカッコイイ機体」をテーマとした「カスタムメックウォーズ魔改造コンテスト(リハーサル)」をX(旧Twitter)上で開催し[5]、11月10日から26日にかけて「とにかく速そうな機体」をテーマに「カスタムメックウォーズ魔改造コンテスト(リハーサル第2回)」を開催した[6]。 PS5版の予約特典として、PS5版では12月11日からアーリーアクセスが開始された。12月14日から正式に発売開始[7]。翌15日から2024年1月8日にかけて「アブナイ機体」をテーマとした「カスタムメックウォーズ魔改造コンテスト」が開催された[8]。 システム魔改造システムプレイヤーは自作したロボット(Gメック)を操縦しミッションに臨むことになる。「魔改造システム」と呼ばれるカスタムシステムを実装しており、ハンガーで機体を自由に作り上げることができる。頭や腕などあらゆるパーツは複数搭載可能で、そのパーツの設置位置や角度も自由である。機体の軸となる脚部が1パーツだけでもあれば出撃可能である。パーツ同士の接合も厳密に考える必要はなく、空中にパーツを浮かせたりもできる。 パーツには脚部や頭部といった「キーパーツ」、マシンガンやサーベルなどの「攻撃パーツ」、外見のアクセント調整や増加装甲にもなる「アクセサリー」の3種類に大別できる。 すべてのパーツにはS、M、Lの3つのサイズがあり、小さいほど軽くて脆く、大きいほど重くて頑丈である。サイズが別々であっても重量制限内や設置限界数以内なら取り付けることができる。アクセサリーに限り、いずれのサイズでもある程度大きさの調整が可能である。パーツ単位で色や質感、迷彩の調整ができる。 ミッションで敵を倒すとパーツをドロップすることがある。一度手に入れたパーツは、開発部で鉱石を使用して生産することができる。 ミッション難易度はEASY、NORMAL、HARD、HARDEST、NIGHTMAREの5段階からなる。一周目ではHARDまでの難易度しか選択できないが、一周クリアするとHARDESTとNIGHTMAREが開放される。高難易度ほど高性能なものや大型のパーツが出やすくなっている。一度上位の難易度をクリアすると下位の難易度もクリアしたことになる。 出撃できる機体は最大5種類で、ミッション中に呼び出すことができる。機体から降りたり壊されたりするとプレイヤーはパイロット状態になる。これは生身の人間の状態で、新たな機体を呼び出したり、マップに配置されている施設を起動させたり、バズーカで敵にダメージを与えたり、敵機を鹵獲する「C.E.M.P」を撃ち込むことができる。 敵を倒すとランダムにアイテムをドロップし、種類は強化アイテムボックス、パーツボックス、スペシャルアイテムの3種類からなる。強化アイテムボックスとパーツボックスは、それぞれミッションクリア後にパーツが強化されたりパーツが手に入ったりする。スペシャルアイテムは様々な効果を持つアイテムで、スピードアップやアタックアップなどがランダムに取得され、そのミッションの間だけ任意のタイミングで発動できる。 ストーリーキャンペーン近未来の世界。外宇宙望遠鏡が太陽系に接近する彗星を発見した。軌道計算によれば地球への衝突軌道はとらないものの、その大きさから地球にもたらす影響は凄まじいものであり、地殻変動や火山噴火、通信障害など想定される被害は甚大であった。この彗星は「アスガルズ彗星」と名付けられ、人類はその対処に追われることとなる。 人類は大規模な避難計画を実行し、被害が大きいと予測される地域の住民や財産をシェルターや他の土地に移住させた。彗星が去るまで一時的に放棄された都市機能の維持は自律思考AIを搭載した警備ロボット「Gメック」が担うようになった。 Gメックを運用する企業のひとつが「47警備保障」であり、管轄区域にて無人Gメックでは担えない範囲の業務を有人操縦のGメックで処理していた。ある日、「主人公」は47警備保障にアルバイトとして入社し、先輩の「バイトリーダー」と共に、廃棄が決定したGメックの処分をしていた。その最中に大規模な地震が発生。ほぼ同時にFJ山も噴火し、自律思考AIを搭載したGメックも暴走を開始する。47警備保障は暴走Gメックの鎮圧業務に奔走し、次第に戦いは世界規模の大規模なものとなっていく。 サイドストーリー「地球防衛軍コラボエディション」に収録されるストーリー。10種のストーリーミッションからなり、前半では超古代兵器との戦いが描かれ、後半では希少鉱石の捜索が描かれる。 47警備保障の管理区域にてアナーキズム集団「ステラーユニオン」が地下から発掘した超古代兵器を戦力化していた。47警備保障はこうした超古代兵器をステラーユニオン側の呼称をもとに「EMC」や「NIX」といったネームを振り分け、最終的にステラーユニオンの「BRM」との戦いに臨む。 その後、47警備保障は彗星の影響で落着する小惑星の隕石から見つけられる「希少鉱石」を探すこととなる。しかし現地ではワゴン型の暴走Gメックによって多くが運び出されており、暴走Gメックらは港湾部に捨て置かれた巨大なクレーンを復活させようとしていた。 設定
登場人物
主題歌特典・DLCパッケージ版とダウンロード版が発売された。パッケージ版は「スタンダードエディション」のみで、ダウンロード版では「通常版(スタンダードエディション)」、「地球防衛軍コラボエディション」、「アルティメットエディション」の3種類が発売された。 パッケージ版とダウンロード版共に初回封入特典(早期購入特典)として、サムライメイデンとコラボした頭部パーツ「ガールヘッド」が付属した。 パッケージ版では店舗特典が設定され、D3P WEB SHOPでは武器パーツ「ライフル-P-101Σ」、GEOでは武器パーツ「ミサイル2連ランチャー-N-532Σ」、Amazonでは武器パーツ「ロケットランチャー-N-53Σ」、Joshinでは武器パーツ「ショットガン-N-33Σ」、ebtenでは様々な物品が含まれる「ファミ通DXパック」が同梱した。ファミ通DXパックは47警備保障のエンブレムをデザインしたパスケース、タイトルロゴがデザインされたTシャツ(サイズ選択可能)、メインビジュアルを使用したアクリルパネル、並びに武器パーツ「サブマシンガン-N-162Σ」のダウンロードコードがセット化されている。 ダウンロード版では予約特典として10%オフ割引(PS5版はPS Plus加入者のみ)の他、バレットガールズ、オメガラビリンス、ドリームクラブとコラボした脚部パーツ「痛車BG-L」「痛トラックOL-L」「痛電車DCC-L」の3種類が付属し、PS5版では72時間のアーリーアクセス権が付与された。 地球防衛軍コラボエディションでは、10種の追加ミッションがサイドストーリーとして収録され、この追加ミッションを攻略すると地球防衛軍シリーズに登場するバルガやバラム、ニクス、コンバットワゴン、EMC、EDFエンブレムに関連する様々なパーツが入手できる。 アルティメットエディションでは上記の地球防衛軍コラボエディションに含まれる内容に加え、サムライメイデン、バレットガールズ、オメガラビリンス、ドリームクラブとのコラボパーツが複数種手に入る他、作中に登場するAI「アブシディ」の声を変更するカスタムボイス機能が追加され、デフォルトの音声とは別に、熱血AI、お姉さんAI、お嬢様AI、暴走AIの4種が加えられ設定から変更可能となる。 各種エディションの要素は追加購入することが可能で、別途「地球防衛軍コラボセット」、「魔改造セット」、「アルティメットアップグレードセット」が販売されている。 2024年12月20日、発売一周年を記念して、新たなDLCとして頭部パーツ「ガールヘッドB」が無料で配信された[9]。 開発プロデューサーの内田陽介によれば、ロボットゲームという枠組みの中でもカスタマイズ性の部分を一番のウリとしてユーザーに認められるゲームを目指したという。また、サブターゲット層としてサンドボックス系やクラフト系が好きな人などを想定していた。企画の立ち上がりは2021年夏頃で、開発規模としては内田によれば「ディースリー・パブリッシャーの中ではかなり頑張っている方」としている[1]。 本作の発表タイミングはアーマード・コアVIの発売から4日後であり、大きな反響を呼んだ[注 1]。内田によれば、これは本作の発売時期から逆算して情報公開するタイミングをマーケティングプランなどを踏まえたところ8月頃となり、カレンダーを見たら「ロボットゲーム熱」が高まっていそうなタイミングがあり若干意識したという。ユーザーからの反響は想定を超えており、美少女系ゲームであればある程度反応を想像できる部分もあったが、本作ではターゲット層が従来のディースリー・パブリッシャーにはない層で、完全新規IPでもあったため読めなかったという。内田はロボットゲームには熱があると感じる一方で、ゲーム業界ではニッチでマニアックなジャンルと言われる事も多く、加えてディースリー・パブリッシャーはロボットゲームが期待されている企業ではないため、ユーザーから全く反応がない「無風」も想定していたという[1]。 東京ゲームショウ2023でインタビューを受けた内田は開発の厳しい面を見せ、「12月発売の作品だとこの時期(9月)には90%程度完成してあとはデバッグを残すだけ、みたいなことも多いですが本作はまだ60%くらい」と述べている[10]。 プロトタイプ版を公開後、厳し目な意見が多く出たが、何もフィードバックも来ない状態より良い傾向であると内田は述べた。プロトタイプ版は東京ゲームショウで公開した9月時点のバージョンであり、7月時点で先行して追加予算が降りたり新たな人員が投入されたりしており、製品版までに改善の準備期間はあるという見立てを示した。もともとはロボットの重量感が感じられる操作感を優先していたが、プロトタイプ版での反響ではスピーディな動きを求める声が多く、既存のゲームバランスなどを崩さないよう調整しながら取り入れていった。パーツ破壊については、「ダメージを受けて破壊され、見た目が変わるのが嫌だ」という意見が想定よりも多かったという。パーツ破壊をすべて無くすのは難易度などに大きな影響を与えるほか、パーツ破壊に肯定的な意見も少なからずあったため、ゲームクリア後のおまけ要素として「パーツが破壊されても見た目が変わらない」オプション設定を追加した[1]。 本作の開発チームは地球防衛軍シリーズを開発しているサンドロットとは関わりがなく、開発チームがアドバイスを受けるといったことはなかった。ただし、内田は地球防衛軍のファンであり、開発チームにもロボット版地球防衛軍みたいなゲームが作れたらいいよねといった声が企画段階からあり、少なからず参考にした部分はあるという[1]。 プロモーション動画では宣伝用に内田が作ったロボが公開されたが、最も反響があったのは「ドリル◯◯◯ロボ」だったという[11]。 脚注注釈
出典
外部リンク |
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