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moomoo証券(Moomoo Securities Japan Co., Ltd.)は、2018年にアメリカ合衆国で設立されたオンライン証券会社であるmoomoo(ムームー)の、日本において事業を展開している現地法人。
概要
2018年にアメリカ・シリコンバレーで設立、その後アメリカや、シンガポールやマレーシアをはじめとしたアジア太平洋地域で事業を展開している。提供する同名の金融アプリmoomooの提供情報量などに特色を持つ[1]。
親会社は米国NASDAQ上場企業で、テンセントが出資する香港のFutu Holdings Limited(フートゥー・ホールディングス・リミテッド、富途控股有限公司)。moomooはFUTUの海外展開を担っている[1][2]。
日本へは2022年にFUTUがひびき証券を買収して参入[3]。2022年10月より日本国内でのアプリの配信を開始した[4][1]。
「moomoo証券」という名称は、英語の牛の鳴き声「moo(ムー)」に由来している。証券業界において「ブル(雄牛)」は上昇相場の象徴とされており、企業ロゴにもその象徴としてブルが描かれている。[5]
moomooアプリ
moomooは、個人投資家向けの取引アプリであり、取引ツール、リアルタイムのマーケット情報[6]、財務データ、決算の速報や決算説明会のQ&Aを和訳したスクリプトや各種分析機能などを提供している[7]。
2018年にアメリカ合衆国カリフォルニア州シリコンバレーで開発された。アプリはプロフェッショナル向けとされる水準の分析ツールを個人投資家にも利用可能にすることを意図して設計されている。掲示板機能が搭載されており、ユーザー同士が投資に関する情報を共有できるコミュニティ機能も備える[8][9]。
2025年4月時点で、全世界の登録ユーザー数は2500万人を超えている。日本国内では、moomoo証券株式会社を通じてサービスが提供されており、2023年より米国株式などのオンライン取引サービスを開始。約7,000銘柄の米国株に対応し、そのうち約6,000以上の銘柄は24時間取引に対応している(2025年4月時点)。
沿革
- 2018年
- 1月、米国・シリコンバレーにて「moomoo」誕生。
- 米国証券取引委員会(SEC)よりライセンスを取得し、全米50州および米国領土での証券取引業務を開始。
- 2021年
- シンガポール市場に進出。SGXグループより、証券・デリバティブ市場双方におけるフルメンバーシップを取得。
- 9月、米国でBenzingaと提携し、デモ取引コンテストを開催。
- 2022年
- 3月、オーストラリアでサービス提供開始。米国およびオーストラリア市場へのアクセスを提供。
- 10月、日本市場に参入。金融商品取引業者として登録され、日本証券業協会および日本投資顧問業協会に加盟。
- 2023年
- 6月、米国で初の投資家向けイベント「Trading with Moomoo: Evening Meet & Greet」をニューヨークで開催。
- 6月、オーストラリアにて24時間の米国株取引サービスを開始(豪州初)。
- 9月、日本で米国株取引サービスを開始。
- 11月、米国にてCBOE Global Marketsとの提携により、インデックス・オプション商品の提供を開始。
- 2024年
- 3月、日本にて日本株取引開始。
- 4月、シンガポールでユーザー数100万人を達成。
- 5月、日本でアプリダウンロード数が100万件を突破。[10]
- 5月、俳優の松重豊が日本公式ブランドアンバサダーに就任。
- 6月、日本で24時間米国株取引が可能な銘柄数および米国株取扱銘柄数が国内No.1に(自社調べ。別途、同年12月に日本マーケティングリサーチ機構が調査を実施)。
- 6月、日本にて単元未満株「ひと株」の取扱開始。
- 7月、日本で米国株の24時間取引可能銘柄が6,000以上に。
- 同月、米国にてTradingViewとの統合を完了、同プラットフォーム上での直接取引が可能に。
- 8月、オーストラリアでMozoおよびMoney Magazineなどから複数の業界賞を受賞。
- 9月、米国でデスクトップ版「Moomoo Desktop」をリリース。
- 9月、日本で投資信託の取り扱い開始。
- 9月、カナダにて非取引会員としてTSXおよびTSX Venture Exchangeに加盟。
- 11月、日本で米国株信用取引の取り扱い開始。
- 11月、日本にて個別有価証券オプション(愛称「かぶオプ」)、業界最安級の取引手数料でサービス開始。
- 2025年
広報
moomooは金融セミナー[12]などのイベントを開催している。2024年10月から11月にかけてはNASDAQのデモ取引大会を世界七か国で開催し、日本では2万人弱の参加者を集めた[13]。2024年5月には、日本への本格的な進出をアピールするメディア向けイベントを開いた[3]。
前述の2024年5月のイベントからは、広告塔として松重豊を起用している。moomooは松重の役柄にこだわる姿勢と残してきた結果からブランドアンバサダー起用を決めたとしている[3]。イベントで松重は「自分のお金を自分で考えるフェーズになってきていると思う」と語り、そのうえで投資の情報源としてmoomooをアピールした[14]。また、デモ取引大会の表彰式においては、「僕の顔を見て思い浮かべるのは食べ物じゃないかな。経済の顔として僕の顔が世間に認知されればいいな」と語った[13]。
2024年、アメリカのMoomoo Financial Inc.は、米証券業界の自主規制団体であるFINRA(英語版)から、インフルエンサーへ依頼したプロモーションに自主規制ルールの違反を指摘された。FINRAは、moomooがインフルエンサーの投稿等を適切に保存・提出しなかった他、インフルエンサーの投稿に誇張や誤った表現があったなどと指摘した[15][16]。moomooとFINRAは和解し、moomooは譴責を受けて過怠金75万ドルを支払い、システムの更新などの是正に同意した[17][18]。
CSR関連・コミュニティー・社会貢献活動
- Make-A-Wish財団への寄付
- moomooは、地域社会への貢献活動の一環として、Make-A-Wish財団に20万米ドルを寄付した。この寄付金は、シンガポール、香港、アメリカ、オーストラリアにおいて、生命を脅かす病気と診断された子どもたちの夢の実現に役立てられる予定である[19]。
- SGX Caresへの参加
- 2023年に開催された「SGX Cares Bull Charge 2023」では、250万シンガポールドル以上の寄付金が集められた。この募金活動の収益は、AWWA、Autism Society(Singapore)、Fei Yue Community Services、HSCA Community Services、Shared Services for Charitiesを通じて、Community Chestにより配分される。moomoo Singaporeは、同イベントにおいて「MooFest 2023」を通じて主要な役割を果たした。イベントでは、moomoo SingaporeのCEOであるGavin Chiaが、SGXグループのシニアマネージングディレクター兼グローバル営業統括責任者であるPol de Winに対して、4万5千シンガポールドルの寄付金の目録を贈呈し、SGX Cares Bull Chargeへの支援を公式に表明した。集められた資金は、支援を必要とする子どもたち、障がい者、高齢者、およびその家族への支援に充てられる[20]。
- 女性個人投資家に関する国際調査
- moomooは、2024年の国際女性デーに合わせ、初の「女性個人投資家に関するグローバルレポート」を発表した[21]。このレポートは、シンガポール、北米、オーストラリアにおける女性投資家の主要な投資傾向を明らかにしている。調査によれば、これらの地域における女性投資家の半数以上が、資金不足、リスクへの不安、投資知識の不足といった課題に直面しながらも、今後さらに投資額を増やす意向を持っていることがわかった。こうした障壁を克服するために、moomooは無料の金融教育コースや、2500万人のグローバル投資家コミュニティへのアクセスなどの支援策を提供している。レポートではまた、ESG(環境・社会・ガバナンス)要素への関心が高まっていることも強調されており、オーストラリアの女性投資家の38.3%、シンガポール、香港、北米の女性投資家の70%以上が、投資戦略にESG要素を組み入れていることが示された。[22]
Moomoo Foundationの設立
- moomooは、金融リテラシーの向上、経済的平等の促進、フィンテックスタートアップにおける技術革新の支援を目的として「Moomoo Foundation」を設立した。初の取り組みとして、Moomoo Foundationはニューヨーク大学経済学会と連携し、2024年4月1日にNYUのLeslie e-Labで金融リテラシーイベント「Invest Your Financial Future with Moomoo」を開催した。イベントでは、Moomoo Technologies Inc.の戦略担当副社長であるJustin Zacksが「大学生のための株式取引入門」と題する講演を行い、大学生たちが自身の金融知識を高め、将来に向けた投資戦略を築くことの重要性について説いた[23]。
関係企業・パートナー企業・連帯企業
2025年5月現在、以下の企業が、Futu Holdings Limitedの間接的な完全子会社となっている兄弟会社である。Moomoo Financial Inc.(米)、Moomoo Financial Canada Inc.、Moomoo Securities Malaysia Sdn. Bhd.、Moomoo Securities Japan Co., Ltd.(moomoo証券)、Moomoo Securities Australia Ltd.、Moomoo Financial Singapore Pte. Ltd.、Futu Clearing Inc.、Futu Securities International (HK) LTD[17]、Moomoo Technologies Inc.[24]。Moomoo Technologies Inc.はニュージャージー州ジャージーシティに拠点を置く会社で、2025年現在、moomooアプリの運営を担っている[24]。
moomoo証券は金融商品取引法上の金融商品取引業協会の一つである日本証券業協会(JSDA - Japan Securities Dealers Association)に加盟している[25]。また、東洋経済新報社の会社四季報などをアプリで提供するほか[26]、パンローリングなどと協賛のイベントを開いている[27]。
外部リンク
脚注
- ^ a b c “テンセント出資の香港系証券、日本は最注力市場ー技術力で差別化図る”. Bloomberg.com (2024年5月8日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “Futu's New Paying Clients Surge 330% in Q1, Yet Profits Slip”. Finance magnate (2024年5月28日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ a b c “moomoo証券が日本市場へ本格参入。アプリを活用した独自の戦略とは?”. ZUU online (2024年5月8日). 2025年5月23日閲覧。
- ^ Special, 日経ビジネス電子版. “「moomoo」の真価 vol.1 TOP INTERVIEW - プロ投資家が活用する情報を個人投資家にも届けたい - 日経ビジネス電子版 Special”. special.nikkeibp.co.jp. 2025年5月22日閲覧。
- ^ “moomoo証券が挑む、日本の株式取引市場の変革 | moomoo証券”. 東洋経済オンライン (2024年5月13日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “米国株の情報収集術 優れものサイト&ツールを一挙紹介”. 日本経済新聞 (2025年3月2日). 2025年5月21日閲覧。
- ^ “常勝投資家がひそかに使う「投資ツール」 日本初上陸も”. 日本経済新聞 (2023年6月25日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “米国株、日本株、中国株、先物、指数、etc. あらゆる投資情報がリアルタイム&無料で見られるアプリが登場!”. ダイヤモンド・オンライン (2023年6月21日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “moomooアプリで勝てる投資家を目指せ! ①バフェットの売買情報を参考に銘柄探し!!”. ダイヤモンド・オンライン (2023年7月21日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “半導体に次ぐ有望銘柄をグローバルな視点で発掘 | moomoo証券”. 東洋経済オンライン (2024年10月11日). 2025年5月22日閲覧。
- ^ “投資アプリのmoomooが米大リーグ、NYメッツのスポンサーに!”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2025年4月4日). 2025年5月21日閲覧。
- ^ “日経CNBC開局25周年記念 (協賛:moomoo証券)世界経済を展望する、マーケット・経済サミット2024~米大統領選直前スペシャル、どうなる世界経済と株価!?米半導体の勢いは続くのか。池上彰がゲストと共に徹底分析~ | イベント”. 日経CNBC. 2025年5月21日閲覧。
- ^ a b “松重豊が投資トーク「僕の顔を見て思い浮かべるのは食べ物じゃないか」:中日スポーツ・東京中日スポーツ”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ (2024年11月27日). 2025年5月13日閲覧。
- ^ “【松重豊】投資への考え語る“自分のお金を自分で考えるフェーズになってきている” | TBS NEWS DIG (1ページ)”. TBS NEWS DIG (2024年5月7日). 2025年5月13日閲覧。
- ^ “FINRA imposes $750k fine on Moomoo Financial”. FX News Group (2024年11月27日). 2025年5月30日閲覧。
- ^ Sam Boughedda (2024年11月27日). “Moomoo Financial Hit With $750,000 Fine by FINRA”. LeapRate. 2025年5月30日閲覧。
- ^ a b “MOOMOO FINANCIAL INC.”. FINRA(英語版). 2025年5月24日閲覧。
- ^ “FINRA 对 Moomoo Financial 处以 75 万美元罚款”. 阿賈克斯財經 (2024年11月27日). 2025年5月30日閲覧。
- ^ “Futu Donates US$200,000 to Make-A-Wish Foundation to mark Futu's 10th Anniversary, moomoo SG to host visit to SuperPark for Singapore's Wish children - PR Newswire APAC” (英語). en.prnasia.com. 2025年5月21日閲覧。
- ^ “Moomoo Singaporeは、コミュニティに対するSGX Cares Bull Charge 2023で貢献しました。”. www.moomoo.com. 2025年5月13日閲覧。
- ^ “Moomoo Study Reveals Female Investors Embrace Investment Opportunities Amidst Three Key Challenges” (英語). www.moomoo.com. 2025年5月21日閲覧。
- ^ “Women investors want greater financial security but lack confidence to invest, says new survey” (英語). The Straits Times. (2023年3月25日). ISSN 0585-3923. https://www.straitstimes.com/business/moomoo-women-investors-seek-greater-financial-security-lack-confidence-to-invest 2025年5月21日閲覧。
- ^ moomoo. “Moomoo Announces the Moomoo Foundation Establishment, Hosts Financial Literacy Event with NYU's Economic Society” (英語). www.prnewswire.com. 2025年5月13日閲覧。
- ^ a b “Moomoo Launches US Options Paper Trading Challenge”. Global banking news. (2025年1月7日)
- ^ “会員名簿(東京地区) | 日本証券業協会”. www.jsda.or.jp. 2025年5月23日閲覧。
- ^ moomoo証券株式会社 (2024年3月27日). “moomoo証券「会社四季報」情報を無料で提供開始!”. PR TIMES. 2025年5月24日閲覧。
- ^ moomoo証券株式会社 (2024年3月27日). “【イベント開催報告】moomoo証券&パンローリング共催『moomoo投資家サミット』が盛況のうちに終了 ”. PR TIMES. 2023年6月26日閲覧。