Oracle Cloud
Oracle Cloud(オラクルクラウド)は、オラクルが提供するクラウドコンピューティングサービスであり、オラクルが管理するデータセンターのグローバルネットワークを通じて、サーバー、ストレージ、ネットワーク、アプリケーション、サービスを提供する。同社はこれらのサービスをインターネット経由でオンデマンドでプロビジョニングできるようにしている。 概要Oracle Cloudは、IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)、およびDaaS(Data as a Service)を提供する。これらのサービスは、クラウドでのアプリケーションの構築、デプロイ、統合、拡張に使用される。このプラットフォームは、多数のオープン標準(SQL、HTML5、RESTなど)、オープンソースアプリケーション(Kubernetes、Spark、Hadoop、Kafka、MySQL、Terraformなど)、およびオラクル固有のもの、オープンソース、サードパーティ製ソフトウェアやシステムを含む様々なプログラミング言語、データベース、ツール、フレームワークをサポートしている[1]。 2018年5月16日、オラクルはデータサイエンスプロジェクトとワークロードのための非公開クラウドワークスペースプラットフォームであるDataScience.comを買収したと発表した[2]。 2020年4月、オラクルはオンラインおよびビデオ会議プラットフォームであるZoomのクラウドインフラストラクチャプロバイダーとなった[3]。同月、日産は、自動車設計の構造的影響をシミュレートするために使用される高性能コンピューティング (HPC) ワークロードのOracle Cloudへの移行を発表した[4]。 2020年10月、Oracle Cloud VMware Solutionをリリース。他のVMwareソリューション(VMware Cloud on AWS、Azure VMware Solution、Google Cloud VMware Engine)と異なり、フルマネージドのサービスではない。VMware環境に対するパッチ適用などはユーザー自身が行うため、ユーザーはオンプレミスのVMware環境と同じタイミングを自身で選んでパッチ適用を行えるなど、自社の管理ポリシーをクラウドにも適用可能。また、管理ツールであるvCenterから操作可能な範囲にも制限なく、全ての操作がOracle Cloud VMware SolutionのVMware環境に対して実行可能。オンプレミスのVMware環境とできるだけ整合性や一貫性を保ちつつ統合的にクラウド上のVMware環境の運用管理を行っていきたいユーザーに適合したサービスである[5]。 2021年12月、ゼロックスはOracle Cloudとの提携を発表。ビジネスインキュベーター内でオラクルのクラウドコンピューティング機能を利用[6]。 情報漏洩疑惑2025年3月21日、ハッカー集団がOracle Cloudのデータ窃取を主張。Oracle側は否定した。その後、2025年3月中旬、FBIが捜査を開始。2025年3月31日、米国テキサス州西部地区連邦地方裁判所において、Oracleを被告とする集団訴訟が提訴される。ここでは、原告がOracleの初動対応を批判。2025年4月7日、OracleがOracle Cloudへの情報漏洩を再度否定[7]。2025年4月、ブルームバーグによると、Oracle Cloud Infrastructureにおける大規模なデータ漏洩を一部の顧客に対して非公開で通知していたことが報じられる[8]。 IaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)オラクルのクラウドインフラストラクチャは、2016年10月20日に「Oracle Bare Metal Cloud Services」という名称で一般提供(GA)が開始された[9]。Oracle Bare Metal Cloud Servicesは2018年にOracle Cloud Infrastructureにブランド変更され、Oracle OpenWorld 2018でオラクルの「第2世代クラウド」と称された[10]。Oracle Cloud Infrastructureの提供サービスには、以下のものが含まれる[1][11]。
SaaS(Software as a Service)オラクルは、Oracle Cloud Applications[16]としても知られるSaaSアプリケーションを提供している。これらのアプリケーションは、コンプライアンス基準に準拠するための様々なデプロイメントオプションを備えた、様々な製品、産業セクターにわたって提供されている。
DaaS (Data as a Service)Oracle ID Graphを活用してチャネルやデバイス全体の消費者データを集約し、クロスチャネルの消費者の特性を分析する[19]。 管理リージョンOracle Cloudは、2023年7月時点で、北米、南米、英国、欧州連合、中東、アフリカ、インド、オーストラリア、韓国、日本を含む44のリージョンで利用可能である[20]。また、パブリッククラウド(オラクル管理リージョン)、選ばれた政府機関向けの米国(FedRAMP HighおよびDISA SRG IL5準拠)および英国におけるガバメントクラウド、そしてオラクル管理のデータベース専用サービスまたはフルサービスの専用リージョンとしての「プライベートクラウド」または「ハイブリッドクラウド」[21][22]などがある。 アーキテクチャオラクルのパブリッククラウドおよびガバメントクラウドは、オラクル管理のバックボーンネットワークによって接続された、オラクル管理のデータセンターのグローバルネットワークを通じて提供される。オラクルのExadata Cloud at Customerは、コントロールプレーンサービスのためにこのネットワークを活用する[23]。オラクルは、データ主権を伴う災害耐性のために、通常各国に2つの地理的に分散したリージョンを持つ形でクラウドを展開している。各リージョン内には、少なくとも1つの障害独立したアベイラビリティドメインと、アベイラビリティドメインごとに3つのフォールトトレラントなフォルトドメインがある。各アベイラビリティドメインには、電力、熱、ネットワークが分離された独立したデータセンターが含まれている[24]。 出典
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