Rubyライセンス
Rubyライセンス(Ruby’s License[3]、License of Ruby[2][注釈 1])とは、プログラミング言語Rubyがその頒布物に適用するソフトウェアライセンスであり、オープンソースライセンスの一つである。その他関連するプロジェクトをはじめ、採用されているケースもある。 狭義のRubyライセンスRubyライセンスはライセンス条文と他ライセンスのいずれかを選択するデュアルライセンスの形態を取っている。他ライセンスの制約を思慮しない、Rubyライセンス本文のみを観点にしたものを狭義のRubyライセンスとして解釈する。狭義のRubyライセンスはArtistic Licenseをベースに、Ruby言語に適した制約に修正したライセンスである[4]。 広義のRubyライセンスRubyライセンスはGPLもしくはBSDLとのデュアルライセンスで用いられており、デュアルライセンスの制約を広義のRubyライセンスとして解釈する。Rubyコミュニティでは従来からRubyの処理系に許諾されたデュアルライセンスを「Rubyライセンス」(または「Rubyのライセンス」、"Ruby’s License")として解釈している。 GPLとのデュアルライセンスプログラミング言語Rubyの処理系はこのライセンスが適用されたもっとも有名なソフトウェアであるが、その処理系は本ライセンス単独で頒布が許諾されているのではない。これは、処理系の一部にGPLが適用されたコードを含んでいるからである[4]。これにより、曖昧さの問題から本ライセンス単独ではRubyの処理系が頒布できなくなるため、GPLv2("any later version"表明文なし)とのデュアルライセンスになっている。 BSDとのデュアルライセンスRubyの処理系がデュアルライセンスで許諾するGPLv2には前述の通り"any later version"表明文がない。これによりRubyの処理系にはGPLv3で許諾されたコードを組み合わせると頒布出来なくなる[注釈 2]。これに対処するため、Rubyの処理系はそのバージョン1.9.3よりGPLに代わって、2条項BSDライセンスとのデュアルライセンスに許諾が変更される[5]。Ruby開発者によると、Ruby処理系の許諾条件変更は次のような手続きをたどった。まず頒布時のライセンスをデュアルライセンスの内、狭義のRubyライセンスを選択し、続いて当ライセンス第2節・第(d)項に従い追加的許諾条項にBSDライセンスを加えた。[6] フリーソフトウェア財団の見解このライセンスに対するフリーソフトウェア財団(Free Software Foundation、略称FSF)のコメントは以下の通りである。
またこれと関連して、以前、ストールマンはまつもとに「(Ruby Licenseは)派生物に対し、Artistic License(バージョン1.x)と同様の『曖昧さの問題』(ambiguity problems)がある」との電子メールを送っている[7]。この見解が正しければ、Rubyライセンスは、(Clarified Artistic LicenseやArtistic License 2.0、といった自由ソフトウェアライセンスとはまた別のライセンスである)Artistic Licenseバージョン1.xと同じく、それ単独では自由ソフトウェアライセンスではない。 脚注注釈
出典
|
Portal di Ensiklopedia Dunia