T-12 100mm対戦車砲
T-12 100mm対戦車砲とはソビエト連邦の100mm対戦車砲である。この滑腔砲は、1960年代から80年代後半まで主に東側諸国の牽引式対戦車砲として使用された。GRAUインデックスは2A19(2А19) 経歴T-12対戦車砲は1961年に就役し[2]、BS-3 100mm野砲を代替した。これは装甲連隊、迫撃・小銃連隊の対戦車部隊に配備され、急速前進中の部隊に加えられる反撃に対し、側面防御を担当した。 1970年、この砲は量産されたT-12AまたはMT-12 "Rapira"によって代替された。これらは新しい滑腔砲身である100mm2A29砲を装備し、同じく再設計された砲架と、機銃掃射や砲弾の弾片から砲兵を防護する砲防盾を備えていた。再設計された砲架はより大きなホイールベースを備え、MT-12をMT-LBで牽引していくことができた。速度は路上60km/h、路外では25km/hに向上した。 2A29R "Ruta"、またはMT-12RとはRLPK-1レーダーを装備した型である。これは煙や霧などの環境下で、視界が悪い際に標的と交戦するための装備だった。1981年、この砲はレーザーを用いるビーム・ライディング誘導のミサイル、9M117(兵器システム名称は9K116)を発射することが可能になった。また新式の測距装置である2A29K "Kastet"またはMT-12Kを搭載した。 この兵器の後継として、125mm滑腔対戦車砲である2A45 スプルートBが計画された。近代的な西側戦車の前面防護能力は、最新鋭のAPFSDS弾を使い、至近距離であっても100mm戦車砲で貫通できる能力を超えていた。敵の弱点を突くために機動可能な戦車であればこの問題は軽減されるが、主に防御に使われるたぐいの兵器には深刻な問題だった。今日のT-12対戦車砲は、もっぱら普通の砲兵として榴弾射撃を担当している。 2017年、アルジェリア陸軍ではメルセデス・ベンツ・ゼトロストラックに搭載するタイプの、自国で開発した派生型を展示した。このシステムは、発砲の衝撃を吸収するために4基の安定用の脚を備えている[3]。 説明![]() この砲は6名の砲兵を必要とする。指揮官、牽引車の運転手、砲手、装填手、2名の弾薬手である。 牽引用にMT-LBを使う際には、普通は弾薬20発を携行する。(APFSDS10発、HE-Frag4発、HEAT6発。)この兵器は滑腔砲であるため、全ての弾薬は飛翔中の精度向上のためにフィンが付けられている。 標準装備として間接射撃に用いるパノラマ式のPG-1M照準器、そして直接射撃用にOP4M-40Uテレスコープが備えられている。夜間の直接照準にはAPN-5-40またはAPN-6-40が用いられた。 この砲は、沼沢地や雪原の縦走用にLO-7スキー・ギアが装着できる。 弾薬装甲貫通値は撃角90度、均質圧延装甲のものである。 APFSDS![]()
APFSDS
HEAT
HE-FRAG
誘導弾
→詳細は「9M117 (ミサイル)」を参照
ビーム・ライディング方式のレーザー誘導弾である。
採用国![]()
以前採用していた国
派生型ルーマニア
中華人民共和国
脚注
参考文献
外部リンク |
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