Z会
Z会(ゼットかい、Z-KAI)は、株式会社増進会ホールディングス(ぞうしんかいホールディングス、英: Zoshinkai Holdings Inc.)を持株会社とするZ会グループが提供する教育事業の名称、ならびに同社の完全子会社で事業会社である株式会社Z会(英: Z-kai Inc.)をさす[3]。 運営会社かつては、株式会社増進会出版社が、「増進会」(愛称・Z会)の名称で通信教育事業等を行っていた。株式会社増進会出版社が通信教育事業を行い、関連会社の株式会社Z会対面教育が教室での教育事業を、株式会社Z会出版が出版事業を行っていた。 2006年2月1日に、事業を再編して持株会社体制へ移行。子会社であった株式会社Z会出版に、増進会出版社の事業を移管し、同時に株式会社Z会対面教育と合併させて、事業会社とし、株式会社Z会に商号(社名)変更した。これにより、株式会社増進会出版社は持株会社となった。2018年4月1日に、株式会社増進会出版社は株式会社増進会ホールディングスに社名変更した。 現在は、教育関連事業の各社との資本提携、業務提携を積極的に行っている。 Z会概要通信教育の対象は幼児・小学生・中学生・高校生・大学生・社会人向けと幅広い。東大・京大などの難関大学の合格者が多く、2007年度入試では東大合格者は50.1%、京大合格者は42.3%がZ会利用者である(Z会発表)。ただし、現役生だけではなく浪人生も含まれる。 大学受験科は、月2回の添削問題を提出し、添削済答案の間違った部分の指導内容と「解答・解説編」(旧「増進会旬報」)に目を通して理解していくのが基本的な学習スタイルとなる。通信添削などの問題のかつてのレベルは非常に高く、考えさせることに重点をおいているために、ある程度の学力や意思が無い限り続けることが困難であった。2019年現在はできる限りレヴェルやコースを割って対応している。 2019年度より、学校法人駿河台学園と業務提携し、「第1回東大入試実戦模試」「第1回京大入試実戦模試」を共催している。 また、学習参考書や資格試験の教材を出版している他、1990年代に入ると添削受講者数の減少と時代のニーズに対応し、学習塾・予備校の分野に進出。学習塾として首都圏と関西圏に「Z会進学教室」、学研と共同で全国各地にフランチャイズ方式の学習塾学研教室のメニューとして組み入れ(学研教室Z会コース)のほか、大学受験予備校として東京・横浜に「Z会東大進学教室」、京都・大阪・神戸などに「Z会京大進学教室」、渋谷・本郷三丁目に東大・医大志望者向けの完全個別指導塾(中高一貫校中学生・高校生・大学受験生)「Z会東大個別指導教室プレアデス」を開校している。なお、最初に対面教育の拠点を置いたのは1985年だが、同時期より「Z会」を無断で称する団体による勧誘が相次いだことから、1980年代後半には「当面渋谷以外で教室を開く予定はありません」(1987年の案内書)などと注意を呼びかけていた。 1980年代には、アチーブメントテスト(いわゆる業者テスト)を請け負っていた事でも知られる。 「Z会」、「増進会」は株式会社増進会出版社の登録商標(第1508704号、第1508705号ほか)である。1982年に初めて商標登録された。 沿革
マーケティング戦略まだ大学進学者が少なかった昭和期は、片手に「熟語本位英和中辞典」(斎藤秀三郎著、岩波書店刊)、もう片手にZ会というのが定番の英語の勉強法であり、これで語学の世界に飛び込んだ者が多くいた[11]。 1990年代の平成期からは全国の公立進学校あるいは私学中高一貫校の児童を持つ家庭に片っ端からDMを送付し、一科目からでも受講できると謳ったため入会者数が増え始めた。一科目だけなら4000円を切ったため、富裕層でなくても受講できた。1993年からはセンター試験コース(英語・数学・国語の三科目独立型だった)が開設されたため、さらに受講者数が増えた。1990年代までの解説集は「増進会旬報」で、全教科の回答を一冊にまとめて郵送[12]されていた(これは氷河期世代に課せられる受験科目が多かったことに起因している)が、現在このシステムはもうない。 2000年代に入ると、大々的にテレビCMを展開するようになった。CMには野球選手イチローやサッカー選手小野伸二も起用した。2000年代後半には4パターンの対象部門別CMを15秒の尺で制作するようになり、現在提供しているテレビ番組では「幼児向け+小学生向け」「中学生向け+高校生向け」の2パターンによる週替わりで放送している。2000年には辞書を出していたこともあった[13]。 漫画『ドラゴン桜』の原作者三田紀房をZ会主催の講演会に招くなどのコラボレーションも実施。受験生にアピールするために様々な方法を展開している。 2014年にはアニメーション監督新海誠らによるCM作品「クロスロード」を制作した。 2020年代現在の価格設定は、1教科(あるいは1セット)3500円から5980円の間である。タブレットコースを選択すれば、かつての1990年代のように1教科4000円をきる。 添削指導郵便やメールなどを利用した通信教育システムである。同じような通信教育システムとして、「進研ゼミ」などが大手として存在する。自宅宛に教材が郵送されてくるので、その問題を解き、付属している返信用封筒に入れるか、解いた問題を撮影し、メールなどデータで返送する(「テキストコース」で学習するか「タブレットコース」で学習するかによって異なる)。 返送された解答用紙を、同社の添削担当者が採点。間違いに対するアドバイスを赤色のペンで記入(添削指導)して、受講生に返送する(タブレットコースの場合、回答をデータで送るため、添削もデータ上で行われる)。 かつては中学生で高校講座を取るなどして、受講生自らが先取り教育を選択することが可能だった。中学生の高校講座成績上位者も多くいた。2022年度からはオープンカリキュラムのために、誰でもいつでも先取りができるようになった。 出版物通信教育のみでなく、一般書店・ネット書店販売用にも数多くの参考書・問題集等を出版している。ただし、全盛期より刊行点数は減った。以下は代表的な書物。教育関連書以外の出版物は少ないが、沼津市に縁のある若山牧水の全集を刊行したことがある。
テレビCM
参考文献
脚注
関連項目外部リンク
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