オオイカリナマコ
![]() オオイカリナマコ(大錨海鼠、Synapta maculata)は、ナマコの1種である。身体を伸ばした際は3 mにも達し、特に大きなナマコの種の1つとされる。珊瑚礁の浅い海底などで、長く伸びて這っている姿が見られる。 特徴体は円筒形で非常に細長い[1]。生きている時は、身体を伸ばした際には3 mにも達する。一方で、体幅は5 cm程度と、細長い。体側面には管足が無く、前端に触手を有する。触手は15本で、それぞれに羽状の20-30本の側枝が見られる。体壁は薄くて柔らかく、半透明で粘稠状である。生きている時は、収縮すると体表に様々な大きさの疣状の突起を生じるが、標本では全て消える。体色は褐色、帯緑褐色、暗緑色、暗青灰色など様々な変異が見られ、一般的にはそれらのうちの2-3色が交互に5本、縦列を成していて、これに濃淡様々な暗色の斑紋と黒い斑紋が交互に交わっている。 骨片皮膚に存在する骨片は大きく分けて2種類が見られる。1つは、Tの字の横棒の両端が下向きに尖った錨状で、反対の先端も小さくT字状をしており、細かな棘が存在し、種名はこれに由来する。もう1つは、錨状板と呼ばれ、丸みを帯びた縦長の長方形をしており、中央付近には6-8の大きな穴が、両端付近には小さな穴が多数見られる。なお、ナマコの骨片は顕微鏡サイズなのが通例だが、本種の場合は長さが1 mm程度に達するため、視力が良ければ肉眼でも見られる[2]。また、手で触れると引っかかり、粘り着くように感じる[3]。場合によっては、手に刺さる[4]。 生態珊瑚礁の底質が砂の場所、例えば、珊瑚礁内側の礁湖や礁原などに棲息する。動きは緩慢で、胴体部はあまり動かない。触手だけは絶えず動かしている[5]。触手を伸ばし、砂を集めて口に運んで、砂に含まれている有機物を、砂と一緒に食べる[6]。 分布日本では与論島以南の南西諸島に見られる[7]。また、徳之島にも生息が確認されている。 体長についてこのナマコはナマコ類では長さにおいて最大の種とされる。普通の個体で長さ3 m程度であるが、最大では4.5 mの記録が存在する。ただし、これは水を吸って膨らんだ時の長さである。指で触れるなどの刺激を受けると、すぐに水を吐き出して縮んでしまい、30 cm程度にまで縮んでしまう。なお、別属であるがクレナイオオイカリナマコ Opheodesoma sp. にも4.5 mの記録が存在し、やはりナマコで最大とされる[8]。 なお、その大きさも相まって、かなり不気味な生き物である。岡田・瀧他(1950)には『性鈍重で蛇のような醜怪感を与える』とある[9]。
出典
参考文献
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