カールスルーエ市電T4形電車
T4形は、かつてドイツの路面電車であるカールスルーエ市電で使用されていた電車(動力車)。初のボギー車として、付随車であるB4形と共に営業運転に用いられた[1][2][3][4]。 概要1950年代初頭、カールスルーエ市電に在籍していた営業用車両のほとんどは1920 - 1930年代に製造された小型の2軸車であり、それ以降に製造されたのは1940年代に導入された少数の戦時型車両(クリークスシュトラーセンバーンワーゲン)のみであった。これらの状況を改善し、輸送力増強に加え老朽化が進んだ車両を置き換えるため、初のボギー車として導入されたのがT4形およびB4形である[1][2][3][4][5]。 ループ線が存在する路線での走行を前提にした片運転台・片方向型の車体を有しており、全長は約14.5 m、車幅は約2.2 mで、1両単位の収容力は従来の2軸車の2倍となった。速度の制御には電気機器の製造を担当したブラウン・ボベリが開発した多段式抵抗器が採用され、力行96段、制動118段という多い段数により加速・減速が滑らかとなり、それにちなんだ「ファインステッパー(Feinstufer)」と言う愛称も付けられた[1][2][4][5]。 1954年に動力車のT4形が7両、付随車のB4形が2両導入され、翌1955年から1956年にはT4形が8両増備された。これらの車両はT4形による単行運転、T4形+B4形による連結運転の他、従来の2軸付随車とT4形を組み合わせた運転も実施された。だが1970年代になると連接車の増備により運用が縮小し、B4形は1978年までに、T4形は1981年までに営業運転を終了した。その後は一部の車両がカールスルーエ市電の車庫で保存されたが1994年に車庫の拡張に伴い解体されており、2022年時点で現存車両は存在しない。ただし廃車されたT4形の機器の一部については新造された連接車に流用されている[1][2][3][4][5]。 脚注注釈出典
参考資料
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