猪子石(いのこいし、いのこし)は、愛知県名古屋市名東区および千種区の町名。現行行政地名は、名東区猪子石一丁目から猪子石三丁目と猪高町大字猪子石および千種区猪高町大字猪子石。猪高町大字猪子石には、現在19の小字が設置されている[WEB 7]。
地理
猪子石一丁目から三丁目は名古屋市名東区北部に位置し、西は山の手三丁目、東は猪高町大字猪子石、南は文教台一丁目・猪高台一丁目、北は香流三丁目・香南一丁目および二丁目に接する。
名東区猪高町大字猪子石は字鱣廻間が明徳公園の西半分(東半分は猪高町大字藤森)に残るほか、香流川沿いの僅かな区画にも残存する[WEB 7]。千種区猪高町大字猪子石は出来町通の南側、千代田橋と汁谷町に挟まれた区域に残存している[WEB 7]。
字一覧
猪高町大字猪子石における旧字の位置関係
猪高町大字猪子石とその前身である愛知郡猪子石村の小字は以下の通り[WEB 7]。以下の表において、
- 消滅した字については背景色 で示す。
- 現存する小字のうち名東区に所在するものには★を、千種区に存在するものには■を付した。
- 括弧内には読みを示す。
字 |
字
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赤坂(あかさか) |
赤松(あかまつ)
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油田(あぶらだ)★[注釈 1] |
猪尻(いのじり)★[注釈 2]
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鱣廻間(うなぎばさま)★ |
打越(うちこし)
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姥ヶ谷(うばがたに) |
榎ノ木(えのき)
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延珠(えんじゅ)★ |
大畑田(おおはただ)
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大林(おおばやし) |
梶田(かじた)
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化者業(かしゃご) |
香流(かなれ)★
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上垣外(かみがいと)★ |
上菅廻間(かみすげはざま)[注釈 3]
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上竹越(かみたけこし) |
上道池(かみどうち)
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神ノ木(かみのき)★ |
上八反田(かみはったんだ)★
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亀鳥(かめどり) |
北久留里(きたくるり)
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北比良 (きたひら) |
京命(きょうめい)
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九合田 (くごうた)★ |
交換(こうかん)
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小坂(こさか) |
地アミ(じあみ)[注釈 4]
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猪々道(ししみち)■ |
下菅廻間(しもすげはざま)[注釈 5]
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下竹越(しもたけこし) |
下田(しもだ)
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下坪(しものつぼ)★[注釈 6] |
下道池(しもどうち)
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下八反田(しもはったんだ)★ |
社口(しゃぐち)[注釈 7]
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新屋敷(しんやしき) |
高根(たかね)
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竹越(たけこし) |
土久尻(つちくじり)★
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栂廻間(とばさま) |
中島(なかじま)★
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名流(ななれ) |
濁池(にごりいけ)
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西洞(にしぼら)[注釈 8] |
西山(にしやま)
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如来道(にょらいどう)★ |
野田(のだ)
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八前(はちまえ) |
八幡(はちまん)
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東浦(ひがしうら) |
東島(ひがしじま)
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引山(ひきやま)★ |
広田(ひろた)★
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深場(ふかば) |
福寿洞(ふくじゅぼら)[注釈 9]
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前山(まえやま) |
丸根(まるね)
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水汲坂(みずくみざか)★ |
南久留里(みなみくるり)
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宮根(みやね) |
八畝町(やせまち)
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山ノ田(やまのた) |
山ノ手(やまのて)
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山之端(やまのはし)■ |
蓬来洞(よもぎほら)
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歴史
町名の由来
江戸期の春日井郡猪子石村を前身とする。当地域内の神社にある石の名前に由来するとされる。石の名前の由来は、「猪の形に似ていることから付いた」とされている。現在では、香流川の北にある猪子石神社に牡石(おすいし)が、南にある大石神社に牝石(めすいし)がある。牝石は安産の神として敬われているが、牡石に触るとたたりがあるといわれている。
近世以降は春日井郡所属となっていたが、16世紀前半まで山田郡に属していた。「猪子石」という地名は南北朝時代には既に成立していたらしく、1365年(貞治4年)付『足利義詮御教書』に「尾張国山田庄...猪子石郷...長母寺」とある。戦国期の史料には「猪子石」「猪腰」「いのこし」「いのこうし」などと書かれたものが散見される。
行政区画の変遷
猪高町大字猪子石
猪子石
- 1986年(昭和61年)5月3日 - 名東区猪高町大字猪子石の一部より、同区猪子石一〜三丁目が成立。
世帯数と人口
2019年(平成31年)4月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[WEB 2]。
猪子石
丁目 |
世帯数 |
人口
|
猪子石一丁目
|
657世帯
|
1,464人
|
猪子石二丁目
|
542世帯
|
1,149人
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猪子石三丁目
|
378世帯
|
985人
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計
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1,577世帯
|
3,598人
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猪高町大字猪子石
区 |
町丁 |
世帯数 |
人口
|
千種区
|
猪高町大字猪子石
|
97世帯
|
174人
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名東区
|
猪高町大字猪子石
|
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人口の変遷
猪子石
国勢調査による人口の推移。
世帯数の変遷
猪子石
国勢調査による世帯数の推移。
学区
市立小・中学校に通う場合、学校等は以下の通りとなる[WEB 13]。また、公立高等学校に通う場合の学区は以下の通りとなる[WEB 14]。
猪子石
猪高町大字猪子石
施設

300 m
5
4
3
2
1
猪子石一丁目
猪子石二丁目
交通
備考
地名の読みについては、官公庁では現在「いのこいし」としているが、地元住民の多くは「いのこし」と読む。また、古くに名称の定められた施設(バス停留所など)では、現在も後者の読み方である(「猪子石小学校」バス停や「猪子石中学」バス停は、校名の読みにならって前者の読み方)。
津本陽著の小説「下天は夢か」で、「織田信長が、(この場所に)今川義元への備えに兵を置いた」などと書かれている。
この地名がつく学校は、既述のように猪子石小学校や猪子石中学校(千種区千代が丘所在)があるが、前者の小学校の学区住民が公立の中学校に通う場合は猪高中学校が指定され(地図)、後者の中学校の対象は蓬来(よもぎ)学区と平和が丘学区の全域と宮根学区の一部地域の各住民(地図)である。
その他
日本郵便
集配担当する郵便局は以下の通りである[WEB 19]。
脚注
WEB
文献
注釈
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「あぶらでん」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「いのしり」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「かみすげばさま」としている。
- ^ 『日本 町字マスターデータセット』では読みを「ちあみ」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「しもすげばさま」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「しもつぼ」としている。
- ^ 『日本 町字マスターデータセット』では読みを「やしろぐち」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「にしほら」としている。
- ^ 『名東区制20周年記念誌』では読みを「ふくじゅほら」としている。
参考文献
関連項目
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、猪子石に関するカテゴリがあります。
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あ行 | |
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か行 | |
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さ行 | |
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た行 | |
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な行 | |
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は行 | |
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ま行 | |
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や行 | |
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ら・わ行 | |
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註 | |
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旧町名 | |
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あ行 | |
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さ行 | |
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た行 | |
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わ行 | |
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註 |
- ☆ - 住居表示実施地区 / (☆) - 住居表示一部実施地区 / ★ - 道路・河川・鉄道等用地のみ / ■ - ウィキメディア・コモンズカテゴリ有
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