立方メートル
立方メートル(りっぽうメートル、cubic metre)は、計量法、国際単位系(SI)における一貫性のある体積の単位である。1 立方メートルは、 辺の長さが 1 メートル(m)の立方体の体積である[1]。 名称国際的な英語表記は「cubic metre」である。meterとはしない。 →詳細は「メートル#英語表記」を参照
日本ではメートルを「米」と書くことから、立方米とも書く。平米(m2、へいべい、へーべー)と同じように、立米(m3、りゅうべい、りゅーべー)あるいはリューベと表記されることもあり、ガスボンベの容積やそこに充填する気体の体積をはじめ、土木・建築・水道・機械の分野などで使用される[2][3]。貿易・物流用語ではCBM、m3とも記載される。 かつては同じ量のステール(フランス語: stère)を使うこともあった。 日本の計量法では、立方米、立米、りゅうべい、りゅーべー、りゅーべ・リューベ、ステールは、いずれも取引や証明には使用することはできない。 単位記号立方メートルの単位記号は、「m3」である[4]。大文字による「M3」を用いることはできない(大文字のMはSI接頭語のメガである)。上付き文字の 3 が使えない場合には、「m3」と書かれることがあり, JIS X0124に規定されている。 換算1 立方メートルは、以下と等しい。
分量・倍量単位
立方メートルの倍数単位の接頭辞は、「立方メートル」全体ではなく「メートル」に対してつけられるものである。例えば cm3 の演算優先順位は c(m3) ではなく (cm)3 であり、1 辺が 1 cm の立方体の体積、すなわち m3 の 10−6 倍(100万分の1)である。
Mm3 以上の単位は、あまり使われていない。 水の単位体積当たり質量との関係メートル条約が1875年に成立したときには、1000 cm3の水の質量を、1 kgと定義していた。したがって、体積 1 m3 の水の質量は正確に 1000 kgであった。しかし1889年、キログラムがキログラム原器で再定義されたため、わずかに値が変わった。 現在では、体積 1 m3 の水の質量は、3.984 °C、標準大気圧下で 999.97495 kg である(水の性質#密度)。つまり、1000 kg (= 1 t)に、25.05 g だけ足りない。 メートル法の非SI単位リットルリットルは、非SI単位であることに注意。ただし、SI併用単位となっている。 →詳細は「リットル」を参照
1964年以降、1000 L と 1 m3 は等しいが、かつては異なっていた。 1889年にキログラムの定義が変更され、温度3.984 °C、標準大気圧での水の密度は 0.999972 g/cm3 になった。しかし1901年、リットルはキログラムと水を使って定義されたため、1000 L = 1/0.999972 m3 ≒ 1.000028 m3 になった。1950年にはキログラムと水による定義は廃止されたが値はほぼ保たれ、正確に 1000 L = 1.000028 m3 となった。このずれは1964年の第12回国際度量衡総会(CGPM)でリットルが 1 dm3 と再定義されるまで続いた。 ステール
かつて薪の計量用に、1立方メートルに等しいステールが使われた。1793年にフランスで制定されたメートル法で初めて導入された。それまで、薪の計量にはコルド(フランス語: corde)、あるいはそれに相当する各国の単位が使われており、その置き換えとして作られたものである。フランスでは1コルド = 112立方ピエ(pied、フランスフィート)≒ 3.839 m3(st)だった。 ステールの記号は当初は「s」であったが、1948年のCGPMで定められた秒の記号「s」と衝突するので、そのときに「st」に変更された[5]。 1978年、国際度量衡委員会(CIPM)は、体積の単位には立方メートルを使うこととし、ステールを非推奨の単位とした(これに対しリットルはSI併用単位となった)。アメリカ合衆国では1982年にステールの使用が禁止された。現在でもフランスでは使うことがある。日本の計量法では、非法定計量単位であり、取引・証明における使用が禁止されている。 ガスの容積ガスの工学的な物理量として標準状態における体積を表すため、頭に N を付加し、 Nm3 と表記する慣例がある。基準の温度を0 °C(273.15 K)、標準圧力を 101 325 Pa とした(NTP)場合における体積である。 符号位置
Unicodeには、立方メートルとその分量・倍量単位を表す上記の文字が収録されている。これらはCJK互換用文字であり、既存の文字コードに対する後方互換性のために収録されているものであるので、使用は推奨されない[6][7]。 脚注
関連項目外部リンク
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