アジアパラ競技大会(英語: Asian Para Games)は、アジアパラリンピック委員会が主催する、アジア地域における障害者スポーツの総合競技大会。
開催周期は4年。冬季オリンピック・パラリンピックと同じ年に開催される。また、アジア競技大会と同じ年に同じ場所で開催されるのが慣例。
前身となるフェスピックが第9回まで行われ、2010年からアジアパラ競技大会に引き継がれた。2010年、広州大会が初めて開催され、第2回大会は2014年に韓国の仁川で実施された。陸上競技や水泳、卓球で知的障害者の種目も採用されている。
ユース大会としてアジアユースパラゲームズがある。
歴史
アジアパラ競技大会の前身となるフェスピックは1975年に大分で第1回大会が開催され、その後2006年までに8回開催された[2]。
1990年代後半からの国際パラリンピック委員会における地域委員会創設の流れの中で、2001年にオセアニア地域、2002年にアジア地域をそれぞれ管轄する評議会が設立されたため、アジア地域の障害者スポーツの統括団体を一本化する提案がなされ、2006年、フェスピック連盟はアジアパラリンピック評議会と合併、アジアパラリンピック委員会と改称した。 これによってフェスピックは、史上最大規模で開催されたクアラルンプール大会が最後の大会となり、アジアパラ競技大会にその歴史が引き継がれることとなった。 そして2010年に第1回アジアパラ競技大会が中国の広州で開催された[3]。
大会一覧
実施競技一覧
2010年から2022年まで、27の競技が実施された。
国別メダル獲得数
アーチェリー (2010-2022)
陸上競技 (2010–2022)
出典:[9][10]
自転車競技 (2010–2022)
出典:[11][12][13]
射撃 (2010–2022)
出典:[14][15][13]
競泳 (2010–2022)
出典:[16][17][13][18]
カヌー (2022)
ローイング (2010–2022)
出典:[19][20]
セーリング (2014)
フェンシング (2010–2022)
出典:[21][20]
柔道 (2010–2022)
テコンドー (2022)
車いすバスケットボール (2010–2022)
ブラインドサッカー (2010–2022)
CPサッカー (2010–2014)
ゴールボール (2010–2022)
車いすラグビー (2014)
シッティングバレーボール (2010–2022)
バドミントン (2010–2022)
車いすテニス (2010–2022)
卓球 (2010–2022)
ボッチャ (2010–2022)
出典:[22]
ボウリング (2010–2018)
ローンボウルズ (2014–2022)
出典:[23][24][13]
チェス (2018–2022)
出典:[25]
パワーリフティング (2010–2022)
車いすダンス (2014)
全種目合計
これまでの大会に参加した45の国のうち、39か国が同大会で少なくとも1枚のメダルを獲得しており、アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、カンボジア、モルディブ、タジキスタンの6か国はまだ1枚もメダルを獲得していない。32か国が少なくとも1枚の金メダルを獲得し、中国は史上唯一総合優勝を果たした国となった。
マスコット
アジアパラ競技大会のマスコットは通常、開催国の有名な動物や人物に由来し、毎回、アジアパラ競技大会には独自のマスコットが作成される。最初のマスコットは2010年アジアパラ競技大会の「ファンファン」。
年
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開催地域
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マスコット名
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モチーフ
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概要
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出典
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2010
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広州市
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芬芬 (ファンファン)
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キワタ
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キワタの花は、アスリートとアジアパラ運動の強さ、喜び、活力を表している。
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[26]
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2014
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仁川広域市
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저노피 (ジョノピ) & 드노피 (ドノピ)
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クロツラヘラサギ
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雌雄一組で構成されたマスコットは力強く飛び上がる鮒鳥の姿と参加選手の非凡さと念願を込めて青い空を意味する「ジョノピ」と勝利の叫び声を意味する「ドノピ」と名付けられた。雌の「ジャーノピ」は遠くまで飛べる能力を持っており、全世界の人と友情を交わし、大会の知らせを知らせ、雄の「ドノピ」は参加選手たちの勇気と気概を奮い立たせ、全世界の人々に希望のメッセージを伝える役割をする。
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[27]
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2018
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ジャカルタ
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モモ
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シロガシラトビ(英語版)
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モモという名前は、モチベーションとモビリティの略。マスコットはサロン付きのベタワインベルトを着用し、ジャカルタの街と強さを表している。
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2022
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杭州市
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飛飛 (フェイフェイ)
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神鳥
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1つ目の「飛」は飛躍を意味し、社会の包容、尊敬、友愛を指す。2つ目の「飛」は自分の夢を追いかける障害のあるアスリートの不屈の精神を表している。マスコットの顔にある印は「i」の文字に似ており、これは中国のインターネットにとって重要なハブである杭州の「intelligent city(インテリジェントシティー)」に言及するものである。45の点から成る胸のリングは、アジアパラリンピック委員会の全加盟国・地域の喜びあふれる集まりを象徴している。
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2026
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名古屋市
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ウズミン
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鯱
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モノづくり王国・愛知を支える「水」が愛知・名古屋の守り神であるシャチホコとひとつになって生まれた。
ウズミンという名前は、「水」から発想を広げて「渦」と「泉」という言葉を基にしている。ここには、パラアスリートたちの熱い想いが「渦」となって愛知・名古屋に集まり、そこで生まれた感動が「泉」のように 湧き上がって、アジア中に広がっていく大会となってほしいという願いが込められている。
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脚注
注釈
- ^ 斜体で表記された氏名および役職は、開会式において国家元首ではなかった開会式出席者を表している。役職の一部が斜体で表記されている場合、斜体でない部分は代表される国家元首の役職および氏名である。
- ^ 胡錦濤党総書記(国家主席)を代表して。
- ^ 朴槿恵大統領を代表して。
- ^ 習近平党総書記(国家主席)を代表して。
- ^ a b 新型コロナウイルス感染拡大により当初の開催予定年から1年延期
出典
関連項目
外部リンク