アバーガヴェニー侯爵
アバーガヴェニー侯爵(英: Marquess of Abergavenny)は、連合王国貴族の侯爵位。 中世以来の貴族ネヴィル家の一門である17代バーガヴェニー男爵ジョージ・ネヴィルが1784年に叙されたグレートブリテン貴族アバーガヴェニー伯爵位を前身とし、5代アバーガヴェニー伯ウィリアム・ネヴィルが1876年に叙されたのに始まる爵位である。 歴史![]() イングランド北部の有力貴族ネヴィル家の当主である初代ウェストモーランド伯爵ラルフ・ネヴィル(1364–1425)の七男エドワード・ネヴィル(–1476)は、第3代バーガヴェニー女男爵エリザベス・ド・ビーチャム(1415–1448)と結婚したことで1450年9月5日の議会招集令状でバーガヴェニー男爵(もしくはアバーガヴェニー男爵)(Baron Bergavenny or Baron Abergavenny)として議会に召集された[2]。 この召集はエリザベスに由来する妻の権利と考えられてきたが、現代の理論ではエドワードが新規に叙された物とされている。下って6代バーガヴェニー男爵ヘンリー・ネヴィル(–1587)が男子なく死去した際、貴族院はバーガヴェニー男爵位が1つの爵位であり、男系男子に限定される爵位と誤認し、娘メアリー・フェイン(1554–1626)ではなく、従兄弟エドワード・ネヴィル(1526頃–1588)に7代男爵位の継承を認めた。現代の理論ではこれは同じ名前の新爵位が創設された物と解されている(デ・ジュリとデ・ファクト)。この後もこの爵位は男子なく女子のみある場合に別の男系に移っているが、その都度同様に考える(錯誤により創設された男爵)。 デ・ファクトで17代のバーガヴェニー男爵(デ・ジュリで2代男爵)であるジョージ・ネヴィル(1727–1785)は、1784年5月17日の勅許状でグレートブリテン貴族アバーガヴェニー伯爵(Earl of Abergavenny)とケント州におけるビアリングのネヴィル子爵(Viscount Nevill, of Birling in the County of Kent)に叙せられた[3][4]。 下って5代アバーガヴェニー伯爵ウィリアム・ネヴィル(1826–1915)は、1876年1月14日の勅許状で連合王国貴族アバーガヴェニー侯爵(Marquess of Abergavenny)とルイス伯爵(Earl of Lewes)に叙せられた[5][6]。 5代侯爵ジョン・ネヴィル(1914–2000)が生存している男子なく死去した際、6代アバーガヴェニー侯爵位を継承した甥のクリストファー・ネヴィル(1955-)はバーガヴェニー男爵位を要求せず、結果バーガヴェニー男爵位は彼の娘3人の間で停止(abeyance)したものとして扱われ、クリストファーには受け継がれなかった[6]。 2016年現在のアバーガヴェニー侯爵もこの6代侯爵クリストファー・ネヴィルである[6][7]。しかし2016年現在のところ6代侯に生存している男子はなく、彼以外にアバーガヴェニー侯爵位を継承できる資格者もいない。したがって彼がこのまま男子なく死去した場合にはアバーガヴェニー侯爵位とルイス伯爵位は廃絶することになる。一方アバーガヴェニー伯爵位とネヴィル子爵位は4代伯からの分流であるデイヴィッド・ネヴィル(1941-)が推定相続人となっている[6]。 現当主の全保有爵位現当主クリストファー・ネヴィルは以下の爵位を保有している[7][6]。
歴代当主一覧アバーガヴェニー伯 (1784年)
アバーガヴェニー侯 (1876年)
家系図アバーガヴェニー伯爵・侯爵ネヴィル家系図
脚注注釈出典
関連項目 |
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