ウクライナ軍
ウクライナ軍(ウクライナぐん、ウクライナ語: Збройні сили України [ЗСУ]; Zbroini syly Ukrainy [ZSU])は、ウクライナの軍隊。 概要ソ連軍のキエフ軍管区、オデッサ軍管区、沿カルパチア軍管区、黒海艦隊等の部隊を継承した。正規軍の総兵力は推定20万9000人(2022年1月時点報道)で、ウクライナ紛争[9]とそれに続く2022年2月からのロシアによるウクライナ侵攻で実戦経験を持つ[10]。ロシアによる侵攻を受けてウクライナは総動員令を発して男性を徴兵しており、英国際戦略研究所『ミリタリー・バランス』などによると予備役を含めた総兵力は100万人を超え、うち約35万人が現役で軍務に就いているが、苦戦や兵器・補給の不足により脱走も相次いでいる[11]。 最高司令官はウクライナ大統領であり、軍組織のトップはウクライナ軍総司令官(2020年にウクライナ軍参謀総長から総司令官としての職務を分離して新設)が務める[12]。 12月6日が「ウクライナ軍記念日」に定められている[13]。 慢性的に装備品調達をめぐる汚職が行われているとされ、ロシアによるウクライナ侵攻の最中においても、欧州委員会などからの指摘を受けて特別監査が行われる[14]。 ロシアの侵略以降、ドローン生産及び活用の技術を大幅に上げており、実戦経験の面からも同軍のドローン部隊は世界最強と評価されている[15]。 組織![]() ![]() ![]() 軍種ウクライナ軍は、陸軍、海軍、空軍、空中機動軍、特殊作戦軍、海兵隊、無人システムの7軍種から成る。
独立当初にはウクライナ防空軍が存在したが、2004年に空軍に編入され消滅した。 統制機構主要基地所在地
2022年ロシアのウクライナ侵攻2022年ロシアのウクライナ侵攻に対しては、後述の準軍事組織が正規軍と連携して抗戦しているほか、ロシアへのサイバー攻撃を担うIT部隊[10]、外国人の義勇兵からなるウクライナ領土防衛部隊外国人軍団を編成した。また被占領地ではパルチザン活動が行なわれている[17]。 このほか、ウクライナ側で参戦しているロシア人もいる(「自由ロシア軍団」「ロシア義勇軍団」参照)。 軍事力で圧倒するロシアに対し、ドローンを使った攻撃で成果を上げており、ロシア軍に与えた損害の8割がドローンによるものとされている。2025年6月には、117機のAI搭載ドローンでロシア国内の4カ所の軍用飛行場を同時に攻撃した。ロシアが保有する戦略爆撃機の3分の1が失われ、損害額は約1兆円との推計がある。一方、攻撃に要したドローンの製造費用は2億円程度とされる[15]。 階級→詳細は「ウクライナ軍の階級」を参照
ウクライナ軍の階級には、陸軍式と海軍式の2種類が存在する。海軍式階級は海上部隊勤務者のみが使用し、陸軍式階級はその他全ての軍種が使用する。なお2020年にNATOランクでOF-10(元帥級)に該当するウクライナ上級大将(Генерал армії України)が廃止され、OF-9(大将級)に該当する菱形4つ星の階級章を持つ大将(Генерал-полковник、しばしば准将と訳される)は直列4つ星の階級章を持つ大将(Генерал)に改められた。ただしオレクサンドル・シルスキーのように上級大将が廃止される前に昇任していた者については継続して上級大将の階級章を着用する[18]。 陸軍式階級陸軍式階級 (Армійські звання) の一覧。 海軍式階級海軍式階級 (Корабельні звання) の一覧。
準軍事組織ウクライナには、ウクライナ軍以外にも、各省庁が管轄する準軍事組織が存在する。
脚注注釈出典
関連項目
外部リンク |
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