具体的に、ユークリッド空間Rn 内の格子L と、同じく Rn 内の d-次元多面体 P を考え、多面体 P の各頂点は格子 L 上の点であるものと仮定する(よくあるのは L = Zn で多面体 P の頂点座標が全て整数値であるような場合である)。任意の正の整数 t に対し、 tP を P の t-倍相似拡大とし、
を tP が含む格子点の数とする。エルハートは1962年に L が[note 1]t に関して次数 d の有理多項式であること、すなわち有理数a0, ..., ad で、任意の正整数 t に対して
L(P, t) = adtd + ad−1td−1 + … + a0
となるようなものが存在することを示した。さらに P が閉(つまり境界面が P に属する)ならば L(P, t) の係数のいくつかは簡単な解釈をもつ。
最高次係数 ad は P の d-次元体積を d(L) で割ったものに等しい(格子 L の容量 (content) もしくは共容積 (covolume)d(L) については格子群を参照せよ)。
(d−1)-次の係数 ad−1 は以下のように計算することができる。格子 L が P の各面 F に誘導する格子を LF とし、F の (d−1)-次元体積をとって 2d(LF) で割ったものを P の面すべてについて足し合わせる。
定数項 a0 は P のオイラー標数である。とくに P が閉凸多面体ならば a0 = 1 が成り立つ。