『オムニ・サイト・シーイング』(omni Sight Seeing)は、細野晴臣の13作目のオリジナル・アルバム。
タイトルの『omni Sight Seeing』とは「全方位観光」という意味である[1]。
背景
前作『エンドレス・トーキング』から4年ぶりのスタジオ・アルバムで、EPIC/SONY RECORDS移籍後初となる作品として発表された。
この頃に注目されていた「ワールド・ミュージック」に傾倒し、アラブのミュージシャンとのセッション、コラボレーションによって出来た作品。
1990年1月20日、このアルバムの制作風景を取材したNHKスペシャル、『熱砂の響き〜細野晴臣の音楽漂流〜』が放送された[2]。
リリース
1989年7月21日にEPIC/SONY RECORDSからリリースされた。
2008年12月17日にSony Music DirectのGT musicレーベルから、細野自身による監修のもとでリマスターが施され、完全生産限定盤としてデジパック仕様で再リリースされる予定だったが、2009年1月28日に延期された[3]。
2018年8月10日、アメリカ合衆国のレーベル、「ライト・イン・ジ・アティック・レコード」よりアメリカ盤(CD、LP)リリース[4]。
2020年11月3日にSony Music DirectのGREAT TRACKSレーベルから、バーニー・グランドマンによってカッティングされたLPレコード[5]がリリースされ、11月4日にはGT musicレーベルから、砂原良徳によるリマスタリングが施されたSACDハイブリッド仕様で再リリースされた[6]。
収録曲
CD/SACDハイブリッド
# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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1. | 「ESASHI」(エサシ) | 北海道民謡 | 北海道民謡 | |
2. | 「ANDADURA」(アンダドゥーラ) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
3. | 「ORGONE BOX」(オルゴン・ボックス) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
4. | 「OHENRO-SAN」(オヘンロ・サン) | | 細野晴臣 | |
5. | 「CARAVAN」(キャラヴァン) | アーヴィング・ミルズ(英語版)、デューク・エリントン、ファン・ティゾール(英語版) | アーヴィング・ミルズ、デューク・エリントン、ファン・ティゾール | |
6. | 「RETORT」(レトルト) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
7. | 「LAUGH-GAS」(ラフ・ガス) | | 細野晴臣 | |
8. | 「KORENDOR」(コレンドア) | | 細野晴臣 | |
9. | 「PLEOCENE」(プリオシーヌ) | | 細野晴臣 | |
合計時間: | |
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LPレコード
A面# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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1. | 「ESASHI」(エサシ) | 北海道民謡 | 北海道民謡 | |
2. | 「ANDADURA」(アンダドゥーラ) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
3. | 「ORGONE BOX」(オルゴン・ボックス) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
4. | 「OHENRO-SAN」(オヘンロ・サン) | | 細野晴臣 | |
5. | 「CARAVAN」(キャラヴァン) | アーヴィング・ミルズ、デューク・エリントン、ファン・ティゾール | アーヴィング・ミルズ、デューク・エリントン、ファン・ティゾール | |
6. | 「RETORT」(レトルト) | 細野晴臣 | 細野晴臣 | |
合計時間: | |
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B面# | タイトル | 作詞 | 作曲 | 時間 |
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1. | 「LAUGH-GAS」(ラフ・ガス) | | 細野晴臣 | |
2. | 「KORENDOR」(コレンドア) | | 細野晴臣 | |
3. | 「PLEOCENE」(プリオシーヌ) | | 細野晴臣 | |
合計時間: | |
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楽曲解説
- ESASHI (エサシ)
- タイトルの「エサシ」は江差追分から引用した。
- 細野が1988年に『NHKのど自慢』を見ていたところ、北海道江差町から来た当時14歳の木村香澄が歌った江差追分が忘れられず、彼女を探し出し、アカペラで録音したという[7]。
- ANDADURA (アンダドゥーラ)
- ジャンルとしては「アラブ音楽」である。
- ボーカルは、アラブ系シンガーのアミナ(ライナーノーツでは「Amina Ben Mustapha」となっている)と細野の二人である[7]。
- ORGONE BOX (オルゴン・ボックス)
- OHENRO-SAN (オヘンロ・サン)
- CARAVAN (キャラヴァン)
- 細野本人曰く「引用の集大成、ゴースト・ミュージシャンによるゴースト・バンド」、レス・ポールとデューク・エリントンの名前がクレジットされているが、これはシミュレートで、実際に演奏してレコーディングした訳ではない。
- RETORT (レトルト)
- 歌詞カードには歌詞が掲載されているが、本人は「私にはどうも上手く歌えないので、いつかどなたかに歌曲版を録音していただこうと思っております。」と解説している[7]。
- 2017年発売の自身のアルバム『Vu Jà Dé』に「Retort~Vu Ja De ver.~」(M11)として歌曲版セルフカバーが収録。
- LAUGH-GAS (ラフ・ガス)
- 歌詞はフランス語で歌は「Amina Ben Mustapha」が歌っている[7]。
- KORENDOR (コレンドア)
- 本人曰く「日本の田園の中でピアノを弾く、気が狂った宇宙人」と言うイメージ。
- PLEOCENE (プリオシーヌ)
参加ミュージシャン
ESASHI (エサシ)
- 木村香澄 : Main Vocal
- 川崎マサ子 : Chorus
- 本條昌也 : Ai-no-te and Chorus
- コシミハル : Backing Chorus
- Zouhir Gouja : Accordion
- Julien Weiss : Quanoon
- 本條秀太郎 : Orientation
ANDADURA (アンダドゥーラ)
ORGONE BOX (オルゴン・ボックス)
OHENRO-SAN (オヘンロ・サン)
- Harry Hosono : Prepared Piano, Sanu-kite
CARAVAN (キャラヴァン)
- Duke Ellington : Piamo, Horn Session
- Les Paul : E.Guitar, Rhythm Arrangement
- Gene Klupa : Drum Solo
- 清水靖晃 : Sax Solo
- Harry Hosono : Vocal in Japanese-English style
- 木本靖夫 : DX-7
- コシミハル : Hearing
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RETORT (レトルト)
- Harry Hosono : Celeste
- コシミハル : Junior Hohner & additional Arrangement
- 上野耕路 : Orchestrations(original for strings)
LAUGH-GAS (ラフ・ガス)
- Amina Ben Mustapha : Arabic Vocal
- Zouhir Gouja : Accordion
- Julien Weiss : Quanoon
- ぬのいともこ : French Voice
- Unknown Children : Laughing
- Miharuomi : Synthes
- TR-808 : Rhythm
- E.M.S : Bass
KORENDOR (コレンドア)
- Hosonoid : Piano Solo
- Evansoid : Orchestration
PLEOCENE (プリオシーヌ)
- Harry Hosono : Vocal, Kaya-gum
- 福澤もろ : Chorus
- 川崎マサ子 : Chorus
- 本條昌也 : Chorus
- コシミハル : Electric Piano
- 本條秀太郎 : Chorus Arrangement
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脚注
外部リンク
- Hosono Haruomi.jpによる紹介ページ
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シングル | |
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オリジナル・アルバム | |
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ライブ・アルバム | |
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ベスト・アルバム | |
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リミックス・アルバム | |
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サウンドトラック | |
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ボックスセット | |
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コンピレーション | |
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参加・プロデュースユニット | |
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関連人物 | |
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関連項目 | |
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