このビデオではクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを商用ライセンス契約と組み合わせて使用する方法が説明されている
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス (英語 : Creative Commons license 、略称: CC license)とは、クリエイティブ・コモンズ が定義する著作権 のある著作物 の配布を許可するパブリック・ライセンス (英語版 ) の一つである。
自作品を共有・使用・二次創作する権利を、作者が他者に付与する場合に、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスおよびパブリック・ドメイン・ツールが使用される。作者が求める形に対応できるように、ライセンスとツールはいくつかの異なる頒布条件を提供している。たとえば、自作品を非商用のみで使用許可することも出来る。
標記
コモンズ証のアイコン例
全てのライセンスおよびツールはコモンズ証、リーガル・コード、デジタル・コードの3つのフォーマットで標記される[ 1] 。
コモンズ証 (英 : Commons Deed )は、ライセンスおよびツールの法的な誓約を法律家ではない利用者にユーザーフレンドリー に表した標記である。この標記はライセンスの誓約を表す名称およびアイコンで表現される。標記はライセンスの誓約に基づく概要を含み、作品の作者および利用者が作品を利用する上で求められる誓約を法律家のような専門的な知識がなくとも理解できるものとなっている。ただし、それ自体がライセンス条文の法的な定義を持つものではなく、法的な定義はリーガル・コードによって標記される。コモンズ証のアイコンはパブリックドメイン の下で公開され、ウィキメディア・コモンズ でも再頒布されている[ 2] 。
リーガル・コード (英 : Legal Code )は、ライセンスおよびツールの法的なライセンス条文を文書化した標記である。ライセンス条文は英語で記述され、作品を利用する上での著作権 を含む権利の扱い、誓約に従った作品の利用指南が文書として記述されている。全てのライセンスおよびツールのリーガル・コードはクリエイティブ・コモンズ の公式サイトで公開されている。リーガル・コードはクリエイティブ・コモンズ 関連団体により他国語に公式翻訳されたものが存在する[ 3] 。
デジタル・コード (英 : Digital Code )は、ライセンスおよびツールをソフトウェアが識別するためのRDF 、XMP 、もしくはより低レベルのファイルフォーマット で表した標記である。検索エンジン が作品を探す、楽曲プレイヤーが演奏する、画像または動画プレイヤーが表示するなどの際に作品のライセンスを識別し、ソフトウェアが誓約に従った適切な制御をするために用いられる。この標記はccREL (英語版 ) (Creative Commons Rights Expression Language)として標準化されている[ 4] 。
規定領域
CC some rights reserved
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスおよびパブリック・ドメイン・ツールの下で公開された著作物 は適用できる著作権法 に準拠し[ 5] 、ライセンスおよびツールは書籍、演劇、映画、音楽、記事、写真、ブログ、ウェブサイトといった著作権 の概念があるすべての著作物 に適用させることが出来る。ただし、クリエイティブ・コモンズ はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスをソフトウェア に適用させることは推奨していない[ 6] 。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、一つ以上のライセンス条項の組み合わせで広い範囲を対象としたライセンスを提供する。
ライセンスの強さを一覧に示した図。左端に近づくほど法律で定められている全ての権利主張の範囲が大きく、利用時の制限も大きい。右端に近づくほど権利主張の範囲が狭く、利用の制限も小さい。なお、このマークの掲示及びその決定権は著作権者にあり、尚且つ自由意志である。
一番左をコピーライト (法律で定められている全ての権利の主張)である"All rights reserved"、一番右をパブリックドメイン (すべての権利の放棄)である"No rights reserved"として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスはこの両者の間で6段階の制約の強さの異なるライセンスを"Some rights reserved "の領域で提供している。パブリック・ドメイン・ツールは"No rights reserved "の領域で提供している。
利用条件
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスには、基礎的な権利[ 7] と4つの選択可能な条項が存在する。
基礎的な権利
基礎的な権利(英 : Baseline Rights )は全てのライセンスに必ず含まれるライセンサーおよびライセンシーに提示される権利である[ 7] 。
全てのライセンスは作者に以下の助けを与える。
全てのライセンスはライセンシーに以下を要求する。
ライセンサーが制限していることをする場合はライセンサーの許可を要すること
作品の全ての複次著作物において如何なる著作権表示 も残すこと
作品の複製物が作品のライセンスへ紐付けられること
ライセンス条項を変更しないこと
他作者の作品の使用を制限する技術を使用しないこと
全てのライセンスは以下を認める。
少なくとも非営利 において、ライセンス誓約の条件に従うライセンシーに、作品を複製すること
作品を頒布すること
公的に掲載もしくは演奏すること
ネット配信 などのデジタルパフォーマンス (英語版 ) をすること
作品を逐語的な複製品として別の形式に変換すること
全てのライセンスは以下の性質をもつ。
選択可能な条項
選択可能な条項は作者が作品の利用条件として提示するライセンス条項である。ライセンス条項はそれぞれ独立した4つの条項(BY 、NC、ND、SA )があり、作者が作品の利用条件として採用する条項を選択できる。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
クリエイティブ・コモンズ・ライセンス (英 : Creative Commons license )は、一つ以上のライセンス条項の組み合わせで6つの統合されたライセンスを定義する[ 14] 。組み合わせで選択したライセンス条項はライセンスのコモンズ証(名称およびアイコン)に標記される。
CC BY (英 : Creative Commons Attribution 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求する。
CC BY-NC (英 : Creative Commons Attribution-NonCommercial 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求し、非営利 目的での利用に限定する。
CC BY-ND (英 : Creative Commons Attribution-NoDerivs 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示-改変禁止)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求し、いかなる改変も禁止する。
CC BY-NC-ND (英 : Creative Commons Attribution-NonCommercial-NoDerivs 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-改変禁止)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求し、非営利 目的での利用に限定し、いかなる改変も禁止する。
CC BY-SA (英 : Creative Commons Attribution-ShareAlike 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示-継承)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
CC BY-NC-SA (英 : Creative Commons Attribution-NonCommercial-ShareAlike 、日: クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利-継承)は、作品を複製、頒布、展示、実演を行うにあたり、著作権者の表示 を要求し、非営利 目的での利用に限定し、作品を改変・変形・加工してできた作品についても、元になった作品と同じライセンスを継承させた上で頒布を認める。
単純な条項の掛け合わせでは計16の組み合わせが存在するが、「BY(表示) 」を含まない組み合わせ、相互に排他的な「ND(改変禁止)」と「SA(継承) 」条件の組み合わせは現在のクリエイティブ・コモンズ・ライセンスとしては無効である。
パブリック・ドメイン・ツール
パブリック・ドメイン・ツール (英 : Public Domain Tools )は、「パブリックドメインへの供与」もしくは「パブリックドメインの標識」を宣言し、作品および素材をパブリックドメイン と同等の条件で公開するための法的ツールである[ 15] 。作者が著作権 を含む権利を残して他者に特定条件の下に利用を許諾するライセンス ではない。
バージョン履歴
2002年 12月15日 、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン1.0がリリースされた[ 23] 。
2004年 5月24日 、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン2.0がリリースされた[ 24] 。バージョン2.0では、BY 条項を含まないライセンスの利用率が非常に少ないことからBY 条項を必須とした。著作権表示 のためのURL 等を用いたリンクバック (英語版 ) の適切な用法を明確化をした。シンクロ権 (英語版 ) の扱いを明確化した。その他、楽曲に関わる権利、例えばNC条項を付与しても音楽著作権管理団体 からロイヤリティ を回収する権利を残す、営利目的の再利用を許可する場合は利用者の収入源を定める排他的な権利を放棄するなど、を明確化した。デューディリジェンス モデルのリスク回避のため題目、商業性、適切性を否定する表現を含めた。SA 条項の誓約が、同一ライセンス、同じライセンスの最新バージョン、iCommons の認める同等誓約ライセンスに適用できることを明確化した。また、SA 条項の作品の併用においてCC BY-NC-SAとCC BY-SAに互換性は持たせない(それらの作品を併用できない)など、複数種類のライセンスの互換性 について検討がなされた。
2005年 6月、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン2.5がリリースされた。バージョン2.5では、必須となったBY 条項の扱い方についてマイナーバージョンアップとして見直した[ 25] 。
2007年 2月23日 、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン3.0がリリースされた[ 26] 。バージョン3.0では、USライセンスからの総括的な分離をし、世界的に汎用可能な「非移植(英 : Unported )」ライセンスを定義した。DRM (Digital Rights Management)およびTRM(Technical Protection Measures)に関わる「利用の自由(anti-DRM )」と「権利の保護(DRM)」の両立場での観点から改善が試みられた。ただし、この分野を詳細に言及することはライセンスを複雑化させて不便なものにすると判断し、簡潔な表現で纏めるに留まった。
2009年 1月16日 、CC0 バージョン1.0がリリースされた[ 27] [ 28] 。2007年 からCC0の策定は始められていた[ 29] 。
2010年 10月11日 、パブリック・ドメイン・マーク バージョン1.0がリリースされた[ 30] 。
2013年 11月25日 、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス バージョン4.0がリリースされた[ 31] [ 32] 。バージョン4.0では、各国語版ライセンスを各国法律に合わせた「移植(英 : Porting )」ではなく、原文のままを用いる「翻訳」としてライセンスを全世界の共通のもの(「国際」(International))とした。データベース権 のような著作権法 外で規定される権利の扱いを明確化した。BY 条項の求める著作権表示 の共通理解を示した。作者が求めるならば、著作権表示 の誓約をより柔軟に緩めることを可能にした。 [要出典 ] ライセンス違反に際して30日間の是正猶予期間を設けた。
ライセンスの選択
6つのライセンスのどれを選択し採用するかは、作者が作品の利用に際して「商用利用を許可するか」と「改変を許可するか」の二つの質問に答えることで決めることが出来る。クリエイティブ・コモンズ はライセンスを選択するツール「Choose License」をウェブサービス として公開している[ 33] 。
クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの付け方を解説した動画(無音)。動画中で出てくるのはChoose Licenseである[ 33] (2010年 、DBCLS togotv製作)。
アイコン
説明
略称
表示 を要求するか
改変 を許可するか
商用利用を許可するか
自由文化作品 を許可するか
OKF のオープンの定義 に適合するか
パブリックドメインとして公開
CC0
No
Yes
Yes
Yes
Yes
表示のみ
BY
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
表示 + 継承
BY-SA
Yes
Yes
Yes
Yes
Yes
表示 + 非営利
BY-NC
Yes
Yes
No
No
No
表示 + 非営利 + 継承
BY-NC-SA
Yes
Yes
No
No
No
表示 + 改変禁止
BY-ND
Yes
No
Yes
No
No
表示 + 非営利 + 改変禁止
BY-NC-ND
Yes
No
No
No
No
過去のライセンスとツール
廃止もしくは批判があったことが原因で過去に提供されていたクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで使われなくなり[ 34] [ 35] 、新たな著作物に適用させることが推奨されなくなったものがある。
BY を含まないライセンス は、2.0以降のバージョンで廃止された[ 35] [ 8] [ 36] 。廃止の背景は、ライセンサーの98%がウェブサイト上でのリファレンスを利用可能なままにするために表示を求めているためである。
発展途上国 ライセンス は、世界銀行 が所得が高くないと見なしている国にのみ適用されるライセンスである。他国の人々には完全な著作権制限が適用される[ 37] 。
サンプリングライセンス は、著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうと使用出来るが、著作物全体をコピーしたり改変することはできない[ 38] 。
サンプリングプラスライセンス は、著作物の一部を宣伝行為を除きいかなる目的であろうとコピーしたり改変できる。また著作物全体を非商用目的に限りコピーできる[ 39] 。
非商用サンプリングプラスライセンス は、著作物の全体もしくは一部を非商用目的にコピーしたり改変できる[ 40] 。
PDDC (廃止)
PDDC (Public Domain Dedication and Certification、日: パブリック・ドメインへの供与と認証)は、アメリカ合衆国 の著作権法 を主観にした作品をパブリックドメインへの供与を宣言するツールである[ 41] 。このツールはCC0とPDMに置き換えられた。
留意点
ライセンスの解釈
バージョンによって利用許諾条項の文章が一部異なるため、条件の解釈が変わる可能性がある[ 注 2] 。国によっては、特定の条件を満たすと著作権者の権利が一部制限されることがあるため、提示したライセンスに反して著作物が使用されてしまうことがある[ 注 3] [ 42] [ 43] 。
コピーコントロール機能の禁止
二次的著作物には、コピーコントロール機能 などの著作権に関する世界知的所有権機関条約 で定義される技術的保護手段を講じることができない[ 44] [ 45] 。例えば、テレビ放送する場合はコピー・ワンス ・ダビング10 などのコピー制御機能を使用することが違法となる可能性がある。ただし二次的著作物が編集著作物・データベースの著作物に該当する場合は、二次的著作物の部分以外には技術的保護手段を講じることができる[ 46] 。なおバージョン4.0においては、作品に付加されたコピーコントロール機能を解除して使用することも認められている[ 48] 。
二次的著作物
6つライセンスの機能はそれぞれ異なるため、異なるライセンスの下に置かれた作品は、ライセンス条項に違反することなく、必ずしも互いに併用できるとは限らない。ライセンスの互換性 がないライセンスで使用許諾された作品は、著作権者 の許可を得ることなく他作品と再結合することはできない[ 49] 。二次著作物 で作品のライセンスを選択する際、複数の異なるライセンスの作品を併用して派生作品 を制作する際はライセンスの互換性 に注意しなければならない。OER Africaはライセンスの互換性 を確認するツール「Creative Commons Licenses Compatibility Wizard」をウェブサービス として公開している[ 50] 。
過去の和訳語
和訳語は2006年 11月29日 にクリエイティブ・コモンズ・ジャパンによって変更されたもので、それ以前は「表示」は「帰属」、「改変禁止」は「派生禁止」、「継承」は「同一条件許諾」と訳されていた[ 51] 。そのため、過去の日本版ライセンスのリーガル・コードにはその訳で書かれている。
批評
貢献者を導くクリエイティブ・コモンズ 、この画像はウジェーヌ・ドラクロワ の民衆を導く自由の女神 の派生作品
ライセンス全般
『The Scholarly Kitchen 』の著者であるケント・アンダーソンはSociety for Scholarly Publishing (英語版 ) で、「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス」は「著作権 」に依存し、その上で後者よりも複雑であるため、一般の人々はクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを精査しないでソフトウェア利用許諾契約 のように反射的に受け入れる一方で、同時に著作権 によって保護される権利を弱める恐れがあると述べた[ 52] 。
ニーナ・パリー (英語版 ) は、全てのクリエイティブ・コモンズ・ライセンスはBY 条項を含んでいるため、他の複数の作品をベースとした作品では不便となると述べている[ 53] 。
商用分野
批評家は、コンテンツ制作者の報酬が十分でないことにより、作品を制作することを躊躇させ、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスで構築されるものはローカル・コモンズ ではないかと疑問を提した[ 54] 。
エリック・メーラー は、NC条項はウィキペディア などの商用利用を認めるオープンコンテント のサイトとライセンスの互換性 がなく、NC条項が普及することで大企業ではなくブログ 、ラジオ局 、ローカル新聞 などを扱う中小企業もしくは個人事業の制作者が被害を受けると危惧した[ 55] 。
ソフトウェア分野
Debian やGNUプロジェクト などの自由ソフトウェア運動 [ 56] を強く支持している開発者はバージョン2.0以前のBY 条項を含むクリエイティブ・コモンズ・ライセンスはDebianフリーソフトウェアガイドライン に互換性がないと判断を出した。ライセンスのanti-DRM (曖昧さによりDRM 以上の広域概念を含む)の条文と、二次著作物 の作者への原作者 の要求に応じてクレジット の削除するという要件が懸案となっていた[ 57] 。バージョン3.0ではこれらの事項について検討および解消がなされ、Debianフリーソフトウェアガイドライン に互換性が認められた[ 58] 。
自由ソフトウェア運動 を推進しているベンジャミン・マコ・ヒル は、全てのライセンスが満たさなければならない作者と利用者が準拠すべき「基本の自由」の確立に失敗したと述べた[ 59] 。また、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスは、互換性のない複数のライセンスを提供することによってライセンスの氾濫 を悪化させると主張した。フリーソフトウェア財団 の代表リチャード・ストールマン は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが「公開された作品を営利目的で共有する自由」を許可しないライセンス[ 60] を採用しているため、クリエイティブ・コモンズを積極的にサポートすることをしないと発言した[ 61] 。また、リチャード・ストールマン はベンジャミン・マコ・ヒル の指摘を支持した。
利用事例
初期に製作された、クリエイティブ・コモンズの内容とその利用の拡がり、を伝える動画(2003年製作)
クリエイティブ・コモンズ はGlobal Affiliate Networkを通してクリエイティブ・コモンズ・ライセンスが利用可能な地域 の展開を進めている[ 62] 。
クリエイティブ・コモンズ は、2011年 6月にクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを利用したプロジェクトやクリエイターの活動をまとめた世界各国の事例集『The Power of Open』[ 63] をリリースした。
ウィキメディア財団 は、2005年 9月25日 以降にウィキニュース へ投稿されたテキストを「CC BY 2.5」を採用した[ 64] 。2009年 6月15日 以降は、ウィキペディア などその他のウィキメディア・プロジェクト でも「CC BY-SA 3.0 Unported」を採用した[ 65] 。
日本 の文化庁 は、2013年 3月に策定を検討していたCLIPシステム(CLIPライセンス、自由利用マーク )の計画を破棄し、著作物の利用許諾について意思表示するライセンスとしてクリエイティブ・コモンズ・ライセンスを支援すると表明した[ 66] [ 67] 。
非公式ではあるが、合衆国最高裁判所 の口頭弁論はOyezプロジェクト でクリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下、オーディオファイルとして公開されている。
他の採用事例としては、学術分野ではオープンコースウェア 、カーンアカデミー 、セイラーアカデミー (英語版 ) 、アナトモグラフィー がある。メディアコンテンツ分野ではccMixter 、openphoto.net、flickr [ 68] 、Freesound 、OpenGameArt.org 、Jamendo がある。ソーシャルネットワーク分野ではknol 、Citizendium 、Identi.ca 、マッシュルーム・オブザーバー (英語版 ) 、アソシエーション・フォー・プログレッシブ・コミュニケーション (英語版 ) がある。
脚注
注釈
^ 各ライセンスのバージョン3.0の第1条に“For the avoidance of doubt, where the Work is a musical work, performance or phonogram, the synchronization of the Work in timed-relation with a moving image ("synching") will be considered an Adaptation for the purpose of this License.”(参考訳:錯誤回避のため詳述すると、作品が音楽作品、上演、レコード、動画像と同時性を持たせた作品の同期物(以下動画と呼ぶ)はこのライセンスの目的において二次的著作物であると考えられます。[ 12] )とある。
^ 特にバージョン2.5からバージョン3.0への改定にあたっては利用許諾条項の文章が刷新され、「表示」の付加が義務付けられる、特定の許諾条件の変更・免除することができる等の変更があった。
^ 各ライセンスのMiscellaneousの項に“this License is not intended to restrict the license of any rights under applicable law.”(参考訳:このライセンスは、適用法令において許可されているいかなる権利をも、制限することはありません。[ 12] ))とあり、ライセンスよりも著作権法における「著作権の制限」が優先して適用される。
出典
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関連項目
外部リンク