「サウダージ 」(ポルトガル語 : Saudade )は、ポルノグラフィティ の楽曲。2000年 9月13日 にSME Records より4作目のシングル としてリリースされた。
概要
前作『ミュージック・アワー 』から2か月ぶりのリリース。
オリコン週間シングルランキング 初登場は2位であったが、翌週に初動を上回る売上を記録して自身初のオリコンチャート1位 を獲得[ 2] 。その後も7週連続でトップ10入りし、年末年始にも4週(合算週含む)で返り咲くなど、自身のシングル としては最長となる合計12週でトップ10入りを記録している[ 注釈 1] 。また、シングルでは自身最高の売上枚数を記録しており、出荷ベースでは自身初のミリオンセラー [ 注釈 2] となった[ 3] [ 4] 。
初の週間1位 、ミリオンヒット ということもあり、新藤は「事務所に行ったら紙吹雪くらいで褒めてもらえるだろう」と思っていたが、同時期のアミューズ ではサザンオールスターズ 「TSUNAMI 」、福山雅治 「桜坂 」が共に200万枚を上回る大ヒットを記録していたため、お祝い自体は普通だったと振り返っている。
収録曲
全編曲: ak.homma 。 # タイトル 作詞 作曲 時間 1. 「サウダージ」 ハルイチ ak.homma 4:20 2. 「見つめている」 アキヒト アキヒト 4:32 3. 「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」 アキヒト シラタマ 5:00 4. 「Search the best way」 シラタマ・ハルイチ シラタマ 4:42 合計時間:
18:34
楽曲解説
サウダージ
ポルノグラフィティの代名詞となったラテンサウンド を初めて取り入れた楽曲で、国内外で人気を誇る代表曲の一つ[ 2] [ 4] [ 5] 。
元々は大塚製薬 「ポカリスエット 」2000年度CMソング用に制作された楽曲であったが、「夏のイメージに合わない」という理由から同CMソングには前作「ミュージック・アワー」が選ばれた[ 6] 。しかし、本作のリリース前に出演した『ポカリスエット MUSIC LEAGUE 2000 ザ・ライブ!』で披露した本楽曲を大塚製薬側が気に入り、最終的には本楽曲も同CMソング[ 注釈 3] に使用されたというエピソードがある[ 6] 。
サウダージ (ポルトガル語 : Saudade )とは「郷愁 」「やるせない思い出」などを意味する[ 3] [ 7] 。作詞を手掛けた新藤は自身が持つボサノヴァ 系のCDによく出てくる言葉だったことからタイトルや歌詞に使用したと語っており[ 3] [ 7] 、元々意味は知らなかったという[ 7] 。
歌詞は女性の言葉で進行するが、新藤が「実際男にもある気持ちを女言葉で書いたんです。これは手段でしかなくて、女の気持ちを書きたかったわけではないんですよ [ 8] 」と語っているように、綴られているのはあくまで「男の気持ち 」であるという[ 7] 。これは「女の人の言葉のほうが感情をあらわにしやすい部分もあるのでは?」という考えによるもので[ 7] 、「男性が持つ恋愛に対する女々しい部分」を女性の言葉で表現している[ 3] [ 8] 。また、歌詞の内容が「生々しくて出せない手紙」というイメージであったことから、本楽曲のみ歌詞カードの歌詞が当時アミューズに所属していた山本未來 による手書きとなっている[ 7] 。
MV のコンセプトは時の無情 、彼等の「今」と「人生の晩年」 との対比で、メンバーが特殊メイク により老人と化すシーンがある[ 9] 。また、メンバーが読んでいる手紙は本楽曲の歌詞を英訳したものである。監督は過去3作に引き続き板屋宏幸が務めており、「ダイアリー 00/08/26 」のMVにはメイキング映像が収録されている[ 9] 。
ライヴでは2000年6月に開催された『東京ロマンスポルノ Vol.4 "横G"』 で初披露[ 注釈 4] 。本作のリリース直後に開催されたホールツアー『2ndライヴサーキット "D4-33-4"』ではTamaがウッドベース で本楽曲を演奏し、2ndアルバム『foo? 』にはそのアレンジを基にしたアルバムバージョンで本楽曲が収録された[ 7] 。
初出場となった『第51回NHK紅白歌合戦 』では本楽曲を披露した[ 5] 。
『THE FIRST TAKE 』第148回(2021年9月3日公開)では、「一番求められているだろう楽曲」として本楽曲の特別アレンジを披露[ 5] 。同映像の総再生回数は公開からわずか2か月で1000万回を突破し、このパフォーマンスを音源化した「サウダージ - From THE FIRST TAKE」が同年11月16日より配信リリースされた[ 10] 。
見つめている
初めて岡野が作詞・作曲の両方を手掛けた楽曲[ 8] 。
曲自体は岡野流のボサノヴァとして制作していたが、最終的には全く違う曲になってしまったという[ 7] [ 8] 。
詞は制作当時にストーカー による事件が世の中で多発していたことから「ストーカー」や「異常愛」などをテーマに書かれており[ 8] [ 11] 、タイトルは「物陰から、じ〜っと見つめている 感じ」[ 8] 。後に岡野は「一筋縄ではいかんぞ岡野昭仁みたいな、こんな顔もあるんだぜというところを見せつけたくて張り切ったらこんな歌詞になった[ 11] 」と振り返っており、「ビーチサンダルを履いた指に挟まる砂のように君にまとわりついて〜 」の箇所については本人も「どうかしてるでしょ」と語っている[ 11] 。
冷たい手 〜3年8ヵ月〜
次曲「Search the best way」と同一メロディの楽曲で、歌詞とアレンジが異なっている[ 8] 。これは締め切り日に歌詞が2パターン出来ていたためで[ 7] [ 8] 、岡野曰く「この2曲は"違う曲"ですね、バージョン違いでもなく[ 8] 」。
Search the best way
フル・アレンジの「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」と異なり、本楽曲はシンプルなアレンジとなっている[ 8] 。
Tamaが作詞に携わった[ 注釈 5] 唯一の楽曲であり、「自分が信じた道を突き進むことの大切さ 」が歌われている[ 12] 。元々はTamaが故郷の因島 で友人と仕事や人生の話をした際に思ったことをテーマに1番まで詞を書いたが、時間がなく、新藤に残りの詞を託すこととなった[ 8] 。新藤は詞を見たときに明確に伝わってきた、Tamaの書きたいことや思いを分かりやすく伝えようと、詞を書く技術を駆使して残りの詞を書き上げたと語っている[ 注釈 6] 。
Tama脱退後、2人体制での初の単独ライヴ『FANCLUB UNDERWORLD 2』では本楽曲がオープニングナンバーとして披露された。
タイアップ
サウダージ
TBS 系『ワンダフル 』ミニドラマ主題歌(2000年)
大塚製薬「ポカリスエット」ミュージックリーグver. CMソング(2000年)
UHFアニメ 『ReLIFE 』第7話エンディングテーマ(2016年)
Additional Musicians
サウダージ
見つめている
冷たい手 〜3年8ヵ月〜
Search the best way
収録作品
#
タイトル
収録作品
1
サウダージ
アルバム
ミュージックビデオ
ライヴ映像
ライヴ音源
2
見つめている
ライヴ映像
ライヴ映像作品『16thライヴサーキット "UNFADED" Live in YOKOHAMA ARENA 2019』[ 注釈 15]
3
冷たい手 〜3年8ヵ月〜
4
Search the best way
カバー
サウダージ
脚注
注釈
^ 連続でのトップ10入りは『サボテン 』『愛が呼ぶほうへ 』が最長である。
^ あくまでも出荷ベース でのミリオンセラーであるため、オリコンの集計では100万枚を突破していない。
^ 『ポカリスエット MUSIC LEAGUE 2000 ザ・ライブ!』のライヴ映像を用いた「ミュージックリーグver. 」。
^ その際のタイトルは「サウダージ 〜朱夏〜 」であった。
^ 新藤との共作(クレジット表記はシラタマ・ハルイチ )。
^ Tamaが書いた1番の詞も新藤によって一部手直しが加えられている[ 8] 。
^ 前述のアルバムバージョンでの収録。
^ 韓国盤のみ収録。
^ メドレー内の1曲として収録。
^ 『14thライヴサーキット "The dice are cast" Live in OSAKA-JO HALL 2015』及び特典映像の『Amuse Fes 2015 BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~』に収録。
^ 『横浜ロマンスポルノ'16 〜THE WAY〜 Live in YOKOHAMA STADIUM』及び特典映像の『SUPER SLIPPA 7 2016 TAIPEI SUPER SUMMER MUSIC FESTIVAL』に収録。
^ 『16thライヴサーキット "UNFADED" Live in YOKOHAMA ARENA 2019』『"NIPPONロマンスポルノ'19 〜神vs神〜" DAY2 』に収録。
^ 特典映像の『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2023』に収録。
^ 特典映像の『19thライヴサーキット "PG wasn't built in a day" Live at TOKYO ARIAKE ARENA 2024』に収録。
^ 表記はないが、岡野による弾き語り(ワンコーラスのみ)を収録。
出典
関連項目
岡野昭仁 (Vo) - 新藤晴一 (Gt) シングル
オリジナル
1990年代
2000年代
00年 01年 02年 03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年
2010年代
10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年 19年
2020年代
配信限定
1.m-FLOOD - 2.Zombies are standing out - 3.フラワー - 4.サウダージ - From THE FIRST TAKE - 5.テーマソング - From THE FIRST TAKE - 6.アビが鳴く - 7.THE DAY - From THE FIRST TAKE - 8.アゲハ蝶 - From THE FIRST TAKE - 9.ヴィヴァーチェ - 10.言伝 -ことづて-
参加作品
1.Let's try again - 2.それを強さと呼びたい(配信限定) - 3.それを強さと呼びたい 〜2015ver.〜(配信限定) - 4.それを強さと呼びたい 〜2017ver.〜(配信限定) - 5.それを強さと呼びたい 〜2018ver.〜(配信限定) - 6.それを強さと呼びたい 〜2019ver.〜(配信限定)
アルバム
映像作品
その他 ラジオ 関連項目
カテゴリ
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