サーモグラフィー![]() サーモグラフィー[1][2][3](英: thermography)は、物体から放射される赤外線を分析し、熱分布を図として表した画像、またはその画像を取得する装置である。 赤外線は、すべての物質から放射されており、その強度は、絶対温度の4乗に比例する。そのため、赤外線によって感光するカメラを用いて対象を撮影し、赤外線の放射強度を分析することにより、対象の表面温度を可視化することができる。 医療![]() 医療では体表面の皮膚温度分布を測定し、それを色分布などで画像化して乳癌、手足などの血流の低下などの診断に用いる。 サーモグラフィー検査適用疾患
医療用サーモグラフィサーモグラフィー装置の中には、医療専用の装置である医療用サーモグラフィーがある。それを使ってサーモグラフィー検査をすると、診療報酬(保険)の対象となる。ただし、医療用サーモグラフィーは通常のサーモグラフィより更に高額となるためになかなか普及していなかったが、最近ではこの医療用サーモグラフィーをレンタルする所もでてきている。 国際空港や公共施設などで、新型インフルエンザなどの発熱を伴う、伝染性疾患の簡易検査にも用いられている[4]。 建築![]() 外壁タイルの浮きなどの調査用として撮影される。 タイルとモルタルの接着強度の低下により空気層ができる。この空気層が太陽光や外気温により温度が上昇することを利用し、タイルの浮きを判断する。そのほか、同様に温度差を利用して、外壁の中の雨漏りの経路の調査、断熱不良部分の調査、さらに木造建築物の壁の内部に設けられた筋かいの有無の調査にも応用範囲が広がっている。 設備![]() 電気設備の劣化調査として撮影される。 接触不良による不具合箇所は温度が上昇する。 軍用→詳細は「ナイトビジョン § パッシブ遠赤外線方式」を参照
近年では、軍事分野でのサーモグラフィー技術の応用も広がっており、その装置は熱線暗視装置(英: thermal imager)と通称される。ただし、他分野では対象物の精査に用いられることが多いのに対して、軍事分野では、対象物を精査する以前に、これを捜索・探知する段階でも用いられる。これは、サーモグラフィー技術で用いられる遠赤外線(波長 4〜1000μm)帯域には、下記のような特性があるためである。
受光素子の技術進歩を受けて、1990年代以降は普及が徐々に進んでおり、航空機にIRSTやFLIRとして搭載されているほか、軍用車両や、さらには個人用暗視装置への応用も行われている。 脚注
関連項目
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